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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  マクベス(2021) 《ネタバレ》 
幾度も巨匠たちによって映画化されてきたシェイクスピアの4大悲劇の一つ『マクベス』。 本作はコーエン兄弟でおなじみのジョエル・コーエン初の単独作品であり、 彼のシャープな映像センスが遺憾なく発揮されていた。  何と言っても色を削ぎ落したコントラストたっぷりのモノクロ映像にとことん無駄を省いたモダンなセット。 そしてデンゼル・ワシントンとフランシス・マクドーマンドを始めとする実力派の演技合戦が、 挑戦的な造りの映画の強度を支えている。  誠実な将軍が権力欲から唆されて主君殺し、やがて権力欲から安息も得られず、権力欲で破滅するまでの物語。 初心者にも非英語圏の人にも分かりやすいシンプルさは、前述のストイックな映像と連動している。 そこにシェイクスピアの台詞回しを理解し堪能できるなら、 仮想空間とも言えるような独創的な世界観と見事にマッチさせたジョエル・コーエンの力量に改めて唸らされる。 物語を復習した上でもう一度見てみたい。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-11-18 21:35:32)《新規》
2.  真夜中の弥次さん喜多さん
原作漫画がかなりぶっ飛んでいるので、未読の人間にはキツい内容。 メタ要素を用いた、ドラッギーでシュールな展開が続くも記憶に残らない。 リアルがどうとか、「あとは勝手にやってください」としか言いようがなく、 原作漫画や脚本家のファンでなければ無理に見なくても良いと感じます。
[DVD(邦画)] 3点(2023-07-29 11:38:18)
3.  マスク(1994)
ジム・キャリーとキャメロン・ディアスが魅力的。 主演二人と作品の相性が抜群で、全盛期と言っても良いくらい全てをかっさらう。  ジム・キャリーの顔芸のお陰でCGショットを大幅に減らせたというエピソードがあるくらいで、 燃え尽きてしまう心配をするくらいハイテンションのままテンポ良く突き進む。 頭を空っぽにして楽しめるコメディの快作と言ったところ。 ハイレベルな演技をこなした犬のマイロに助演男優賞を。
[地上波(字幕)] 6点(2022-09-24 00:40:04)
4.  マイティ・ソー
ケネス・ブラナーが何故監督を?と思うくらいストーリーは薄っぺらいし、ソーのお供の存在意義がよく分からない等、ツッコミどころが多く大味すぎるのだが、ソー役のクリス・ヘムズワースの魅力によって成り立っていると過言ではない。傲慢ながらチャーミングで憎めないし、異世界出身の雷神という設定上、大根演技もそこまで気にならないわけでこの役をやるために生まれたようなものだ。一時的に過ごしたニューメキシコでの生活にもっと時間を割いても面白かった気がする。
[DVD(字幕)] 5点(2022-01-01 01:54:39)
5.  マ・レイニーのブラックボトム 《ネタバレ》 
"ブルースの母"と呼ばれたマ・レイニーとバックバンドの、あるレコーディングの一日を描く。表題になっているマ・レイニーは実在する人物だが、出演場面は"彼"ほど多くなく、戯曲を基にした完全なフィクション。その"彼"とは、チャドウィック・ボーズマン演じる野心家のトランぺッターであるレヴィーだ。感情豊かに変幻自在に密室劇を掻き回す。そして身勝手で馴れ馴れしい。彼とは別のベクトルでマ・レイニーも傲慢で横柄な態度を取る。ひたすら押されるだけで大人しい白人のマネージャーとプロデューサーに、何も知らない人から見れば同情したくもなるが、マ・レイニーもレヴィーも差別が横行する世界で生き残るために虚勢を張っているとも言える。ただ成功者であるか否かの違いでしかない。レヴィーはひたすら白人に媚びへつらうしかなく、作曲しても安く買い叩かれる。逃げ場のない鬱屈がひたすら積み重なっていき、そしてちょっとした諍いが悲劇に繋がってしまう。黒人の音楽であるブルースが白人の所有物としてすり替わっていく最高に居心地の悪い結末が後を引く。この世界には神なんていないのかという嘆きは、黒人の地位向上のために戦ってきたチャドウィック・ボーズマンの心象そのものなのか。夭折ながら遺作に相応しい。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-12 19:32:11)(良:1票)
