1. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 予想とは全く違う方向にストーリーが展開し、ちょっと面食らった。でも良い意味での裏切りでした。いわゆるスポ魂ものと思いきや、こんな重くて深いテーマを含ませてあったとは…。前半だけで、十分胸にうったえかけるものがあったんです。不可能と思われることでも強い意志と努力をもってすればそれを打破する力があるんだなぁ、とか、夢に向かってがむしゃらに頑張るって、例え女性が鼻血出してる姿であっても美しく見えちゃうんだなぁ、とか。ヒラリースワンクの演技力がそれらを嫌味なく表現してくれていました。ところが後半になり、話は思いもよらぬ方向へ。切なくてやるせなくて泣けて泣けて大変でしたけど、生とは?死とは?愛とは?…とかくあざとい表現になりがちなテーマを静かにしっとりと描き出してくれました。クリントイーストウッドとモーガンフリーマンの演技も、私が言うまでもなく素晴らしかったです。良い作品でした。しいて言えばマギーの家族、〝ヒロインの不遇ぶりを際立たせるための、悪い家族のステレオタイプ〟過ぎたのが、ちょっと鼻についたかな。 [映画館(字幕)] 9点(2005-05-29 13:04:44) |