1. 真夜中の弥次さん喜多さん
おもろくなかったです。うーん、破綻してますね。シーンごとにアイデアを詰め込みたかったのは分かるけど、一点豪華主義に終わっていて統一感がないです。「それはほんまに必要あるんか?」というシーンに、「自分、それやらせたいだけやん」っていう登場人物もたくさんいましたし。 「リアルとは何か」というテーマには共感できます。が、どんなに崇高で伝えにくいことをテーマにしようが、自分のありあまる才能を表現しながら、たいていの人が理解できるようにおもしろく作ることができる人間、というのが「天才」と呼べると思うのです。いかに気持ちよくなりながら、気持ちよくさせるか。その点で、この作品をつくった人は天才でもなんでもなく「ただのオナニー上手」ではないでしょうか。完全に観る人の存在を忘れて、やりたいことだけやってあっちのほうにいっちゃったバランスの悪い映画だと思います。 この作品をつくった人、すなわちクドカンの「こういう映画を作りたかったんやー!」という気持ちは分かります。才能のある人なのかもしれませんが、しかしものには順序というものがあります。もう少し段階を踏んでからこういったものを作ったほうが、観客のためであり、彼のためでもあると思いました。というわけで、4点です。人にはあまりオススメしたくない映画です。 【追記】関西人にもかかわらず、「こわい」「つめたい」「工夫がない」という江戸っ子のツッコミをこのレビューでしてしまったことをお許しください。 [映画館(吹替)] 4点(2005-12-11 03:40:25) |
2. マナに抱かれて
たいへん申し訳ないのですが、『ナビィの恋』と間違ってレンタルしてきてしまいました。あれま。沖縄のつもりで部屋を暖かくしてビールまで用意してたのに、これハワイじゃないですか。やってもた。でも、グレードがアップした気になって、それならそれで、ま、ええかーと開き直って、なんでもないストーリーのバックに流れる美しいハワイの風景に見入ってました。あ、ストーリーは本当になんでもないです。これならハワイのDVDを借りてきたほうが良かった気もしますが、そっちよりは飽きずに観られるだけマシだと思います。というわけで、4点。川原亜矢子さんはモデルだけやっていればいいと思います。【追記】あんなデカい貝、ほんまにうまいのか? [DVD(吹替)] 4点(2005-12-07 18:04:04) |
3. マーズ・アタック!
映画観てるこっちもアホじゃないんやから、いろいろ考えながら観てるわけですよ。「ハトはあかんのか?」とか「言うてることが逆さまになってんのか?」とか、ね。ずっと、なにがどうなってこうなってんのか、というのを探しながら観てます。で、ラストで「実はこうでしたー!」と明かされて、「あーなるほどー!それがあったかー!」ってなりたいんですよ。せやのに、ここまで「ただ単純に火星人が攻めてくるだけ」の映画にしてもらうと、そら「時間と金返せ!」ってなりますよね。そんなん俺でも作れるやん、っていう。 とにかく、うわっつらのアイデアとセンスだけを意識してたくさん盛り込んでいったぺらぺらな映画です。内から沸き上がってくるものは何もない。ティムバートンらしいビジュアル的なセンスはまぁいいと思いますが、ちょっとでも思考を働かせるとそれをぜんぶ裏切られることになります。なので、完全に思考停止ができる快楽主義的な方にはオススメできますが、そうではなく作品に何らかの意味を見出そうとするタイプの方にはまったくオススメできません。ここまで票が割れているのを見ると、映画の見方ってほんまに人それぞれなんやなぁと痛感いたします。 というわけで、ごめんなさい、俺は4点です。やっぱりティムバートンの映画は、いつもオープニングだけが素敵ですなー。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-01 03:07:28) |
4. マルコヴィッチの穴
全体を通してなかなかおもろかったですが、ややアイデア倒れしてしまった感が否めないです。社長さんがハナシに絡んできたあたりから急に失速しはじめたのと、途中でオチが読めてしまったのが痛恨の一撃、二撃。収まるところに収まってしまったなぁ、でも散漫な作りになってしまったなぁという印象です。それだけでマイナス2点とか3点とかいっちゃいますね。ああ、もったいない。これだけのアイデアがあれば、もうちょっとおもろくできると思うんですが。 でも個人的には、この映画に対して賛否両論がある理由がいまいちよく分からないです。いや、ふつうにおもろいやろう、と。たしかにアラはありますが、おもろくないということはないやろう、と。あ、ここまで言えちゃうということは、もしかすると俺もマルコヴィッチの穴にハマっちゃってるのかもしれないですねっ。というわけで、かなり7点に近い6点。こういう変態的なハナシは嫌いではないです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-30 03:18:57) |
5. マッハ!!!!!!!!
要するに、走ったり跳んだり、とにかくすごいことをやってみた、というシーンを見せたかっただけでは。流れをぶった切ってるリプレイがそれを象徴してますよね。障害物の配置もあきらかに狙ってるし。「ほらこれ越えまっせー!どやすごいやろ!俺こんなんもできるんやでー!見たってーやー!この角度なんかどないでっかー!」みたいな。 すごいことをさらりとやってのけて、さらにそこに工夫やユーモアがある、というのがこの手のアクション映画の理想だと思うのですがどうでしょう。べつに俺はびっくり人間ショーを見たいわけじゃないです。アクション映画を観たいのです。というわけで、4点。そこまでできることはよく分かったので、もういっこ上のレベルで頑張ってほしいです。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-13 03:16:04)(良:2票) |
6. MIND GAME マインド・ゲーム(2004)
「すべては自分の脳みそが作り上げた幻想にすぎない」。そこを出発点に、ぶっとんだお話が繰り広げられます。 この点数を付けた理由は、はっきり言って単純に「ひいき」でしかないです。それ以外になんの理由もありません。好きなんですよ。大阪弁とか吉本とか、センスのいい映像もそうやしテーマもそう。ぜんぶが自分のなかにパシーっときてるんです。なんかもう、いろいろ言葉で飾っても足りんくらいに。いままで観た映画のなかでいちばん好きかもしれません。きっと監督は才能のない俺のかわりにこの作品を作ってくれたんでしょう。もしくは、俺のために作ってくれたんでしょう。そう思える作品って、なかなかございませんよ。そもそもこんなレビューを他人に読ませようってこと自体が間違ってるんです。でもそれでも俺はええんやー! 冷静に観ると、短編を映像のアイデアで無理矢理に引き延ばしているようなところが見受けられて、やや冗長です。中盤のテンポも決して良いとは言えません。そのへんが減点ポイント。たぶん過大評価してるんでしょうが、それは自覚してます。でもいいんです。「恋は盲目」って言うじゃーありませんかー。「いまの俺は、こんな子が大好きですー!」っていう、ただそれが分かってもらえたらいいです。 というわけで、9点です。これだけ言って10点をつけない理由は、前述の通り。ま、そのへんはご愛敬ということで。デキのわるい子のほうがかわいいですよね。価値観変えたい方はぜひ観てください。 【追記】あ、ちなみに俺も、ラジオ持ってまーす。 [DVD(吹替)] 9点(2005-11-13 01:53:29) |