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自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  メン・イン・ブラック:インターナショナル 《ネタバレ》 
 『MIB』、元からそーんなには面白いと思ったことがなくて。小ネタは笑えるけれど、物語は単純、みたいな。3作目は時間ネタで物語が多層式になっていたので楽しめた記憶があるけど。   今回はメンバー一新、だけど豪華キャストにも関わらずパッとしないわ。エマ・トンプソン、リーアム兄さんとベテランを配して重厚になって・・・この映画、重厚さって大事? っていうかそのキャスティングがひたすらもったいないだけだわよ。  主役のクリス・ヘムズワースと、テッサ・トンプソンは、精彩を欠きまくり。個性は決して悪くないのに、物語がそれをちっとも活かせていないカンジなのよね。   今回は007のようなスパイものみたいな感じ。追いつ追われつで世界のあちこちを飛び回る・・・でも、それがあんまり『MIB』の個性とは結びついてない、凡庸な展開という印象で、ワクワクしないのよね。  主役2人を引き立てようとするあまりにエイリアンものとしての個性は薄くなって(印象に残るエイリアンって、あのチェスの駒みたいなちびっこだけでしょ?)、だけどその肝心の主役2人も大活躍というわけではないのでパッとせず、じゃあ一体この映画は何をやりたかったの?・・・意味不明。  伏線とか隠された真実とか、ちっとも物語を面白くする要素として機能してなくて(Mが過去に救ったエイリアンとか、Hの過去の恋とか、単に物語を転がすためのやっつけ設定にしか過ぎないわ)、わざわざ新メンバーで『MIB』を復活させた意味が理解出来ない状態。   最近、ちょっと似た感覚を受けたのが『名探偵ピカチュウ』だけど、あれは「ピカチュウ可愛い」だけで成立しちゃう映画だからいいのよね。こちらは「エイリアン可愛い」とか「クリヘム可愛い」とかだけで成立しちゃえないワケで、なかなかシンドい映画。
[映画館(字幕)] 4点(2019-06-17 18:41:54)(良:2票)
2.  メリー・ポピンズ リターンズ 《ネタバレ》 
 今から55年前に作られた作品の、見事なまでの正統な続編ね。あまりにガチガチにイメージを継承しているので、保守的に過ぎるんじゃない?とも思うのだけれども、それだけ前作を大切にしているというディズニーの姿勢の表れなのでしょう。同じディズニーでも過去をブチ壊しまくった『シュガー・ラッシュ:オンライン』とはあらゆる意味で対照的な作品ね。   イメージの継承の姿が最も如実に表れていたのがミュージックホールでのシーン。手描きアニメとの合成なのだけど、そのアニメの線がハンドトレスでもデジタルスキャンでもなく、マシントレスの線のタッチなの。今の技術だったらデジタルでキレイキレイなラインで表現できるのだけれど、そこをあえて擦れたザラついた線で表現してるの。トレスマシンを使ったアニメは省力化の表れって感じでいい印象がないのだけれども(国産のアニメも70年代以降、デジタル化されるまでの間、ずっと、あのザラついた線で描かれていたわけで、例外は『サザエさん』と『シリウスの伝説』くらい?)、その線に泣かされる事になるなんて思ってもみなかったわ。  映像表現そのものはもちろん今のテクノロジーが駆使されているのだけれど、ガチガチのデジタル臭には走らず、アナログ的なスキをいっぱい作ってる状態。   オープニングタイトルからエンドロールまで、いかに『メリー・ポピンズ』であるか、というのに拘った作品。音楽はクラシカル、ミュージカルナンバー一曲一曲はたっぷり時間を取って。今の判りやすいミュージカル映画のスタイル(歌と踊りがそのまま物語の進行に直結してる)ではない、旧来からのミュージカル(歌と踊りが独立した見せ場)の姿なのよね。  ナンバーは前作ほどのインパクトには欠けるように思うのだけれども、それはまだこれから、後年価値が決まってゆくものなのかもしれないわ。普遍性を持った映画として作られているのだから。   あくまで前作を愛してる人のための続編として作られていて、きっと前作と続けて見ても違和感は少ないわ。エミリー・ブラントはジュリー・アンドリュースとはかなりイメージが違うけれども、表情豊かじゃダメな難しい役のメリー・ポピンズを上手く演じているし。   懐かしきディズニー映画の匂いに溢れていて、でも、それが今の若い人達には通用しないとしたら、それは淋しいことね。できれば前作とセットで見て頂きたいものね。
