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1.  ムーンライト・ジェリーフィッシュ
本作最大のネックは藤原竜也の演技が固すぎる上に、全くヤクザに見えないこと。それでも私は、所々で目が潤んでしまった。日の光を浴びることの出来ない弟の為に、共に日陰の道を歩むことを選んだ兄の生き様が切ない。昼の世界を劇中では「世間」と呼んでましたが、太陽が弟を拒んだ様に、世間もまたこの兄弟を受け入れてはくれない。色素性乾皮症を患ってはいなくとも、兄も日の光の下では生きられない体なのです。ややイメージ寄りでセンチメンタルな演出が鼻につきましたが、ニューウェーヴなヤクザ映画としては、渋谷系の「凶気の桜」よりもずっと良いと思います(因みにこちらは椎名林檎姫と同じ新宿系)。それにしても、色素性乾皮症が「題材として」新たな難病のトレンドになってるんでしょうか…、6点献上。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-06-09 00:00:47)
2.  MUSA-武士-
始まってからは移動、戦闘、移動、戦闘の繰り返し。砦に着いてからも戦闘、休憩、戦闘、休憩の繰り返し。その全てが同じテンション(うるさい位のカット割)、同じ戦法(ほとんど戦術なんか無い)、同じBGM(♪テレレレレ~ってヤツね)で進むので、派手好きな私も時間の経過と共に飽きてきます。功を焦るサラブレッドの将軍、百戦錬磨で常に沈着冷静な副官という図式も陳腐(てか、アン・ソンギに存在感あり過ぎ)。本作の大きなテーマは「望郷」の筈なのに、それが余り伝わってこないのも映画に入り込めない原因だと思う。そういうことで、エンディング・テーマ曲に-1点、4点献上。
[DVD(字幕)] 4点(2006-02-25 00:10:18)
3.  ムーラン(1998)
「三国志」にだって様々な解釈がある訳で、この伝説がこういう映画になったからって、取り立てて目くじらを立てる様なこともない。西欧から見たオリエンタル・ムードも、また一つの独特の雰囲気として、当のアジア人である私も充分楽しめます。流石にディズニー映画だけあって、フェミニズム的匂いが極力消してあったのも好印象。確かに予定調和のストーリーですけど、基本的に親子向けの作品なので、及第以上の仕上がりだと思います。それにしても、中国の話というだけのアメリカ製英語作品なのに、声優にまでアジア系俳優を取り揃える徹底振りが凄いですね、6点献上。
6点(2005-03-04 00:06:35)
4.  ムッソリーニとお茶を
イタリア在住のイギリス人とアメリカ人の戦前・戦中を描いた、イタリアとアメリカの合作映画ですけど、イギリス人が主役ということもあって、ウィットに富んだイギリス映画っぽい仕上がりになってます。登場するおばさん全員が主人公ではありますが、テーマを代表してるのはマギー・スミス。すっかり光を失った大英帝国のご威光を信じ、全く明確な地位ではない前大使未亡人という権威を信じ、抜け目のないファシスト・ムッソリーニを信じきる。そんなイギリスを笑う、伝統に縛られないリリー・トムリンや成金シェールが代表するアメリカも、時代の変化には気づかない。気づいた頃には時既に遅し。しかしこの時、世界中の誰もがそれに気づかなかったのです。一体誰が、彼女達を笑うことが出来ましょう? ということで、6点献上。
6点(2005-01-11 01:12:03)(良:1票)
5.  MOON CHILD
Gacktはまだ許せる。三輪明宏を思わせるルックスに、演技も上手くないけど下手じゃない。流行を取り入れたカオティックなアジアン・テイストの世界観も、まぁ良しとしよう。でも、HYDEは許せん。(もちろん甘いマスクだと思いますけど)中途半端なルックスの上、台詞回しが坂口拓より下手(この人に引っ張られて、トヨエツまでが投げやりな演技になってるし…)。二人の配役を逆にすれば、まだマシな映画になったと思う。こーゆー映画はアイドルをファンにカッコ良く見せること、そして彼らの音楽を聞かせることが目的の筈。これじゃファンも納得できないんじゃないですか、3点献上。
3点(2004-10-29 00:36:15)
6.  息子の部屋
鑑賞のタイミングが相前後してしまいましたが、ほぼ「イン・ザ・ベッドルーム」と同じ作り。息子を亡くした家族の悲しみと喪失感、そして自責の念と共に頭をもたげてしまう伴侶への非難。神父が宣う運命論も空虚なら、「あの時こうしていたら…」と考えるのも空虚。私は、手紙の女の子に彼氏がいたからこそ、そして旅をしていたからこそ家族は癒されたんだと思う。家族と同じように悲しんでるだけの子だったら、ただ悲しみに追い打ちをかけるだけ。確かに心の隙間は絶対に埋められない。それでも前に進まなきゃいけないんです、6点献上。
6点(2002-07-25 19:16:54)
7.  ムッシュ・カステラの恋
ジャック・ニコルソン似のカステラ社長本人と周りの人達の恋物語。人は皆、劣等感に嘖まれながら生きている。時として、その劣等感が目を曇らし誤解を生んでいくこともある。この映画は、(男女関係に限らず)お互いにとって第一印象はとても重要であるということと同時に、人は見かけによらないということを様々なエピソードで描いていきます。確かにエスプリの利いた洒落た映画だとは思いますが、私的にはちょっとあっさりしすぎで物足りませんでした(笑いも少なめ)。申し訳ありませんが、5点献上。
5点(2002-05-29 19:56:42)(良:1票)
8.  ムトゥ/踊るマハラジャ
キスも撮しちゃいけないようなのに、女性の仕草や振付の扇情的なこと。女神の如く美しい主演女優をはじめ、出てくる女性が全員(バック・ダンサーも含めて)フェロモン出しまくり。ヒンズー教ってこういうことには意外と寛容なのね(「愛の神にベッドの上で税を払おう」って普通じゃ歌えないような歌詞も凄い)。内容はとにかく馬鹿馬鹿しいし、やたら長いし仰々しいし、10億の民を抱える国だけあって人出すぎ。でも、なぜか全編大笑いできる。これだけ懐かしく感じさせる映画を90年代に(しかも大量に)作ってる映画大国に敬意を表して、6点献上。
6点(2002-01-04 17:26:17)
9.  ムーラン・ルージュ(2001)
「ウエストサイド物語」や「ジーザス・クライスト・スーパースター」といったミュージカル「映画」の愚作に惑わされることなく、「ワン・フロム・ザ・ハート」で致命的な敗北を喫したフランシス・フォード・コッポラに臆することもなく、断末魔にあったこのジャンルを見事と言う他ない手法で復活させたバズ・ラーマンには畏敬の念さえ憶えます。しかし、まだ若いオーストラリア人がどこで正しいミュージカル映画の作り方を習ったのか? フル・セット(これが大事!)、幻想的な美術・照明・衣装、徹底的な移動カメラ、台詞から歌への移行の仕方、各登場人物の見せ場の作り方、そしてその振付、etc.…と、ほぼ完璧。ユアン・マクレガーの甘い歌声も大収穫。唯一残念なのは、仕方ないことなんですけど、激しくカット割りされる編集がミュージック・ビデオっぽく見えてしまうこと。それと、私的にはテーマに悲恋を持ってきたことが悔やまれます。んなわけで、絢爛豪華な21世紀のミュージカル映画に8点献上。
8点(2001-12-16 00:22:30)(良:1票)
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