1. 見知らぬ乗客
《ネタバレ》 その場しのぎの嘘を真に受けるヤベー奴もいる。 そんな簡単に一線を越えるヤバいやつに目をつけられたら、もう普通の生活はできない。 どこまでも主人公を追うブルーノがとにかく恐ろしい。遠くで見ているブルーノ。テニスの観客席で一人ヘインズを見るブルーノ。相手のプライベートに潜り込むブルーノ。それが全て恐ろしい。 特にメリーゴーランドが破壊されるシーンはかなりの迫力。オチもうまいことまとまっていました。 しかし万事解決とはいえ、ヘインズは決して良いやつでもないし、今の幸せはブルーノがくれたものなんだよなと思うと、その後の幸せそうな彼の面の皮の厚さとモヤモヤが残るのもまた味わい深いです。 古い映画ながら最後まで目が離せない極上のサスペンスでした。 [インターネット(吹替)] 7点(2024-01-21 20:34:27) |
2. 未来のミライ
《ネタバレ》 子供の夢は心のように不条理 なにやら国内と国外で極端に評価が分かれているので、大人の…いや、オタクの汚い好奇心に駆られて視聴。 ネット上で文句の一端を見ていたが本作を見てちょい納得。たしかに整合性は無いし、かなり唐突な展開には理由も語られない。ただ主人公くんちゃんが両親から貰ってきた愛を全て掻っ攫って行く妹の出現から不思議な事が起こりまくる。 でも、なかなか面白い作りをしている。はっきり行って展開は不条理の極み。その理由も仕掛けも本編では語られない。夢の中のような世界で両親の過去や未来行き来したり、人物がやってきたりもする。しかも現実とリンクしているファンタジーだったりもする。 まぁくんちゃんがそれらの世界を言ったり出会って行く事によって精神的に成長する…というにはまだ幼すぎる気もするのでちょっと無理があるようにも思える。まぁ大人は覚えていないだけで実はこういう経験をしていたのではという想像もできます。それと自転車を補助輪無しで乗れちゃうのもかなり早すぎる気がしますね。 ちなみに東京駅で両親の名前を言えなかったのは覚えていないというよりは、あの悪夢のような世界では思い出せなかったという方が正しいのかなぁと考えたり…やっぱり引っかかるシーンはたっぷりあります。 そんなストーリーとは反面アニメーションは美しく仕上っている。というか映像を見せたいがためにくんちゃんが様々な世界に行くと言ってもいいくらい映像重視だ。ここに挿入歌をぶち込めばMVの如しだ。どちらかというと今回はお話より映像で勝負するような作品だったのだろうと思います。東京駅のシーンは見応えがあります。 まぁ不条理と不思議で思った以上にファンタジーな作品なので深い事はあまり考えない方が良さそう…ですが、アンバランス感は否めないので気になる人の意見もわかる…難しい。 それとテーマの薄っぺらさはもうシンプルにそれで行くぞって事なんでしょうかな。 ちなみにくんちゃんのわがままっぷりが凄いですが、自分にも思い当たる節があるのであまり悪く言えないのがなんともかんとも…。 本作は子供向けにしてはおとなしいくらい小規模で、僕としては一筋縄では行かない作品でした。 うーん難しい…。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2019-02-26 14:55:09)(良:2票) |
3. 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
《ネタバレ》 スーパーパワーを手に入れたら…金!金は欲しい!あと女も欲しい!それに好物ヨーグルト! …でもそんなに世の中単純じゃないし上手く行かない。世の中は醜い。血は黒い。 力を得ても主人公エンツォはすぐには変わらない。使命も無ければ、夢も無い。だけど酷な運命で出会った女性アレッシアと鋼鉄ジーグというアニメが彼をだんだん変えて行く。 内容はシンプルだけど、そのリアルなどん詰まりの男からのヒーローへの転身は切ない。 燃え上がる車に向かってもカッコいいフォームで速くは走れない…ただただ全力疾走。泣かせます。 