[映画館(字幕)] 8点(2019-02-05 22:40:31)(良:2票)
3.  MEG ザ・モンスター 《ネタバレ》 
 初日にIMAXで予約したのに体調悪くて断念して、改めて見直し。でもコレとてもじゃないけどIMAX2回分払うような価値のある映画じゃないわ。   もちろん『ジョーズ』は超えてない。もう全然。冗談じゃないわ。せいぜい『ジョーズ3』を超えて『ディープブルー』とか『リバイアサン』とか『第7鉱区』あたりと並んだ程度。   最大の問題はサメがちっとも恐くないところ。おぞましい捕食シーンとか全然なくて、がばーがばーって飲みこんでますー、みたいな。単に海にいるデカいヤツ。つーか、むしろ可愛いくらい。   で、映画はサメよりも、明らかに多過ぎな登場人物のドラマを描くのに忙しい状態で、でもそのドラマがどれもフツー。ありがち。そんなモンに時間割かずにもっとサメと戦ってよ!って感じ。   ステイサムはやっぱりステイサム。ステイサム映画ならばこの程度のステイサムっぷりでしょう、って予想されるそのままのステイサム。なんの意外性も無し。   そして『ジョーズ』の存在を前提としたサスペンス描写が幾つもあるのがとてもココロザシ低く思えて。檻とか犬とか海辺の母親と少年とか、『ジョーズ』ではああなったけれど、じゃあこの映画ではどうなるでしょう?って。そんなモンに『ジョーズ』が超えられるワケもなく。   それにしても最近ハリウッドの娯楽映画見にいったつもりなのにコテコテの中華風味、って映画が多過ぎね。何見ても中華味じゃいい加減ゲンナリ。中国資本に蹂躙され過ぎよ・・・って何十年か前は日本資本がそういう状態だったわね・・・
[映画館(字幕)] 5点(2018-09-11 20:02:21)(良:2票)
4.  メイズ・ランナー 最期の迷宮 《ネタバレ》 
 1作目と2作目の公開の間隔は短かったのだけど、今回は2作目から随分と間が空いて、でもストーリーすっかり忘れた!ってほどでもなくて。ヒロインが裏切ってミンホが捕まっちゃった、ってのは憶えてたわ。   コレ、本当に原作があるの?ってくらいに雑で行き当たりばったりで展開に疑問湧きまくり。  今回が完結編、なのに物語はミンホを助けなくちゃ!って目的だけで作られてるっていう。  大風呂敷広げまくりの設定、人類の存亡をかけた物語なのに、そっちの流れからは外れて、ひたすら傍流である救出作戦を延々と描くって、大胆っていうか、構成に問題ありまくりっていうか。  大きな状況を動かすのは、その救出作戦を利用した、なんかウラがありそうで、実は単に正義の人と、それに扇動された人々ってね。まあ、主人公が闘士となってみんなを率いて、なんて展開だと荒唐無稽になっちゃうのは確かだけれども。   主人公がちっとも印象に残らない個性の無さっていうのがこのシリーズの難点で、だけどワキを固める連中は個性的で、そこはシリーズ通じて魅力を感じてたわ。『リトル・ランボーズ』のコなんか、めちゃくちゃアクの強い顔になってきて、これからが楽しみな感じ。   で、最終的な着地点はそんなトコでいいワケ? あれだけ風呂敷広げといてそんな結末? つーか未消化なキャラ多過ぎじゃない? みたいな終わりを迎えるわけだけど、でも、144分間、あっちゅー間で退屈一切無し、勢いに押されて存分に堪能しちゃった感があって、元々そんなに多くを求めるようなタイプの映画じゃないんで、こんなモンでいいんじゃない?みたいな、妙な満足感を抱いたのも事実ねー。オリジナリティ全然ないけどさ。
[映画館(字幕)] 6点(2018-07-01 22:04:06)
5.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 
