1. マッドマックス:フュリオサ
《ネタバレ》 十分期待していたもの(砂漠でのイカレタ乗り物と人間の戦い)が見れらたし、面白かったとは思うのだけれど、あの「怒りのデスロード」の前日譚だと思うと、少々物足りないような気もする。行って帰ってくる、という前作のシンプルさと比べて、なんだか物語が邪魔しているような気がするなあ。なんか屈託が滲み出ちゃってて。エンドロールで「デスロード」の名場面集が流れるのですが、そこで妙にニヤニヤしちゃうワタシなんですが、つまり本作には、そんなバカっぽいかっこよさがないんですよね。坊主になることを際立たせるためだったとは思いますが、長髪(80年代の頃のお姉さんみたい)のフュリオサが状況にそぐわなすぎて、カッコ悪かったのも減点だと思います。あれで、火の中かいくぐれないだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-07 20:03:10) |
2. マミー(2024)
《ネタバレ》 うーん。率直に言えば面白くないし、好きでもないのだけれど、なんだか異様な雰囲気はある。事件の真相に迫るというのがメインの筋ではあるのだけれど、それよりも有名死刑囚の「ファミリーもの」という側面が強すぎて。保険金詐欺の部分については、もう繕おうともしないわけだな、林健治氏は。家族からマミーと呼ばれ、教育熱心ではありつつも、そんなことの片棒かつでいたのだな、真須美氏は。また、若手監督のいっちょコレで当ててやる感が強すぎて。カメラの停止を要請されても、画角を変えて撮り続ける。取材先からNGを喰らい続ける姿は「青春もの」のようなのだが、林家の皆さんはなぜOKをだしたのか?自分たちの主張の場が欲しかったのだとは思うが、であれば健治氏の不用意な発言はなんなんだ。■眠れない夜に、時々思い出してしまいそうでイヤな気持ちになる。 [映画館(邦画)] 4点(2024-09-21 16:12:02) |
3. マリウポリの20日間
《ネタバレ》 爆弾攻撃の衝撃波で揺さぶられた自動車のセキュリティアラーム音の鳴りわめくなか、ガラスの破片の飛び散る道を逃げ惑う民衆。無力感で倫理が崩壊し、容易に泥棒になりはてる。情報が遮断され、どこからの攻撃かも確信が持てない人たちの逃げる先はない。住宅地・病院にも銃弾は撃ち込まれ、たくさんの亡骸、重篤な怪我をした人たち。市職員で運営される集団墓地は、穴が掘ってあるだけ。産声を上げたばかりの赤ん坊の上にも爆音は降りかかる。記者のサポートをしてくれる兵士の名前も、ウラジミール。そこそこ、そこらにある名前なのか。普通に生まれた男が、長じて始めた「特別軍事作戦」。誰も、やめ方をしらない。 [映画館(字幕)] 8点(2024-04-29 16:56:41) |
4. MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
《ネタバレ》 これはいいんじゃなでしょうか。はんかくさい業界ものから昭和のガロ漫画の世界へのなめらかな移動という縦軸に、タイムループものという横軸が絡み合う。「部長が夢を叶えるところを見たい」というセリフにムネ込み上げてしまいました。タイムループものに外れなし(作中マンガも含めて)。マキタスポーツうまいなあ。ワタシもおすすめ。 [DVD(邦画)] 8点(2023-06-02 15:01:46) |
5. 真夜中の処刑ゲーム
《ネタバレ》 これはいいなあ。■なし崩し的にアパートを舞台にした攻城戦(Siege)になるのだけど、敵役の副リーダー格(グース)の、怒りに任せて奥さんの陶芸の作品を壊すクズっぷりや、味方の副リーダー格(チェスター)の、防犯のために吊り上げたバイクと一緒に自分も釣り上がる間抜けっぷりを、物語最初に見ているものだから。■見たこともない俳優さんであることも相まって、なんとなく一軍同士の戦いではなく、垢抜けないもの同士の戦いという風情があり。■でも、そこがたまらなくいいです。物語はどんどん凄惨になるんだけど、なんか人間臭い。■そんなことも計算済みなんじゃないかと思えるくらいしっかりしたシナリオ。■カッコ悪い邦題だとも思いますが、もしかしたらこれが正解なのかもしれないとも思ってしまいます。■作中のニュース番組に挿入されるインターブロック社の床石のCM、伏線でもなんでもないのがスゴイ。ていうか、ちょくちょく何となく変なんですよ。それが妙な味がある。 [DVD(字幕)] 9点(2022-12-01 21:54:55)(良:1票) |
6. 前田建設ファンタジー営業部
