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1.  ミケランジェロの暗号 《ネタバレ》 
ミステリー仕立てだが、ミステリーとして見ると拍子抜けする。でも人間ドラマとして見ると、従来的な「ナチス・ユダヤ人もの」とは違っていてなかなか面白い。  ■チャップリンの「独裁者」のように、ナチスとユダヤ人の立場が入れ替わってしまう話。ではあるのだが、入れ替わる二人が小さいころからの友人でありながら、雇い主と使用人というこれまた微妙な関係であるところがなかなかに難しい立場にしている。「金持ちのユダヤ人」は「使用人のドイツ人」を雇って、ユダヤ人の側はとても友好的にやっていて、また面倒を見ているつもりでいる。しかし一方で使用人の側からすればどことなく常に屈辱を感じ続けてきたのではないか。それがナチスによって立場がひっくり返ってしまう。ここに一つの立場転換がある。  ■もう一つの立場転換はもちろん入れ替わりなのだが、この二重の入れ替わりを経ることで、お互いがお互いを見る目というのがかなり複雑になっており、その辺の人間関係はなかなか面白い。ラストの展開はすっきりしすぎていて逆にあれだったが
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-27 00:47:56)
2.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
予告編と「映画通ほど騙される」という安っぽい宣伝文句を見て、普通のSFサスペンス・ミステリかと思って鑑賞。しかし、さすがダンカン・ジョーンズ、そう見せかけて実は全然違うところに本質のある映画だった。  ■この映画の本質は「犯人探し」にはないし、オチがどうなるかでもない。この映画を「つまらない」と思った人は、この映画をミステリとして評価しているのだと思う。確かにミステリとしては簡単に読める。しかしこの映画のポイントはそこではなく、自分の運命とか、愛する人のためにどうするかとか、そういうところなのだと思う。その意味で、映画通ほど最初の方で「これはありがちなミステリだ」と「騙される」のであろう。  ■「量子力学だ」というのは、恐らく「多世界解釈」を指してのことだと思う。これにおいては、複数のありえる世界が同時並行的に存在していてよい(正確に言うと、すべてのありえる世界の重ね合わせとして存在している)。しかし(ここからは物理学の理解としてはおかしいが)「観測」によってある世界に強引に引きずり戻すことができる、というのがこの映画の設定なのではないだろうか。  ■ラストで「みんなが笑顔で静止したまま終わり」の方が、実際の展開よりもいいと思うのだが、これは装置の設定が異なるのであろう。  ■前者の「静止して終わり」だと、「可能な別の世界にアクセスする主体」はあくまでも「現実」として指定されているこの世界にのみ存在していることになる。だから現実の大佐が死ねばアクセスも停止する。  ■後者だと、別の世界に主体は生きており、ただ「測定によって意識を引き戻せるor引き戻した際に、記憶を伝えてもらえる」のが8分程度までだということであろう。つまりそれ以上経つと「現実の世界」と「行き先の世界」が離れすぎてしまい、呼び戻しができない。だから「現実世界」の主体を殺すことで「呼び戻しの測定」を不可能にし、別の世界にそのまま乗り込んでしまう、ということであろう。  ■しかし、一方的に乗り移られたショーンはこれでいい(ハッピーエンド)のかよく分からないが
[映画館(字幕)] 9点(2012-01-16 00:52:37)(良:1票)
3.  ミッシング(1982) 《ネタバレ》 
軍事クーデターが起きているチリで失踪した夫/息子を探す物語だが、最後に再びの再会を果たしてハッピーエンドというような展開を考えているとガツンとやられる。  ■山場はラスト付近、チャーリーが死んだことを知った後の、白々しいアメリカ側とのやりとりではなかろうか。結局のところアメリカはチリ政府に処刑のGOを出し、見殺しにする。それを悪びれることもなく堂々と認めている。空港での「アメリカは許さないぞ」とのセリフもむなしく、最後のテロップで告訴却下の旨が観客には知らされる。  ■しかし、展開としては前半は時系列がなぜかねじれていて見づらく、ラストまでは別段情報が増えることもなく淡々と聞き込みを繰り返すだけという平板な展開なのはあまり頂けない。時系列をひねったのは「始まったときにはすでに終わっていた(処刑されていた)」という風にしたかったのかもしれないが、余計な演出の印象。平板なのは実話だから仕方がない面もあるが、同監督で同じく実話ベースの「Z」の緊迫感と比べても、本作の単調さは否めない。いい題材なだけに残念。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-29 23:43:14)
4.  ミスト 《ネタバレ》 
どう考えてもこの映画は「人間心理」がメインテーマなんだから、だとすると霧の中の存在は最後の最後まで隠すべきだと思う。あんな簡単にチープな化け物が出てきたらがっかりだ。 モンスター・パニックにしてしまうタイプの映画ではないと思う。もっときちんと人間に絞って、ただ「出ていく人が帰ってこないor死んでいる」のレベルで止めておくべき。外の正体がモンスターだとわかった段階で、それが異次元だろうが軍によろうが神の意志だろうがほとんど関係ないだろう。ともかくモンスターとどうするかという問題に収斂されるのだから。  人間心理としてはよく出来ていると思う。いつの間にか殺人肯定になってしまうとか、諦めたとたんに解決するとかは、なんか裏を突いた感じでいい。  だからこそ、チープに化け物は見せてほしくなかった。「サイコ」にせよ「ジョーズ」にせよ、昔はCGがなかった分隠す技術はきちんとあった。今欠けているのは見せない技術だと思う。残念
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-30 16:02:02)
5.  密告(1943) 《ネタバレ》 