6.  Mank マンク 《ネタバレ》 
映画史に残る名作が如何にして誕生したのか。当然ながら『市民ケーン』の視聴は必須であり、'30年代のハリウッドの内幕と政治的背景を知らないと確実についていけない間口が狭すぎる映画である。一見、フィンチャーらしかぬ古風な本作であるが、描かれている内容は恐慌と選挙戦のフェイクニュースという、21世紀アメリカの民主主義の根幹を大きく揺るがす事態が現在進行で起きており、内輪話で終わらせず、その先にある映画の未来を照らし出す。本作の案内人がもう一人の"産みの親"、ハーマン・J・マンキーウィッツ。破天荒でアル中だが、メジャースタジオに属しながらも世の腐敗と権力に屈しないアウトサイダーの側面を持ち、ウィットとユーモアあふれる憎めない脚本家。メディアを牛耳る新聞王ハーストと対峙する凍り付く空気と緊張感が走る。どんなに才能があっても所詮は"オルガン弾きのサル"。権力者に生かされている皮肉に対し、彼は全てを失っても裸一貫で『市民ケーン』を書き上げ、映画史に名を残す過程に胸が熱くなった。なぜ当初の契約を破ってでもクレジットに残したのか。「世界はこのままで良いのか?」という、クリエイターの信念と矜持にフィンチャーと脚本を遺した父親の姿が重なった。ちなみにカリフォルニア州知事選に出馬・落選したアプトン・シンクレアは、21世紀の『市民ケーン』と称された『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の原作者であり、ある種の因果を感じる。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-24 21:17:15)(良:1票)
7.  魔女見習いをさがして
原作タイトルを外して正解だろう。原作の"彼女たち"は本作では架空の存在にすぎず、ほぼ登場しない。独立した作品のため、知らない人でもついていける丁寧な作りで伝えたいことは分かるが、展開も着地点も予想通りで、キーワードを差し替えても、実写でやっても成立する内容。"彼女たち"との密着があまりにも弱すぎるため、雰囲気で強引に繋げている感じが否めない。片や内輪話で終わっただけ、片やコンセプトが中途半端、と本当に20周年を祝う気があるのか?
[映画館(邦画)] 5点(2020-12-10 21:57:32)
8.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 
お互いに良い部分は知っている。尊敬し合ってもいる。でも所詮は赤の他人。自分の真に求めているもの欲しさに、男女の価値観からくる歪みの中で最善策を模索していく元夫婦。表面的に言いたいことが分かっても、元を含む夫婦でないとなかなか共感し難い内容になっている。罵詈雑言で対立しながらもどこか心の底では嫌いになれない夫婦を余所に、勝つためなら手段を選ばない傲慢弁護士による闘争がなんて滑稽なことか。親の身勝手に振り回される子供が可哀想とも言える。しかし結婚という形だけが全てではなく、矛盾しながらも前に歩んでいこうとする二人に、形に囚われない絆が、愛情が感じられる。それは、離婚も少なくないが決して道筋が一つではないアメリカの多様性、成熟ぶりが物語っている。主演二人の演技合戦に白眉。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-01-01 01:16:27)(良:1票)
9.  万引き家族 《ネタバレ》 
ケン・ロ―チ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』同様、見えない貧困を初めとする社会問題に対する無関心への静かな怒りを発した作品だと解釈した。劇中で声を張り上げたり、暴力をふるうことを一切せず、グレーゾーンでひっそり生きる"家族"が皮肉にも血が繋がった家族よりも家族らしくて、ひたひたと心に沁み入ってくる。万引きといった犯罪行為が許されるわけでもない、だが盗みによって救われた命があり、正論だけでは何も解決できない。それでも犯罪で作られた家族の幸せは末長く続かない、終わらせなければならない。多様な視点で善悪の垣根を揺り動かす。仮に超監視社会になって、劇的に犯罪が減っても、都合の悪いもの、汚いものを切り捨てるだけの"美しい日本"を炎上に加わった人たちはその未来を望んでいるのだろうか。自分を含めどこかしら誰かを見下して、他人事のように見ているのかもしれない。"息子"がバスから見たのは最後まで走り続ける"父親"なのか、エンドロール後に"娘"は助けられたのか、本作は世の中を変える力があるのか。"母親"の安藤サクラの涙が印象に残る。格差による断絶が進むだろう令和の時代において、虐待死のニュースを見ても当たり前すぎて何も感じない時代が到来する無情さを感じてしまう。面倒臭いから蓋をする。
