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プロフィール
コメント数 67
性別 男性
自己紹介 琴線に触れる映画は人間としてのリアリティが描かれているかどうか。作品として大事なのは哀切さは容易に撮れるが、それが痛切であるかどうか。

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1.  MUD -マッド- 《ネタバレ》 
久々に重層的にドラマを噛み合わせ、回収していくいい映画を見ました。まず何がいいって、アメリカの地方都市の底辺の人々の生活をリアルに舞台設定しているところがいい。ボートハウスに住む主人公なんてめったにないじゃん。そして、少年の家庭と日常の閉塞感もきっとこの町では普通にあるのだろうし、そうしたなかで、ロビンソン・クルソー張りの生活をしているマッドとの交流。これも本当にあるように信じ込まさせられるのも監督の力量。そこから冒険譚へと物語は進んでいく。主人公エリスがマッドに怒りを爆発させるところなど非常に説得力があるし、ドラマとしての十分な推進力を持っており、終盤への流れに繋げていく演出は全く自然で、見事。最終的にほろ苦い少年の成長とマッドの逃亡をリリカルに描いて終わらすエンディングもちゃんと作品の情緒を保持して非常に素晴らしい。こういう都市部だけでないアメリカの一地方のリアルな生活を垣間見せてくれたことと、それに見合ったドラマをちゃんと提供してくれた監督に感謝。ただ唯一違和感を感じたのは主人公ちょっと暴力的すぎないか?彼の鬱屈さを表現したかったのかもしれないけど、そこだけはなんか浮いていたような気がするんだよね。あくまで個人的な感覚だけど。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-09-06 22:37:15)
2.  M★A★S★H/マッシュ 《ネタバレ》 
テレビ版のキャスティングよりもエリオット・グールド、ドナルド・サザーランドの映画版の方が圧倒的にいい。若かりし頃のドナルド・サザーランドはホークアイ役が一番いい。こういうエピソードの羅列の映画って珍しいといえば珍しい。アルトマンの割り切りかそれとも投げ遣りの勝利か。こういうのをつまらないと思う人がいるのもよくわかる。私はむしろ大好きで、個人的にはアルトマンの最高傑作はこの後の作品よりも断然こっちではないかと思う。全編おふさげがすぎる主人公たちだが、ロバート・デュバルが衛生兵のミスをなじって「お前が殺したんだ」といった場面を偶然見たエリオット・グールドが義憤に駆られて呼び出して殴るシーンはある意味この映画のスパイスになっていて好き。こういうところもアルトマンは手練れだと思う。
[地上波(字幕)] 8点(2020-06-10 19:17:18)
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