そしてもう一人の力を持ってしまった男、ジンガロの狂気は映画が進むにつれエスカレートして行く様が素晴らしい。ケレンのある格好で目的のためなら手段を選ばぬ悪っ!そしてその目的もだんだん「目立ちたい」というイカれた方向に行くのも凄い。お前がジークブリーカーするんかい! アクションもカンフーなどは無い「喧嘩アクション」だが、パワーの凄さとリアリティを持った動きがなんとも迫力があります。BGMが無いのもまた新しいですね。 ラストのオチもニヤリとしながらも応援したくなる素晴らしい映画でした。 にしてもイタリアのジーグの歌詞はやたらシブいですね。 [映画館(字幕)] 7点(2017-08-17 21:14:38) |
4. ミッション:8ミニッツ
《ネタバレ》 気付いたら俺は列車の中。残された時間は8分。何度もゲームのように失敗と死を繰り返す。 最近よくある「ループもの」だけど、やっぱり作りが丁寧な作品は新鮮に面白いし、誰が爆弾犯なのか自分で細かな所を探ってしまうのも楽しい。 ただ思っていた以上に真相を掴むのが早く、アッサリしていて推理もあまり無かったのが残念。爆弾がそんな簡単に解除できるのはちょっとなぁ。 でも本作の推進力は8分間の間にある基地のオペレーター達とのやりとり。狭く薄暗い部屋の中で主人公の正体をしるのも謎が謎を呼び面白い。 犯人と自分自身。二つの謎を上手く絡ませていく進行は面白かったです。にしてもこの邦題のテンションと内容があまりにも違っていてなんともかんとも。 ラストの爆破を未然に防ぐシーンは痛快そのもの。そして死ぬはずだった人達が皆笑顔で笑い、助けたい女性とキスをするシーンはジンときますね。 最近よくある題材で、これでもかと気持ちの良いラストで締めくくられるのは最近の映画では逆に珍しいですね。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2017-06-24 12:10:51) |
5. 未来惑星ザルドス
《ネタバレ》 ザルドス!それは神?!そしてコイツ!主人公!何!誰!ショーンコネリー!?なんで!?何があった!? という赤パンツに銃弾を巻いて三つ編み髭姿のマニアックすぎる格好のショーンコネリーが銃を片手に惑星ザルドスにてモンスターを殺しまくり大活躍するのかと思いきや、いきなりの語りかけてくる生首、そして淡々としたSF。ショーンコネリーのインパクトとは裏腹に内容は静けさが包み、映像もセットも絵画的だったりサイケだったりとかなりビジュアル寄りの作り。おかげでテンポは悪いのでちょっと退屈。 内容は不死の人間となった人々のユートピアをショーンコネリーがぶち壊すというシンプルな内容の割に意外と設定が深くちょっとエロもあったりとおまけ付きなのだが説明不足感は否めません。自分で補えって事なのでしょうね。 SF的アイテムとして指輪が登場しますがiPhoneのsiriのような感じで面白かったです。 ショーンコネリーの容姿ばかりが気になりますが、小説のように静けさが漂うなんとも不思議なSFでした。 [DVD(吹替)] 4点(2017-04-01 00:13:16) |
6. ミスト
《ネタバレ》 不条理の理不尽ここに極まり。 ヒャーっ!スーパーマーケットの外は地獄!でもいーもんね!スーパーは食料も水もたっぷりあるもんね!ってドアを開けるな!アアアア!!! なんだお前ら!あのババアの事信じるのか!?狂ってる!みんなどうかしてるっ!!! もうスーパーの中も地獄だよ!どっちみち死にそうだ!逃げてやる!逃げて!先へ!霧の向こうへ…あぁそんなのあんまりだっ! 恐怖描写ですが外の生物たちの生理的嫌悪感溢れる虫や触手な描写はまぁ若干ありがちで、恐怖的にはそこまででもないですが、外の恐怖よりスーパーマーケットに漂う空気は最悪です。人間の心の弱さに入り込んだカルトが発生し、人間同士が殺し合う結果になってしまったり、人間の心がどんどんへし折られていく様がコレでもかと丹念に描かれています。そして最後の最後にトドメと言わんばかりのやりきれない絶望感が、最高の後味の悪さを残して終わります。もう最高に悪いです。最高に! 不条理に始まり、理不尽な仕打ち。漂う不信感。そして不幸な結末。不の全てをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたような地獄でした。素晴らしい映画です。 [DVD(吹替)] 7点(2016-10-26 08:13:14)(良:1票) |