[DVD(邦画)] 8点(2019-05-17 00:34:07)
10.  マガディーラ 勇者転生
バーフバリの原点だけあって、荒唐無稽の無茶苦茶なストーリー。現代劇と歴史劇を輪廻転生で強引に繋げ、ラブコメと踊りとアクションで一気に突っ走る、良くも悪くもインドらしさ全開。バーフバリ以上に荒削りで中弛みもあるが、このアホ臭さとチャラさが逆に元気が出る。終盤のクライマックスなんて「ホントこれで良いのかよ?」なノリ。エンドクレジットもやっぱり踊ります(笑)。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-01-04 19:00:59)
11.  マン・オブ・スティール
スーパーマンにダークナイト要素を交えると、スーパーマン特有の荒唐無稽さがリアルで暗い部分に堕ちすぎることなく、確かに重く苦悶に満ちた内容であるが、意外とこれくらいがちょうどいい印象。スーパーマンを取り巻く、脇役陣の好演も大きい。あの設定はどこに行ったの?という疑問をラストに持っていく心憎い演出が良い。
[映画館(字幕)] 7点(2018-10-22 20:22:04)
12.  マトリックス レボリューションズ
ちゃぶ台をひっくり返したような結末にただただ唖然。大ヒットしたらシリーズものを作らざるを得ないけれど、仮に一作目でコケていたら、それはそれでカルトムービーとして愛されていただろう。元々三部作構想なら、より複雑なものにしようと作っている本人たちですら、己の理解を超越して収拾できなくなっているように感じる。
[地上波(吹替)] 3点(2018-10-13 09:04:34)
13.  マイ・ブルーベリー・ナイツ 《ネタバレ》 
良くも悪くも変わらないウォン・カーウァイ節炸裂。こういう中二病的なキャラ付けや台詞回しはデフォルメ寄りのアジア系だからこそ合うのであって、リアル寄りの欧米人ではミスマッチ。でも、どこかで生々しい感触があって、どこかで間違ってはいない。ノラ・ジョーンズは主役というより聞き手役というイメージで、行く先々で彼女と織りなすどこか影のある登場人物たちが際立つ。自分という存在と立ち位置を客観的に再確認し、自分の帰る場所を見つけたラスト。平凡だが、このキスシーンのために撮られたとしても、監督の感性の凄さには唸らざるを得ない。
[DVD(字幕)] 5点(2018-01-28 23:32:50)
14.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 
最初に見たデヴィット・リンチの映画がこれだった。 冒頭からバッドトリップしたような映像に引き込まれ、不可解なストーリーがゆったりとしたテンポで展開する。 一回見ただけではよく分からないし、体感時間が2倍くらいに感じる、個人的には苦手なタイプの作品だ。 ただ、青い箱が現実に引き戻す真実の箱だとしたら、 華やかに見えるハリウッドの残酷さと儚さを一層際立たせていると言えるだろう。 偽りでもいい、このまま夢のような世界でいたい。 そう願って夢に破れた女性の願望。 あの孤高のバラードが哀切なまでに胸に迫る。
[DVD(字幕)] 5点(2017-05-22 21:38:57)
15.  魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 《ネタバレ》 
テレビアニメ版視聴済。前作の敵だったフェイトが仲間になり、新たな脅威に立ち向かう。しかし、敵もまた複雑な事情を抱えているのは前作と同じ(悪く言えば焼き直し)。病魔を患う主のはやてのために、闇の書のプログラムである4人の騎士が"疑似家族"であることを押し殺して、なのは側と敵対するのがミソ。登場人物が以前より多いので、危うい場面展開が目立つが持ちこたえる。その分、派手な戦闘描写は多め。最後は共闘して派手にぶちかますのが一番の醍醐味。いくらなんでも被害や代償が小さくない?と思うのは、まどマギ以前の魔法少女ものの限界かもしれない。StrikerSに繋ぐ劇場版3作目は不安が残る。テレビ版の結末を見れば、あれはあれで綺麗に完結している印象があるので。【余談】映倫でG指定なのに小学3年生のフルヌードは、性的な意図で描いてないからセーフなのか?