 ジブリのガワだけを被った空虚な作品。ジブリ的記号で映像が作られていますが、絵のタッチをコピりました、ってだけ、それだけ。大粒の涙をぼろぼろこぼす表現など、やってて恥ずかしくないのかな?くらいにそのまま持ってきているものの、スタイルさえ持ってくれば名作になるって訳もなく。   もうありがち過ぎる魔法学校な話ではあるのですが、それでも幾らでも面白く見せる方法ってあると思うんですよね。だけど、ジブリ的記号に依存しているだけで脚本も演出も作画もやっつけ仕事にしか思えないつまらなさ。この物語を面白く見せる工夫というのが全く見られません。  この監督の毎度の欠点でキャラに魂が入っておらず(主役はキキというより千尋のコピーみたい)、魔法学校の世界の描写が異様に狭く(登場人物少な過ぎな上、魔法を見せる事も殆ど無し)、魅力的な絵も乏しく(これまで一切ジブリ作品を見た事がなければ、あるいは魅力を感じる描写が少しはあるかもしれませんが)。  キャラクターデザインを全く別タッチにして、美術ももっとギッチリと細かい描き込みをしていたら、もう少し見られるものになったと思います。  脚本はおばあさんの過去と現在とを中心にして肉付けしてゆけば魅力が出たんじゃないかなぁ。   この監督、ジブリ出身であるという事だけで、どうも作家としての個性や魅力が見えてこないんですよね。『アリエッティ』『マーニー』、そしてこの作品と、キャラクターの生が感じられません。ただセリフを語る絵。固まったスタイルに固執するばかりで「人」を見ようとしていないように感じてしまいます。  そして、ジブリ作品には存在している「絵に宿る魂」が、うわべばかりのこの作品には無い分、前2作よりも更に見劣りするようで。   ジブリが手詰まり気味なんで、ジブリのパチもん大々的に公開しちゃいました、みたいな印象の作品ではありました。   で、話が結局『AKIRA』だったりするんですが、それは原作からしてそうなんでしょうか?
[映画館(邦画)] 3点(2017-07-10 21:10:50)(良:1票)
6.  メッセージ 《ネタバレ》 
 『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』のバイラス星人とか『ペンギンズ』のテレビシリーズの宇宙イカ(あるいはイカっち)とか、イカ型生物は侵略者ってイメージが存在していて(『侵略!イカ娘』なんてのもありましたな)、この映画の宇宙人はその先入観を元にデザインされているのだなぁ、と。固定概念や先入観こそはコミュニケーションにとっての障害物、ってお話ですからね。   人はいつか時間さえ支配できる、ってセリフは『ガンダム』でしたっけか。これは時間を支配できるまでにはならないけれど、時が見える(ララァか、っていちいち『ガンダム』だな)ようになった人の話。そこから逆に浮かんでくるのは、では時間が見えない現実の我々はどういう選択が最良なのだろう?という問いかけ。個人から他人、組織、国家や思想、宗教に至るまで、この世界を生きる術を示します。  無理解や恐怖によって断絶してゆく個と閉ざされてゆく未来。イカのバケモノから発せられる、「言霊」をビジュアル化したかのような言語や文字の概念を超えた深遠なもの、それを理解しようとする姿勢が相互理解を生み、進むべき道が見えてくる、と。主人公は切ない未来をも認識する事になる訳ですが、同時にかけがえのない時を得られる事も知る、のならば、時が見えない我々はせいぜい今この時のかけがえのないものを大切に、未来を閉ざさず少しでも良いものへと導く努力が必要なんじゃない?と。今、こんな時代、こんな世界だからこそ、必要な映画。   女性主人公が宇宙人とのコミュニケーションを通してミクロとマクロとが繋がってゆく物語という事で『コンタクト』が容易に浮かびますが(爆破テロだし北海道だし)、これもまた優れたSFのカタチを示した映画でした。映像や音楽、キャラクター造形に雑味のない、独自の世界観に酔えました。
[映画館(字幕)] 9点(2017-06-04 22:10:46)
7.  メイズ・ランナー 《ネタバレ》 
 ティーン向け小説の映画化で3部作の1部目とか、コレ絶対ダメなヤツじゃん!って思ったのですが、意外にも面白くて。   このテの何部作モノ映画って最初に設定の説明を延々とし始めるような、いつになったら本題に入るのよ?ってシロモノが多かったりするのですが、コレは主人公が記憶を失っていて、一体そこがなんなのか全く判らないという設定。観客は主人公と共に物語の進行によって世界を知ってゆく構造になっています。ロールプレイングゲームによくあるテではありますが。  しかも、主人公が訪れた事でそれまでの世界に変化が訪れ、更にこれまで若い男だけだった世界に最後の一人としてヒロインが現れて更なる波乱を生んで、といった感じでどんどんと状況が転がってゆきます。