7. M:I-2
《ネタバレ》 大人な「デ・パルマ」の前回から、男の子な「ジョン・ウー」へ。 監督が変われば作品もガラっと変わる物で…って変わり過ぎだろう!というかコレでいいのか!? 申し訳程度のCIAの潜入ミッションと以外はほとんど前回のような緊張感は皆無のアクションモノに。 前回では考えられないヒロインとはベタベタ、車でイチャイチャチェイス、敵の基地に殴り込み…と…ジョン・ウーさん本当は007やりたかったんですよね!? 前半は捜査パートの様で緊張感溢れる物になってる気もしますが正直退屈です、そのフラストレーションもあってか、後半一時間は銃撃戦と爆発のオンパレード。 もう2丁拳銃も鳩も、飛び出し撃ちも、スローモーションも、銃を撃つたびにズームインも、ジョン・ウー要素のオールスターが怒濤の勢いで登場します。イーサンが両手に銃を持った瞬間「ヨッ!待ってました!」と声に出ちゃいました。 そして最後の敵ボスとの殴り合いからの華麗なる足技の数々!トム・クルーズがここまで動きまくる映画は見た事ありません!前回では見られなかったイーサンの超身体能力が遺憾なく発揮されます!というか今回はあまり頭が良さそうに見えなかったです! ミッションインポッシブルが監督それぞれの個性が爆発するシリーズなら今回も監督の個性が出過ぎて、イーサンがチョウ・ユンファとヴァンダムを足して二で割ったような男にしか見えませんでした(?) 今回はとにかくハイテンションジョン・ウームービーの一言につきますね。大満足ですが、ここまでされるとは思っていませんでした。 あと監督アンタ本当に出たがりだな! [インターネット(字幕)] 6点(2016-06-22 02:18:40) |
8. ミッション:インポッシブル
《ネタバレ》 10年以上昔見たっきりで全然覚えてなかった。覚えていると言えばCIAに潜入してデータを抜き取るシーン。そしてあのゾクゾクするテーマソング。 でもこうやって見直すといろいろと発見が多いし、非常に良く出来ている。 デ・パルマ監督による緊張感あるシーンと、美しい女性の絵、そして独特でいて構成的な構図が面白いです。うーん、大人な雰囲気。 誰も信用出来ないイーサンの緊張と強迫が入り交じる表情も素晴らしいです。 データを抜き取るシーンは音、振動、温度様々な要素が混ざり合い、こちらまで五感が鋭くなるような体験をこれでもかと味わいました。 それでいてラストのぶっ飛んだ列車とヘリのトンネル内でのチェイスはとにかくアホらしく、それでいて最高に楽しいモノになっていてもうたまりませんね。 爆風で列車に戻る発想が凄いです。 細かい所を見ると、ジャン・レノがクシャミしたり、ネズミにビビったりしていてちょっと面白いですし(どうやってあの体制でネズミを殺したのか)、 ハッカーの方も良くいるメガネオタクタイプではない、屈強な図体で今見ても新鮮なタイプのハッカーです。 エレベーターの殺人トラップも、潜入して上に乗った奴を殺すためだけの、大使館が常備している物なのかよくわからない謎な代物感が良いですね。 もちろんスパイ道具達も、流石に時代を感じますが、逆にいい味が出ています、この作品に登場する憧れスパイアイテムが今、自分たちが容易に手に入る物になったというのは、なにか感慨深いです。 それと爆破されたカッコいい水族館レストラン。あれはセットらしいですが行ってみたいですね。維持費が大変そうです。 最初から最後までサスペンスとアクション、そしてミステリーが交錯し、最後まで気が抜けない定番の一作ですね。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-06-21 03:24:26) |
9. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 なんだかんだの珍道中。ギャングにFBIに賞金稼ぎにまで追われるハメになった二人の珍道中。 カーチェイスもコメディも銃撃戦もサスペンスもより取りみどり、おせちな映画。 空しき賞金稼ぎのウォルシュも、おかしな旅のおかげで因縁を取り払い。何はともあれなんとか目標に到着。 そしてラスト、なにか吹っ切れたようにデュークの手錠を外し、ウォルシュは過去のしがらみである時計を、デュークは必要なくなった大金を渡し合い、別れる二人。しかし振り向いた時にはデュークはもういない。 ウォルシュは一人、大金と共に夜に消えて行く。長い旅を見てきた僕もどこか彼らの別れに寂しさを感じる。でもきっと来世で会えるさ。 あぁ…どうせなら吹き替えで見たかった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-16 00:43:46) |
10. ミュータント・タートルズ(2014)
《ネタバレ》 いや、もう「CGって凄いな」の一言です。 とにかくガシガシ動きまくるタートルズに圧巻、超人的身体能力もあるおかげでこれぞ人間業じゃないアクションの盛り合わせ。雪山を下るシーンはもう圧巻だ。凄すぎる。 ストーリーはとてもマンガマンガしていて軽くて楽〜に見れます。まぁ敵の親玉が若干強いのかよくわかんなかったり(そこまで魅力的でもない)と、まぁ深みがないといえばそれまでになっちゃうが、本作は若干の雑さには目をつむり、そのスピード感溢れる超映像を楽しんでもらいたい作品でしたね。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-01-15 21:53:29) |
11. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 僕が80年代の日本を憧れるように、主人公は昔のパリに憧れていた。 そんな彼の夢をパリが叶えてくれた、ちょっとユルくロマンスありな現代のファンタジー。 クラシカルな車で行った先は憧れの1920年代にタイムスリップ。ピカソやダリなど実在の芸術家達(しかも似ている!)と出会い、語らい、美しい女性と出会い、主人公は毎晩夢のような日々を過ごす。いちいちビックリしまくる主人公と、芸術家達の過激なキャラクターが面白いですw しかし彼は気づく。きっとその時代にいても満たされないという事を。 結局僕も憧れの時代に行ったら行ったでいろんな不自由に気づき、また違う時代に憧れるかもしれない。 美しいパリとユルいギャグで最初から最後まで気持ちよく見れる一本でした、 なんだかんだ僕も憧れは憧れで大切にして、今をそれなりに頑張って生きていきたいです。 [DVD(吹替)] 7点(2015-12-31 07:50:40)(良:1票) |
12. 未来世紀ブラジル
《ネタバレ》 今でも脳裏に流れる軽やかなメロディ、憧れのブラジル。 しかし現実は残酷で、夢を見ても残酷で、結局夢の世界に入ってしまう。 今でも衰えぬその表現と、怒濤の展開、そしてアンバランスな気味の悪さ。 ホラーではないのだけれど、とても怖かった。 [DVD(字幕)] 9点(2015-11-15 02:04:39) |
13. 未来警察
《ネタバレ》 まずタイトルがイカす、ビックリドッキリなロボット相手のお巡りさん。主人公は素敵なお髭で高い所が苦手なお茶目さん。 ロボットがどれも蹴り倒すだけで良さそうな箱形ロでどこかキッチュ、だけども銃をもったり、針で攻撃したりと結構手強くて恐ろしい。 でも本当の敵はやっぱり人間でしたね。ジーン・シモンズの終盤のニヤリとした恐怖の笑顔はかなり絵になるぞ。 まぁちょっとダラダラとテンポ的にはよくないけれど、なかなかユルいSFサスペンスで面白かったです。これは吹き替えで見たかったなぁ。 それにしてもSFでロボット課があるのに超能力捜査官まで出てくるのには驚き。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-10 23:34:40) |