1. ミスト
《ネタバレ》 原作は読んでません。 ラストシーンにこだわるよりも、過程でのさまざまなできごとの描写を楽しむ作品かと感じました。極限状態に置かれた人間が社会的なルールを無視して行動するという不条理さや、先が見えない不安定な状況では預言者まがいの偽カリスマに煽動される人間が出てしまうことが描かれている。 歴史的な事実として過去の災厄時にこのような葛藤が何度も繰り返されてきたことが、映画の中で描写されているという点では、キング作品の王道ともいえる演出が続き、突然の怪異といい、得体の知れない生物の登場といい、先行きのわからない不安感といい、おなじみの展開と思えるかも。 腰抜けと相手をあおる人間がチキンだったり、扇情的な預言者が魔女や悪魔のような狂信的カリスマになっていく過程や、正常な判断をしてきた主人公が追いつめられた結果「やっちまった!」感のある行動に出てしまうことなど、さまざまな人間描写を描いた、ふつうのキング作品とも言えるでしょう。 鬱エンディングと言われるが、私はトータルとして興味深く観た作品でした。まわりの情報を集めることは大切だという教訓もね。 [DVD(吹替)] 7点(2011-02-12 22:54:14) |
2. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 ラストのパレードの前に、ローラ・リニーがショーン・ペンに言い聞かせるシーンを観て、「お、マクベス夫人かよ」と思っていたら、DVDの解説バージョンにはしっかり出てきてたね(笑)。全体の流れはそういう映画です。 いつもは典型的な悪役であるケビン・ベーコンが、今回は抑えめの演技でしたが、それでも”何か”を期待してしまう私がいます(悪い癖だね(笑))。ま、これもラストのパレードで銃を撃つ真似をしますが、あれは”仕送りをする彼”に対する挑戦状だろうと私は受け取りました。ティム・ロビンスは老けちゃったねえ。それとも役の上だけ? デカイ身体なのに、おどおどして嘘ばかりつくのは、そういう違和感を感じさせる演出だったのかな。テレビでドラキュラを観ているシーンの演技はなかなか好かったですね。そして、解説版でも絶賛されているマーシャ・ゲイ・ハーデンの演技! ひとめ見て、何を考えているのかが伝わってくるように魅せるのは凄いね。そういう細かい役者の演技は引き立っているのだけれど、全体的なストーリーの緩慢さがあるため、サスペンスとしての盛り上げは後半の「ふたつの緊迫」が交錯するオーバーラップシーンくらいでしか感じられず残念です。 撮り直しをしないというイーストウッドのこだわりが生んだ迷シーンがひとつあります。例によって車のウィンドウに人影が映ってしまった奴ね(笑)。後半をよくさがしてください。 それにしても(←口癖(笑))、イーライ・ウォラックにはビックリだった! 「荒野の七人」のあのカルベラですぜ、旦那ぁ(笑)。あの脂ぎった盗賊の首領があんな酒場のジジイになっていたとは(笑)。どうせなら、銃を一発撃つシーンを観たかったですね。 7点(2004-12-03 18:25:22) |
3. ミニミニ大作戦(2003)
《ネタバレ》 まず最初に、オリジナルは未見です。オヤジ・サザーランドが出てきたから、何かやるのかなと思っていたら、大した事しないで(といってもやってはいるんだが(苦笑))いなくなっちゃったのは残念でした。"Italian job"という原題から考えると「爆破して落っことす」ことに重点があるのだし、ストーリーのキーワードにもなっているんだけど、軽薄な「ミニミニ大作戦」だと、私のイメージでは「ミニスカのおねーチャンがいっぱい出てきて、ミニクーバーが走り回る映画なんだろうな。だったらつまらないんだろうなあ。」と思って毛嫌いしてたくらいで、この映画、タイトルでかなり損をしてますね。で、肝心のミニクーパーだけど、当初の予定から作戦変更で走る場所が変わってしまうわけだが、ああいう使い方をするだけだったら別にミニにこだわる必要ないよね。ただ単にお洒落な車を見せたかっただけ? たしかに、冴羽リョウといい上田次郎といい、どちらもファッションとして乗っていて、あれを見る度に、「あ、赤のミニが欲しい」と思うんだけどね(笑)。