「一体どうなっているんだろう? これからどうなるんだろう?」という興味がずーっと続いてゆく状態ですから、映画に対する意識の集中が途切れてしまう事がありません。   で、「このダンジョンの中だけで3作かけて延々出口探しするのかいな? 中でグダグダと人間同士の葛藤のドラマとか見せられちゃうのかいな?」と思っていると全然違って。葛藤はあっても状況が追いかけてきますから、物語はどんどんと先に進みますし、この映画だけでひとつの完結を見せ、また次なる展開へと続いてゆきます。最近の邦画の何部作モノにありがちな、儲け出すために分けました的な、1本では全然成立していない内容の薄い作品と違って、ちゃんと映画1本見た、っていう満足感はあって、そして続きも見たい、という気持ちになって。   難点としては主人公がワリと軽率に行動する系であまり共感できず、むしろ悪役になっちゃう保守的な少年の言う事に一理あると思ってしまう点ですか。あと『ハンガーゲーム』に似た部分が結構ありますね。   外へ外へと向かってゆく、どんどん開かれてゆこうとする物語のベクトルには気持ち良さがあって、見る前に抱いていたイメージと違って、なかなかに侮れない作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-05-25 22:33:33)
8.  名探偵コナン 業火の向日葵 《ネタバレ》 
 「高校生がちっこい子供にさせられちゃうような世界で果たしてミステリーは成立するの? そんな奇想天外な世界ならば別に魔法使いや宇宙人が殺人事件の犯人でもいいんじゃないの?」  土曜の夕方にテレビでダラーっと見る程度な『コナン』に抱く疑問。その疑問に映画版は何らかの解答を与えてくれたのでしょうか?   違和感、ズレ。映画を見ながらずっと抱き続けた感覚。作品内の独自ルールが多数存在する事で、常識からの大きなズレが生じています。  それは現実より弱々しい設定の現実的存在と、超人的キャラとの都合のいいルールによってのみ成立する世界。  エンジンを4発搭載したジェット機が、その1つを停止させただけで飛行、着陸が極端に困難になる事は、現実ではありません(ドアが飛んだ直後の方がよっぽど危険、ですよね?)。  ホテルの一室を減圧させるためには気密室化が必要ですから、ひと目で他の部屋との違いが判る筈です。  液体を導火線にして施設全体を延焼させてしまう、非常電源でスプリンクラーが作動しない建造物は、まず建築許可が下りないかと思います。  そんな脆弱な世界の中でキャラは超人となります。  コナンは高所から落下してもドラえもんの如き秘密道具で墜落死を防げますし、キッドは収納式のハングライダーを広げて空を飛べます。蘭は備わった怪力を発揮して危機を脱します。  「主人公は死なない」(by浜村淳)としても、これではサスペンスもへったくれもありませんし、ミステリーも成立しません。  実際、キッドはメチャクチャな能力でメチャクチャ怪しい行動を取りながら真犯人は別にいますよ(みんな最初から判ってる事ですが)、というミスリードにもならないミスリードで引っ掻き回してみせますが、なんでもありなので真犯人など、どうとでもなります。キッドの回りくどい行動も、取って付けたような、それはアリなのか?というレベルの真犯人の動機も、いや、真犯人の存在すらもこの映画では重要ではありません。   ゴッホの「ひまわり」を題材にお馴染みなキャラの見せ場を連ねただけの映画。設定も物語も、後付けする形で無理矢理こじつけていきました、という感じ。この映画では大金持ちが金にものを言わせまくった、という設定で世界が成立していますが、そこに批判なんて存在しません。そんな金持ちが実際にはいる訳がない、というのが前提になっているからなのでしょうね。   つまり、広義でのミステリーは成立しません、というのが本当のところだったのですね。この世界だけで閉じた(形骸化された)ミステリーのみが成立しています、って。魔法使いや宇宙人は出てこないけれど、みんな、ほぼそれに近い存在っていう。それこそを楽しんでる人にわざわざケチをつける気は毛頭ありませんが、一本の映画としてはあまりにツラいわ、コレ。
[映画館(邦画)] 2点(2015-05-13 20:47:28)(良:2票)
