3. ミスト
《ネタバレ》 良かった点としては、舞台がスーパーマケットという日常空間である事が面白かったし、 ドリームキャッチャーでも感じたが、何か大変な事が起きる予感、ってのが 良く出ている作品で、冒頭話に引き込む力は凄かった。 最近、映画のテーマを考えながら見るのが、マイブームなので、この映画のテーマを分析すると・・・ 1.諦めたらそこで試合終了。 2.極限状態での人間の弱さ、怖さ、エゴ。 って感じだったが、このテーマを強く訴えようとした作品ではなかった気がする。 面白いと感じた部分としては、最後まで諦めてはいけないというテーマを 主人公の失敗によって表現している点だと思う。普通に考えれば、最後まで 諦めない主人公の姿勢から、同様のテーマを感じるが、この映画では、 最後に諦めてしまうという反則ぎみの行動に出る。 その諦めに対する失敗、後悔によってテーマを訴えている気がする。 ただ、思うに別にコレをテーマとして訴えようとしたわけではなく 物語のオチを強引につける為に、諦めさせているだけな気がする。 大規模なパニック物は、軍など第三者の力によって解決する物が多いが それでは弱い物が強い物に勝つカタルシスがなく、話のオチがないように感じる。 そこで意外性のある展開で、強引にオチをつけているだけという感じがした。 もしも、この展開にテーマを持たせようと思うなら、その後の主人公が必要ではないか?と思う。 後悔の苦悩、その先の答えにテーマがあり、感動を呼ぶのではないか? 二つ目のテーマ、人間の弱さ、怖さに関しては、それを解決する手段が 暴力によって解決していた点が、共感できない。 うっとうしいカルト女を射殺したところで、多少の爽快感はあるものの それが道徳的に正しいとは思えない。撃った人物が、そのことで後悔し、 苦悩するっとかあれば、まだ、人間の醜さ、怖さを暴力によって押さえつける事の、 愚かさとかが出てよい気がするのだが、対立に対する解決方法が 負の回答では、見ていてスッキリしない。 また、冒頭から息子を気遣う主人公から、物語のテーマが家族愛か?とも 思ったが、最終的な行動が全く反する物で、一貫性が取れてない気がする。 スティーブンキングの、日常空間におけるパニック物を題材として 衝撃的なラストをくっつけただけの、企画物映画って感想。 [DVD(吹替)] 5点(2008-10-05 14:48:38)(良:1票) |