最後にひとつだけ。後半でオートバイが追跡するシーンがあるけど、ああいう角度での階段への突っ込み方すると、前輪のサスペンションが底付きして反動で転けます。保証します(笑)。 <2004年6月18日追記>今朝のテレビで中村獅童が出ていたのを見て書き忘れてたことを想い出しました(笑)。映画の後半で"italian job"をするシーンで、スパイダーマンが出てきましたね(笑)。 <2004年6月21日追記>そうそう、忘れてました。フロイドの「マネー」を前半と後半でかけるけれど、やっぱりあの曲はレジのキャッシャーのカチャカチャ、ガチャーンという音が入って来ないと雰囲気出ないよね。 7点(2004-06-18 00:26:13)(笑:1票) (良:1票) |
4. 宮本武蔵 一乗寺の決斗
《ネタバレ》 シリーズの中で一番の傑作はこれではないかと思っています。皆さんお書きの通り、何と言っても圧巻は、錦之介の殺陣ですね。吉岡一門との最後の決戦の地。大木の下に辿り着くまでの、泥田の中を走り回る武蔵の狂気。それまでのカラー画像から、一転してモノクロームになるのも迫力を出すのに一役買っています。観ているこちらも息を止め一緒になって戦っているかのような印象を持たせる演出・カメラワーク、どれをとっても、なかなかここまでの迫力は出せません。刀を手に縛り付けて、阿修羅のような戦いを魅せる武蔵の狂気を、単なる殺人鬼に思わせない演技には脱帽ですね。しかしながら、子供を仕留めるという最後の壮絶な場面と無念さがやるせなさを感じさせます。その後の武蔵の葛藤のきっかけになることですからね。 9点(2003-12-27 03:10:01)(良:1票) |
5. ミラノの奇蹟
《ネタバレ》 人間性を風刺したファンタジーです。主人公がキャベツ畑に捨てられていたというのは、コウノトリが運んで来たというのと同じような意味合いのことだと思うのですが、その主人公トト(フランチェスコ・ゴリザーノ)は、お婆さん(エマ・グラマティカ)に育てられ、とっても素直で善良な青年に育つんですね。で、彼らはジプシーのような貧乏暮らしをしているんですが、あるときそのバラックを建てている土地から石油がわくんです。で、その土地の本来の地主が彼らを追い出そうとするんですね。このとき既にロロッタ婆さんは死んでいるんですが、彼女が現れてトトに奇蹟をさずけるんです。そのおかげで、彼らの平和は守られるんですが、それで終わらないのがこの映画の凄いところです。普通は善良で素朴な青年のおかげでハッピーエンドっていうパターンを想像しがちですが、どうなってしまうのかは、ぜひご覧になってください。モノクロで特撮技術も今の目から観れば未熟に感じるでしょうが、完成度の高さといい、ストーリーのひねりといい、なかなかの傑作だと思います。主人公のトトが自転車に乗って空を飛ぶシーンがお気に入りです。「E.T.」はこれをパクッたんじゃないでしょうか? <2004年1月23日修正>ここで「自転車」と書いてますが、とんでもない間違いです(汗)。ミラノ大聖堂前の広場で、掃除をしている人達の「ほうき」にまたがって飛ぶんです。ただ、E.T.と同じように追われている立場で逃げるのですから、こっちが早い分、真似されたと考えても不自然ではないのでは? 8点(2003-12-08 02:48:09)(良:1票) |
6. ミンボーの女
実際にほっぺた切られた伊丹十三ですから、やっぱりリアルさがありますよね。そっち方面の人に負けないで戦うことは、一般の人間にとっては怖いことですが、この映画を観ると、なるほどと思える面もありますね。伊東四郎はあの顔ですから迫力がありますね。 7点(2003-11-30 21:49:33) |
7. 民族の祭典
ナチスの威信を懸けた国威発揚映画ですよね。実際の競技の映像は出てきますが、わたし的には「東京オリンピック」に比べるとインパクトは弱い気がします。当時としては効果音にこだわったり、映像のこだわりもあるので、それだけは評価できると思います。 5点(2003-11-30 21:47:02) |
8. 耳をすませば(1995)