9.  メアリーと秘密の王国 《ネタバレ》 
 森の自然を描いた映像はとても美しく、その自然の中に展開するファンタジー世界の物語はよくできていて、いいアニメーション映画だと思いました。  でも、手放しでは喜べない感じも。   まず、最も気になったのは光と影=緑と腐敗=善と悪の対比が、生物の種によって区別されている設定。単純に善悪に組分けされている状態で、偏向した、下手をすると差別意識を感じさせてしまう描き方。種で分けてしまうと生まれの時点で邪悪、だもの。   それから、映像のテンポは速いけれど物語のテンポは遅いという点。面白味を出そうとしているのか、1つ1つのシーンに余計な枝葉を加えているのですが、物語の進行を遅らせ、空転、停滞させるばかり。成長物語としては描写の積み重ねが全体的に薄く、変化の唐突な感じが否めません。特にメアリーのお父さんが延々と空回り&進行の停滞を生み出す状態には辟易。   また、キャラクターがリアル系で、全体的に表情や動きに固さを感じます。キャラの演技に関してはディズニーやドリームワークスに比べて今一つ。   ですが、戦闘シーンや森の中に築かれた妖精達の世界の幻想的なシーン等、描き込みは相当なもので、ダニー・エルフマンの音楽と共にずっしりとした大作感を味わえます。   先に輸入版3Dブルーレイを買ってあったのですが、劇場公開されるという事で封印していました。でも上映はごく限られた劇場で2D吹替え版しか選べないという状態。  それでもスクリーンで見られるだけマシです。前作が公開されていながら未だに公開の目処も立っていない『ヒックとドラゴン2』のように、日本未公開、ビデオスルー状態の作品が沢山あります。  海外アニメーションファンから見ると、世界中で大ヒットしているメジャー系大作アニメーションすらマトモに見られないこの国の映画興行事情は非常に貧しいとしか思えません。何がクールジャパンだか。
[映画館(吹替)] 6点(2014-10-27 22:01:35)(良:1票)
10.  メリダとおそろしの森 《ネタバレ》 
スケールの大きな物語かと思っていたら単なる家族間のもめごとの話であらら。ピクサーは長編初作からずっとどうも狭い範囲、少ないキャラで話を小さくまとめる傾向があったりするのですが、これもそんな中の1つ。大勢出てくる領主とかその息子とか、実は物語を運ぶキャラとしては殆ど機能していなくて、ほぼ母と娘、そしてある程度絡む父と三つ子の弟達で物語が動いてゆく状態。ならばそこで濃密なドラマが見られればいいのですが、どうも話の流れとしても納得はできなくて。城に侵入したクマな母がどうしてあそこでそれまでの考えを改めメリダに自分の意志で生きるよう示したのか、クマである事がどう母を変えたのか、その流れがどうも読めないんですよね。母娘で苦難を乗り越え気持ちを一つに重ねて、っていうほどのエピソードの積み重ねもありませんし。だから話としてはそんなに楽しめませんでした。でも、映像、美術に関してはとても魅力的で。メリダのクルクルなクセっ毛や多彩な表情、城や森の佇まい、生物や自然の表現、そしてそれを見せる演出。そういうところはやっぱりいいんですよね。3Dの効果に関しては相変わらずピクサーはやや出遅れ気味ではありますが。新しいビジュアルを見せてくれるという点ではやっぱりときめかせて貰える、そして、でもそれだけじゃ勿体ないって感じの映画ではありました。物語もちゃんとしていればねぇ。その分、最初にくっついている短編アニメ2本のうち『月と少年』が本当にキレイで雰囲気良くて見事で、それだけで元取れちゃうんじゃない?くらいな名作だったので補完はされたかな。
[映画館(吹替)] 6点(2012-07-22 13:52:43)(良:1票)
11.  メン・イン・ブラック3 《ネタバレ》 