[DVD(邦画)] 8点(2017-02-28 23:50:27)
16.  魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 《ネタバレ》 
テレビアニメ版視聴済。魔法少女ものに硬派な少年バトル漫画要素を取り入れたのが本作で、映画版では萌えアニメにありがちな要素をカットし、なのはとフェイトの物語に専念している。家族と友人に愛されているなのはと、虐待する母の愛を求めていた孤独なフェイトの対照的な二人。敵同士としてぶつかり合うもフェイトをどう救済していくかを丁寧に描き、バトルものとしての火力もテレビとは比べ物にならないくらい熱い展開。テレビ版を見ていたファンに不満はないのではないか。何だかんだで脚本の強度が大事だと感じさせられる。でなければ、こんなに息が続くわけがない。
[DVD(邦画)] 8点(2017-02-28 23:48:59)
17.  マジカル・ガール 《ネタバレ》 
まどマギとエヴァと黒蜥蜴にインスパイアされた結果がフィルムノワールという着眼点が面白い。ねっとり絡みつくように冷たいシュールな空気に、どうとでも解釈できる"行間"(悪く言えば勿体ぶった)が肌に合えば、この摩訶不思議な世界観に酔えるだろう。それくらい好みが分かれる。もしルイスが娘アリシアのラジオを聞いていれば、もしルイスが病んだ人妻バルバラの誘惑を断っていれば、もし元教師ダミアンがバルバラの嘘を信じなければ・・・・・・愛を求め、擦れ違いと嘘と勘違いをスペインの経済不況と精神分析で包み込み、希望から絶望へと転移していく。願いを叶えた魔法少女アリシアとそのなれの果ての魔女バルバラが表裏一体であるかのように。使い魔ダミアンはアリシアを本当に撃ったのか? 携帯電話を消したのは自分を狂わせたバルバラへの仕返しか、それとも再び悪魔へと覚醒した彼の支配か? かつての某大統領が言った。「この世で一番貧しい者とは、もっと、もっとを求める人のことである」。この"もっと"が今の文明社会を築いたが誰もが幸せになれるとは限らない。現代社会に蔓延する"病"に気付けない限り、金とモノに支配された現代人もこの悲劇と常に隣り合わせだ。
[映画館(字幕)] 7点(2016-08-02 20:16:42)
18.  魔女の宅急便(1989) 《ネタバレ》 
期待と不安を胸に、知らない街へ独りで飛び込んで奮闘した日々を疑似体験させてくれる。日本人の抱く、ヨーロッパの美しい街並みへの畏敬と憧れが、空飛ぶほうきで旅立つキキの高揚感とリンクして、題材にもってこいだ。仕事をすればトラブルが起こるし、苦労が必ず報われるとは限らない。打ちのめされて挫折することもあるだろう。それでも真摯に尽くせば、周りが見てくれる、背中を押してくれる、目の前の世界が隅から隅へ広がっていく。そうやって大人になっていくし、今日の人々の営みも形成されていくのだろう。個人対社会の構図を100分弱でまとめあげ、少女の成長と自立を普遍的に描いた傑作。
[地上波(邦画)] 9点(2016-01-27 22:51:10)
19.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
平均点下げて申し訳ない。これは映画館の大スクリーンと音響で感じる類の映画だろう。見逃していなかったら評価は違っていたと思うが、ここまでアクションが続くと単調で集中力が切れてしまうのも事実。そうならないよう適度に変化を付けたり、休憩タイムを設けたりと緩急を入れているわけだけど、ちょっときつかった。それでも往復だけで一気に見せてしまう演出力は70歳と思えぬパワフルさ。まあ、世界観に入り込めなかったということで。
[DVD(字幕)] 6点(2016-01-02 00:44:37)(良:1票)
20.  幻の湖 《ネタバレ》 
ソープ嬢、ジョギング、白い犬、CIA諜報員、十一面観音像、戦国時代劇、宇宙パルサー・・・何の繋がりのない要素が闇鍋の如く一つになった映画はこの『幻の湖』しかない。前衛芸術映画なのか、はたまたバカ映画なのか振れ幅が凄まじすぎて、引き攣った乾いた笑いがしばし起きる始末。名脚本家が名監督になれるとは限らない最大級のお手本と教訓がここにある。
[インターネット(字幕)] 1点(2015-12-31 02:02:07)(良:1票)
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