これは読めない。あのラスト直前での二重三重の返しはすごい。 手紙という古典的手段で、人々が混乱していく様はなんか妙に現実的。  それにしても、人は噂でもあそこまで踊らされ、死者まで出してしまうものなのか。。。  そういえば、○○は精神病院に入れられたままなのだろうか。 かわいそうといえばかわいそうだが、まあ一応かかわっているし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-17 22:51:05)
6.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
全体として退屈な印象が否めない。 暗殺シーンが細切れに入ってきて、それをつなぎ合わせて、という感じにしか見えず、ぶつ切りになってしまったように思える。  重要そうな中東問題が思ったよりも主線に上がってきていないので、社会派としても微妙。 細切れに人が殺されて、細切れに主人公が悩んでいるだけに見えてくる。  ただ、国がなかったり、国があっても混乱していたりという中で、祖国を求める思いというのは伝わってきた。 それに引き換え、日本は、平和で安定した国家があるという非常に幸せな状況にあるのに、国家を蔑み毛嫌いする人が多いとはなんと傲慢なことだろうか・・・
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-18 11:43:26)
7.  ミッドナイト・ラン 《ネタバレ》 
あまりドラマ系の映画は見ないのだが、これは見終わって「いい映画だった」と言える映画だった。 わりとありきたりの掛け合いと、展開の読めるストーリーながら、なんか心に来るものがある。 最後まで行って、すごくほっとできる映画。
[地上波(字幕)] 9点(2007-05-23 23:03:38)
8.  身代金 《ネタバレ》 
誘拐犯相手に逆に懸賞金、ってのが面白い。 確かにこれ犯人が複数だったら裏切りがおきそうだし。現実にもやってるんじゃない。こういうの。確か以前マラッカ海峡で海賊に貨物船が襲われたとき、こういう手法をとってたような。
[地上波(吹替)] 6点(2007-01-07 21:06:40)
9.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
う~ん。 ここで前半がスポ根、後半が急転直下で重い哲学ドラマということを知っていたのでまあ比較的楽に受け入れられました。 でも、やはり後半が短すぎ。こっちが主のテーマなんだから。 あと、マギーはやはり最後の試合、勝ってるだろ。あの一撃は試合終了後のものだろうし。 最後の行動は、観客が考えることに意味があると思うので、とやかく言わないことにしよう。
[地上波(吹替)] 6点(2007-01-07 12:28:08)
10.  ミッション:インポッシブル 《ネタバレ》 
暇つぶしとしては十分。宙吊りシーンとかはわかっていながらもハラハラした。でも最後の電車はかなり無理だろうなぁ~。本当は「アンタッチャブル」でこれをやりたかったらしいが、金が無くて出来なかったというのは本当なのか???
[地上波(吹替)] 6点(2007-01-04 13:23:29)
11.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
2人が好き勝手やってるだけの映画。2人に興味がなければこの点止まり。
[DVD(字幕)] 2点(2006-12-21 10:03:58)
12.  未来世紀ブラジル 《ネタバレ》 
■これはまさに管理社会の典型だろう。サムは反抗者ではあるが同時に支配者の歯車でもある。国民が歯車となって管理社会を支えているから、管理社会は成り立っている。これは、サムライから自分の顔が出てくるところにも象徴されている。焼けた車から脱出する政府側の人間も普通のおじさんであった。  ■類似した映画「1984」と比較してみると、あちらではビッグ・ブラザーという独裁者の存在が直接的に描かれているのに対し、こちらでは直接的な支配者というものが描かれていない。あえていえば、社会構造ならびに自身の中に権力者は隠れている。こうした描き方には、フーコーの思想を思い起こさせるところがある。  ■とまあ、いろいろと興味深い作品ではあるのだが、個人的にはエンターテイメントとしてはあの雰囲気になじめず、興味深さだけで140分は長すぎる。ただ、「ガタカ」と比較して映像が醜い、創造力がないという批判には疑問。この映画は、そもそも「1948年に思い描いた1984年像」というテーマなのだから、変に古臭い未来、ごちゃごちゃした醜い未来であるのは必然だと思える。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-20 13:34:27)
13.  未知への飛行 《ネタバレ》 
場所はほとんど3ヶ所(会議室・司令室・通信室)なのに、この緊迫感は何!軍の協力が得られなかったらしく、それが原因だろうが、見えないことによる恐怖がすごい。電話のあのキーンという音で背筋が凍りました。 ヘンリーフォンダの苦渋の決断。重い、重すぎる。今の大統領にはとてもじゃないが無理ですね。
[DVD(吹替)] 10点(2006-12-19 08:36:46)
14.  ミザリー 《ネタバレ》 
確かに怖い。いかなる奇妙な怪物や霊よりも人間の恐怖が一番。だが、小説と比べるともっと怖く出来たろうにと思ってしまう。残念。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-18 19:36:44)
15.  ミシシッピー・バーニング 《ネタバレ》 
社会派としてはあまりにも事実をねじ曲げすぎ。エンターテイメントとしては力不足。ラスト付近で突然どたどたとなる感が否めない。なので恐怖の盛り上げ方とかは良かったのだがこの点数。
[DVD(吹替)] 7点(2006-12-18 19:32:49)
16.  ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 
刑期が延ばされるとことかはめちゃくちゃショックだけど、細かいシーンはぐちゃぐちゃしてて見にくい。舌噛み切るシーンは無茶しすぎだし、最後はあっけないし。あと、トルコ馬鹿にしすぎ。
[DVD(字幕)] 4点(2006-12-18 18:56:51)
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