前2作もリアルタイムに劇場で見たものの、特に面白いと思う部分は無いって感じだったのですが(小ネタを色々と挟みつつも、本題はただ悪いエイリアンをやっつけろ!ってだけでさっさと終わる映画でしたからね)、今回はタイムパラドックスものという事で物語に様々な興味が生まれて楽しめました。このテの物語にありがちな様々な疑問が生じてしまうのは確かなのですが(クライマックスの小ジャンプ、アレは先に定義された理論との差異が生じてたりしません?)並行する次元を見るエイリアンの存在によって未来の不確実性の揺らぎがサスペンスを生み、意外にも感動的なラストシーンを生んで。まさかこのシリーズで不意打ち状態な感動を食らうなんて思いもしませんでしたよ。過去に飛んでからはエイリアン絡みのアクションの見せ場があまり無いとか、KとOの現代での関係をもう少し見せて欲しかったとかの不満点はありますけれど、ここまでシリーズを見てきて今回初めてキャラに親しみを抱けました。肝心のトミー・リー・ジョーンズの出番は少なくて、ジョシュ・ブローリンがその愛着に貢献した感じなのはちょっと皮肉な状態ではありますが。それにしても不粋で興を削いだのは、本編終了後にくっついてる『アメージング・スパイダーマン』の予告と、クライマックス直前にゆっさゆっさと劇場を揺らした地震。地球さん、カンベンしてください。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-01 21:08:44)
12.  メアリー&マックス 《ネタバレ》 
アスペルガー症候群を題材に、個々が抱える孤独と、人との繋がりとを描いた映画。他者との繋がりの大切さ、他者への許容が自己の存在の肯定に繋がるという、自己と他者との在り様について深く考えさせてくれるお話。それが非常に独特なデザインに支配されたクレイアニメで描かれるのですから、大変に独創的、他に類を見ないような作品になっています。セピアカラーで描かれるメアリーの世界と、モノクロで描かれるマックスの世界。それぞれの色が映す心象風景と、その色が文通という素材によって微かに交わりアクセントを加えてゆく表現の妙味。シニカルな笑いをあちこちに盛り込んだアニメであり、アーティスティックな映像作品であり、娯楽と哲学を両立させた奥行のある映画です。決して甘くなる事なく、他者との間に生まれる摩擦の厳しさも真正面から描かれ、その痛みが、およそリアルからはかけ離れた粘土人形からビリビリと伝わってくるという不思議な感覚。繊細なアニメートによって生命が吹き込まれる、その表現力にすっかり魅了されました。でも、マックスの生活はとても他人事とは思えません。猫達と暮らし、日頃、あと残されたイベントは死ぬ事くらいだよね、なんて思ってる私は、彼の生き様にドキッとさせられたのでした。
[映画館(字幕)] 9点(2011-05-06 20:14:50)
13.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 
「私の役は色情狂の女・・・もちろん現実は違うわ。メリー・ポピンズでもないけど」。私が映画好きになるきっかけとなった映画『大地震』でのジェヌビエーブ・ブジョルドのセリフ。34年経って、今更ながらその意味を考える私でした。以前、家に『メリー・ポピンズ』のサントラのLPがあって数々の歌には馴染んでいましたが(「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」だってちゃんと言えるんだから)、映画そのものにちゃんと触れるのは今になって初めて。見終わって、子供の時と大人になってからと、できれば二度は見ておきたかった映画だと思いました。絵の中の世界の楽しさ美しさや、煙突掃除のダイナミックなダンスなど、ワクワクしてくる、とても楽しい映画でしたが、一方で2ペンスに込められた重さ、その意味がとても重要な映画なのだなぁと。そういう見方になってしまうのは、やはり大人の目ゆえなのでしょう。父親が凧を修理するために使った2ペンス。親子の絆を取り戻すための2ペンス。そのヒントを与えたメリー・ポピンズ自身はあくまで自分の感情を最後まで抑えこんでいます。自分の役割を通す彼女の孤独に思いを巡らせると、ちょっぴり悲しい映画であったりもしました。ちなみに『大地震』でのジェヌビエーブは、しがない女優で、妻がいる男と不倫中の子持ちの未亡人なのでした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-24 00:24:49)
14.  めがね
