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1.  マジック・イン・ムーンライト 《ネタバレ》 
ウッディ・アレンの映画は大好きだけど、特に会話が気が利いていて好きなんですが、今回はそれも考慮してもいつものレベルのアレンではないなと思いました。ただ、ちょっと軽い映画、楽しめるものを彼は撮りたかったのかもしれません。 コリン・ファースもエマ・ストーンもとてもすてきだし、彼女のファッションもめちゃめちゃ美しい。南仏の風景も素晴らしい。 でもどう考えても、ソフィがスタンリーのことを好きになる理由がまるでわかりませんでした。いつもアレンの男の夢なのかな。 やっぱりラブコメなんだから、説得力はなくちゃ!と思った映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-18 09:28:51)
2.  間違えられた男 《ネタバレ》 
ヒッチコックの映画はほとんど観ているのだけれども本作は初めて観た。実話といいながらなぜか実話と思えない。とにかくヘンリー・フォンダの目がすごくて、観ているうちにどんどんこっちの神経がやられてしまう。刑務所に送られていく場面の靴の並び。自分の運命がかかっている裁判所で、弟の奥さんは口紅をなおしていたり、検事たちが雑談しながら笑っていたり、マニーの視線でこの映画を観るはめになる。かといってマニーに感情移入することを強いてはいない。ヒッチコックでなければおそらくこんな風には撮れないだろう。そういう意味でものすごくヒッチコックらしい映画だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-28 13:28:01)
3.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
秀作。プラスではなくマイナスの映画。マイナスの余韻をくっきりと残す。そして観る前と後では少し考えが変わるタイプの映画。女優ふたりの競演が素晴らしい。若いアナ・ケンドリックも大人の女ヴェラ・ファーミガも甲乙つけがたい。どちらの生き方にも共感がある。 そのふたりにはさまれて立ち尽くしているジョージ・クルーニーは今までにない味をだしている。彼はどちらにもいけない。 
[地上波(字幕)] 8点(2011-10-10 07:29:23)
4.  満月の夜
「二つの妻をもつのものは心をなくし、二つの家をもつのものは分別をなくす」という格言から始まる。そしてくすんだブルーの縁取りのアパートが映し出されるのだが、このアパートがまたまたとても前衛的でおしゃれ。映画の印象はただただもうパスカル・オジェの美しさとモンドリアンの絵につきる。あらすじをいえば、レミ(チェキー・カリョ)と同棲していてものすごく愛されているルイーズ(パスカル・オジェ)が、パリに別に自分の家を持ち、愛情の束縛から逃れようとし、かつあふれんばかりの愛情に飢えるという逆説的な物語。わたしはこの映画を最初みたときあまりすきではなかった。パスカル・オジェの容貌やファッションなどとても奇異に感じた。しかし時間が過ぎるとまた観たくなり、観るたびにすきになる映画。パスカル・オジェは1958年生まれ。この映画を撮った年に25歳の若さで亡くなっている。そのせいか彼女には不思議な儚さ、透明感が漂っていて、惹きつけられる。この映画でヴェネツィア映画祭主演女優賞に輝いています。 
[DVD(字幕)] 9点(2008-07-20 10:22:11)
5.  まあだだよ 《ネタバレ》 
黒澤監督はこれが遺作だともちろんわかって撮っていたのだろう。題名が題名だもの。人生の最後にきて内田百閒。それでも、天下の黒澤監督をもってしても、内田百閒の魅力を描くのは難しすぎたのかもしれない。内田百閒は難しいなあ。どうしてまたあんなに頑固で我儘で、鬼のような怖い顔をした子どものような男をみな愛するのであろうか。内田百閒を読破してからこの映画を観たら、楽しくて楽しくて仕方ないだろう。だがそれでは映画としては成立しているとはいえない。ただノラが失踪して、先生が捜してくれた皆に礼を言う場面。先生の言葉に奥さんが思わず泣き出すシーンが秀逸だった。こんな繊細な感情を私は言葉では説明できない。このような感情を、果たして、たとえばアメリカの人は理解できるのかな?と思った。やはり黒澤…と寒気がした。マニア向けの映画ということで、この点数を。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-14 18:58:34)(良:1票)
6.  間宮兄弟 《ネタバレ》 
あの森田芳光が「小さな幸せがいっぱい」などという作品を撮るわけがないあの「家族ゲーム」の森田が…と勝手に思い込んで見ていたわけですが、もう最初からツッコムつもりで観ているわけで、なんともひねくれた観客なわけです。で思うに、あの間宮兄弟はあの完結した兄弟の生活のなかで遊んでいるだけなのではないか…と。弟は最初からカレシがいると知っている直美ちゃんを誘うように兄にけしかけ、自分は離婚騒動の最中にいる兄の同僚の奥さんに迫る。どちらも成就しないことを見据えての恋愛ゲーム。兄弟の生活の唯一の汚点は、「結婚できない」「彼女がいない」と言うことであるわけだけれども、それが成立してしまうと兄弟の生活は崩されてしまう。彼らにとっては「女性にもてない」ことさえも兄弟の生活のなかのゲームなのではないか。そう考えてみるとこれは結構怖い映画かもしれない。まったり…などと言っているのが空恐ろしいような気がしました。でもこの映画、わたしは大好きです。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-20 17:17:00)
7.  マシニスト 《ネタバレ》 
クリスチャン・ベールがいったいどうやってあんなにまで痩せることができたのか?それがこの映画の最大の謎ですね~一度観てしまうと二度は観れないタイプの映画(シックスセンス、エンゼルハート、などなど)ではあるけれども、暗いというだけでは説明のできない映像が素晴らしくて、わたしはまた観ちゃうかもと思いました。ストーリーは今ひとつではあるけれど、クリスチャン・ベールの演技には本当に鬼気迫るものがあり一気に観てしまった。ただあの冷蔵庫をなんで開けないの?いったいいつになったら開けるの?とそればかりが気になってイライラしました。それも演出なんでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-11 09:38:00)
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