私の住んでいる近くが舞台になっているのが嬉しいですが、ストーリー的には、いまひとつ盛り上がりに欠けるんですよねえ。予告でバロンが出てくるシーンはもっと派手な展開があると思ったのですが、それが尻窄みで残念です。実際には、図書館の位置は酒屋ですよね。三沢の水道塔は星空を見るのにとてもいいロケーションです。天気が好ければ新宿が見えましたよね>近所の皆さん(微笑)。 5点(2003-11-30 21:43:57) |
9. 身代金
逆上して犯人に賞金をかけるメル・ギブソンの発想が面白いです。「リーサル・ウェポン」夫婦が息子を取り戻すために奮闘するわけですが、なぜかメル・ギブソンが自分で銃を持って簡単に解決しそうに思えるのは、彼の映画の見過ぎでしょうか?(笑) ゲイリー・シニーズはああいう癖のある役が似合っていますね。 8点(2003-11-30 21:39:00) |
10. 水のないプール
内田裕也が偏執的な犯人を好演していますね。中村れい子が魅力的です。犯罪はいけませんが、個人の願望として、一度もそんなことを考えたことがない人はいないと思うのですが、いかがでしょう?あくまでも想像や映画の中の世界でのことにとどめないといけませんけどね(笑)。 7点(2003-11-30 21:25:55) |
11. 水の旅人 侍KIDS
山崎努の侍は好かったですよ。大林ワールドとして観るのならこの程度のできではないでしょうか。 7点(2003-11-30 21:22:38) |
12. ミスター・ルーキー
なんで、あんなマスクをして野球できるんだよ(笑)。ああいう会社のサラリーマンはアルバイト禁止じゃないのか?設定に無理がありすぎますよね。 5点(2003-11-30 21:21:10) |
13. ミスター・ベースボール
トム・セレックみたいな助っ人外人っていそうだよね。健さんが出ている作品では駄作の部類だよなあ。あのドラゴンズのユニフォーム姿を見ていると、星一徹のように思えるのは私だけでしょうか?(笑) 6点(2003-11-30 21:19:33) |
14. ミスター・ソウルマン
どう見たって、あの外見は黒人なわけがないよね。白人から見た黒人のイメージってああいうことなんだろうね。笑えるシーンはあるんだけれど、設定に無理があるのでこの評価です。 6点(2003-11-30 21:17:39) |
15. ミザリー
キングの皮肉な薄笑いが浮かぶ作品ですね。実際人気作家にストーカーはいるようですし、「あなたのいちばんのファン」という台詞は怖いよね。映画もキャシー・ベイツが怖い女性を怪演しています。ジェームズ・カーンが足を折られるシーンはこちらも思わず痛くなります。原作を文庫本で読みましたが、あの表紙とカバーは凝った演出をしていてニヤリとしますね。 8点(2003-11-30 21:15:47) |
16. ミセス・ダウト
ダスティン・ホフマンの「トッツィー」と比較してしまうけど、どちらにしても男が女装するっていうのは、あまり観ていて気分のいいモンじゃないんだよなあ。でも、ま、楽しかったからいいかな。あの太めの身体が、この映画の場合は、おばさんのイメージにぴったりだったのも面白いです。 7点(2003-11-19 04:30:55) |
17. 未来世紀ブラジル
突然現れるデニーロにこの点を献上。あとはあまりにも異質なので理解が難しい映画です。 6点(2003-11-18 23:30:33) |
18. ミクロの決死圏
皆さんお書きの通り、アイデアは秀逸で、当時としてはとても面白く観たものです。ただ映像的・技術的な面でのショボさはいかんともしがたく、その点で8点にはできないなあ。 7点(2003-11-18 00:47:32) |
19. 未知との遭遇
宇宙船の登場シーンは見る価値のあるモノだと思うし、有名なあの音階もいいんですが、何しろ、それ以外のストーリーが今ひとつで、パッとしない印象です。 6点(2003-11-18 00:45:04) |
20. ミッドナイトクロス
盗聴って怖い結果に結びつくんですね。サスペンスとしても非常に楽しめる作品です。 8点(2003-11-18 00:42:43) |