《ネタバレ》 50代男の気持ちを鷲掴みにするお仕事映画。悪ふざけの対義語が良しふざけなら、これがそれ。社外にノウハウを求めたところは是非が問われるところですが、ワタシはあり。この仕事はここまでやらなきゃって思う。前田建設の建設会社として品質を広報しているんですからね。いろんなところとの関係も含めて。観ている途中で、何度も「あれ。これでも、ホントには作らないんだよな」ってことを思い出して、フッと変な感覚になることしばしば。これはいいですよ。わかってやってますからね。これは「ファンタジー」なんだって。「大丈夫ですよ。そんな酔狂な会社、うち以外ないですから」って言った小木が好き。六角精児、よかった。 [DVD(邦画)] 8点(2020-10-02 07:39:54)(良:2票) |
7. マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
《ネタバレ》 映画かと言われれば、映画ではないような。2時間のお勉強バラエティー番組を観たような気がしています。後半は、侵略と称して、アメリカの国旗をおいてくる趣向はどうでも良くなってました。とはいえ、見ている間は次は日本にもきてくれないかなとか、思っていた次第です。 [インターネット(字幕)] 5点(2019-10-22 22:23:25) |
8. マルサの女2
《ネタバレ》 再見。負けて終わるっていう趣向もいいんじゃないかと思うのですが、全体に何か物足りない。おそらく鬼沢は生き残っちゃいけない役。スナイパーにやられるなんて華々しいもんじゃなくて、どこかの川で浮かんでこその彼。「あなたも、トカゲの尻尾だったのよ」。あっさり切り捨てられてこそ、言い様のないカタルシスがあったのでは。それにしても、板倉亮子ってキャラクターはいいですよね。どなたか、名跡を継いで続編を作って欲しいです。できれば、小林聡美さんにお願いしたい。 [DVD(邦画)] 6点(2019-01-19 16:48:07) |
9. 万引き家族
《ネタバレ》 例えばスイミーのエピソードのように、困難な状況にあるものたちがそれが故に深い絆で結ばれているっていうようなこの監督の得意技みたいですが、納得いかないんですよね。現実には、経済的に困難な状況の人たちほど、お互いの心を詮索し合っているのではないでしょうか。おそらく母親に愛されなかった信代が、りんを我が子のようにかわいがれるのもわからない。負の連鎖は続くものと思っていますので。しかし、今日は封切り日ですので書きませんが、リリー・フランキーが雪の晩、布団の中のセリフにまいりました。父親であろうという気持ちをあきらめるとき。オレもこういうことを、言わなければならない日がいつか来そうだ。また、絶対あり得ないけれど、りん(樹里)の視線の先に、バスを降りた祥太とお父さんが立っているなんて想起させるエンディングも良いと思います。そんなことは、絶対に絶対にありえないんだけれど。【追記】リリー・フランキー、なんか田中邦衛に似てきた? [映画館(邦画)] 7点(2018-06-08 13:31:01) |
10. マネーボール
《ネタバレ》 なにか、観終わって釈然としない。弱小スポーツチームが何らかのきっかけで破竹の勢いをとげるというのは、映画界においてかこれ以上ないというくらいの黄金のフォーマットなのだと思う。しかし、本作のアスレチックスは、前期アリーグの地区優勝決定戦に出ているんですよね。確かに、主力メンバーがそこから抜けたという事情はあるにせよ。制作者は「黄金のフォーマット」に寄りかかろうとしすぎてないか?古い枠から新しいフレームを作ろうとしている主人公を描いた作品なのに。なんか、弱い者ぶってる。ずるくない? [DVD(字幕)] 2点(2018-04-27 22:57:18) |
11. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 反戦映画だったのでしょうか?軍隊というよりも、極めて硬直してしまった組織社会をわらっていたような気がします。軍隊だろうが、精神病院だろうが、どうせこの世はどうかしているという映画だったとすれば、2017年に見るのであれば、そういうのっていっぱい見たよねということになります。レンタル店で見つからないのは、何か特別なワケがあるのではと思いましたが肩すかしでした。 [DVD(字幕)] 5点(2017-09-22 17:51:18)(良:1票) |
12. マネーモンスター
《ネタバレ》 爆弾が○○なのを大オチでバラさないところがウマい。彼女になじられ、憔悴する犯人をみてから、どうかこの馬鹿たれの悪夢を早く解いてやってくれと願っていました。イタむず痒いんだ。娯楽作品として観ていられないくらい。オレは稼いだ分だけで、コツコツやっていこう。 [DVD(字幕)] 5点(2016-12-29 14:18:28) |
13. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 このシリーズは初見なのですが、過去作を見たら良いのか見ない方が良いのか迷ってしまいます。だってこれで完璧じゃないですか。「宇宙戦艦ヤマト」みたいで、「北斗の拳」みたいで、「風の谷のナウシカ」みたいで、「インディジョーンズ」みたい。アホっぽい感想でイヤんなりますけど、これは無茶苦茶面白いぞ。 [DVD(字幕)] 10点(2016-06-12 14:36:42)(良:1票) |
14. マルサの女
《ネタバレ》 権藤英樹のピカレスクロマン。「心安らかなのが、一番いいな」からの一連のシーンにしびれる。 [DVD(邦画)] 9点(2015-12-13 07:44:32) |
15. 舞妓はレディ
《ネタバレ》 上白石萌音は逸材だ。朝のあいさつの声の音色だけでも惚れ惚れする。でも、春子から作中ラストで岸部一徳のいうところの「一生懸命な若さ」のようなものが伝わってこないんだ。慣れない場所で困っている様子はうかがい知れるが。この作品自体が上白石の店出し(デビュー)なのではないかと思ってしまう。作中、やはり一徳の「小春の店出しでこんなにいろいろな人が脇を固めていてズルい」といった趣旨のセリフがあるが、そのまんまのことをワタシは本作に感じてしまう。また、そんな好待遇に上白石自身が困っているようにもみえるんだ。【追記】そして、あなたもメインテーマが頭の中でリフレインして困っているはず。 [映画館(邦画)] 6点(2014-09-13 20:20:42) |
16. マッチスティック・メン
《ネタバレ》 娘を思う父親の気持ちくらい無防備なモノはありませんっ!だから、最後のひっくり返しは大反則でしょう。あの仕掛けは、娘抜きでやってくれ。からっけつになっちゃったけど、3人で幸せに暮らしましたとさってヤツでお願いしたかった。ものすごく美人ではない、ごく当たり前にみえるアリソン・ローマンがチャーミング。ラストのくだりでは、ロイになり変わって、バカ男に娘を引っ張られるよな気持ちになってました。いやいや、娘じゃないんだって。【追記】リドリー・スコットというより、ロバート・ゼメキスの映画だな。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-18 23:49:08) |
17. マン・オブ・スティール
んー、過剰だ。あんまり過剰なんで、ギャラクティカ・マグナムのいいのを2・3発いただいたみたいだ。つまり、少年マンガのテンションなんです。オレもくたびれました。 [DVD(字幕)] 5点(2013-12-24 21:34:25) |
18. 街の灯(1931)
《ネタバレ》 顔を合わせずすれ違い、街の灯の中に姿を消して欲しかった。時代を超えた名画にヤボを承知でそう思う。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-05 09:36:14)(良:1票) |
19. マルタイの女
《ネタバレ》 よかったところ。名古屋章の人情刑事。伊集院光の新米刑事。でも。劇中劇やら劇中映画やらと詰め込みすぎ。それは端折っていいので、法廷での証言のシーンは是非入れてほしかった。基本的には「証言者の勇気」を中心に動いている話だったと思いますが、初めの方は、今までの伊丹映画の「女シリーズ」のパターンから「カルト教団との戦い」が中心になるのか、と読み込んでしまいました。主演女優が年齢を聞かれて、ふてくされた後「44歳!」。一瞬息を呑みました。それならもう少し、無理のない女優を起用してよ。ラストのバイクとのカーチェイス。どんなアホな集団でも、あそこで証人出廷を妨害すれば、裁判で不利になること必至、なのはわかるはず。そういったわけで、これが遺作とはいろんな意味で残念です。 [DVD(邦画)] 3点(2011-10-09 08:15:14)(良:1票) |
20. マザーウォーター
《ネタバレ》 うーん、残念。やっぱり、雑なんだ。ワタシは赤ちゃんの扱いが、ちょっと悲しくなるくらいマズかったと思います。赤ん坊をあんなふうにベンチに座らせてはいけません。落ちちゃいそうで、怖い、怖い。必ず、だっこして座らせるはず。赤ん坊と移動するなら、ベビーカーか、おんぶ。立たせたまんまで、食物(豆腐)をあげてはいけません。ちゃんと座らせて食べさせること。スタッフは、ペットの犬ころかネコでも預かっているつもりかぁ!でも、そんな中。小林聡美ですが、ぎこちなくポプラを抱いてるシーンでは、私生活でもこんな風に幸せになって欲しかったなあ、と少し胸が熱くなりました(だって、ファンだから)。 [DVD(邦画)] 4点(2011-09-03 00:00:40) |