残酷な映画でした。何しろ、私は映画館で映画を見る前には決して飲食しないで臨むのですが、朝から飲まず食わずの午後2時過ぎに、あれだけ美味しそうなものをばーくばく食べまくる映画を見せられちゃ・・・。さて、それはともかくやっぱり残酷な映画。だって、この映画の世界はとても安らぐ世界だけれども、ずっとそこに居たいと思うけれども、現実にはどこにも存在しない、し得ない世界。登場人物ひとりひとりがリアリティのカケラも持たずに存分にたそがれられて、だけどこちら側の人間はあんな風にたそがれる事は絶対に無理、って判ってるから、だから残酷。逆説的に、たそがれシステムに組み込まれてるだけなのでは?なんて意地悪な事を考えたりもしますが、ここは物流やら金銭すら見えて来ない世界ですから、心地良く組み込まれますわなぁ。映画館を出て、冷たい雨のハチ公前、人で溢れ停滞する流れの中で、顔面や首に傘をぶち当てられ、無理矢理突進してきたお姉さんに押されながら、これが現実、と苦笑するしかない私ではありました。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-30 18:06:42)
15.  メゾン・ド・ヒミコ
柴咲コウはやっぱり不機嫌だったり怒ってたり恨んだりしてる時の方がイイなぁ。彼女の、ほとんど全編笑ってないぶす~っとした顔が印象に残る映画でした。で、内容はと言うと、ゲイってものの捉え方が類型的過ぎてしまって、あんまり深みが出てなかったかな。お爺ちゃん達がゲイとして生きてきました、って人生模様があんまり見えてこなくて、オカマ演じてます、って程度にしか見えなくて、洋モノの「Mr.レディMr.マダム」とか「バードケージ」みたいな、本当にそういう生き方をしてきた人なんだなぁ、って思わせてしまう存在感がないところが軽い印象になっちゃってます。彼等(彼女達)に対する風当たりについてもあまりにありきたりですしね。あと、バカくさいノリと真面目なノリとがグチャグチャしてヘンな状態になってるのがどうもねぇ。もっときっぱりバカくさくても、いい映画にする事はできたと思うのですが、多分この監督さんはそういうノリが上手くないのではないかと。バカくさいシーンが浮きまくってしまってますからねぇ。クラブ、って言うかディスコのシーンが野暮ったくて撮り方が下手くそなのは邦画の常なので、まあ今更ツッコんでも仕方ないですか。でも、人生最後の楽園を守りたい人達の切ない気持ちは感じました。ああいう生き方も素敵やん、みたいな。いや、オカマとして生きる、ってコトでなくて。あ、いかん、オカマとゲイとはまた別だな。この映画では結構ごっちゃになってましたけど。
[DVD(邦画)] 6点(2006-09-13 01:09:02)
16.  めし 《ネタバレ》 
これまで小津作品ばっかり見てたので、カリカリしていて爆発しそうな原節子、っていうのにドキドキ。なんでもにこにことやり過ごしてしまうイメージがありましたからね。「めし」、つまりご飯を摂る事って、生きてる限り、毎日毎日、日常の中で必ず必要な作業なのですが、当たり前にそれが出てくるのを待っている立場と、それを用意することを日々の仕事としてこなしてゆかなければならない立場とでは、捉え方が全然違うんですよね。ただ出てくるのを待ってる方は、その作業が実は結構な重荷だなんて考えてもいない人が多いのかも。出てくるのが当然で、感謝しなければならない理由もない、なんて。誰からも感謝されず、世間に取り残され、日常の中に埋没するって状態が不安で、だけど、夫婦が夫婦としてひとつである事で、家と外との繋がりが生まれて、そこに幸せも生まれるんだよ・・・ってのはさすがに今の時代にはちょっと考え方が古くなってるワケで、今はもっと価値観は多様化してます。今となっては幸せのひとつのカタチ。でも、戦後6年のこの時代には、ゆき過ぎた自由思想に対する歯止めも必要だったのでしょうね。奔放な姪の存在が、それを表しています。なんだかんだ言っても夫婦って結局は他人同士だった二人がなんとか上手く一緒に暮らしてくモンなんだよ、ってくらいの受け止め方でいいのかな。それにしても画面にネコを出されてしまうと、こちらの意識が全部ネコに行っちゃうので困りものです。原節子と家を結びつける象徴的存在ではありましたが。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-08 00:48:45)
17.  メカゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
「ゴジラ対メカゴジラ」の直接の続編だけど、一部キャストが重複していながら違う役だったり、ブラックホール第三惑星人の真の姿が違っていたりと、結構いい加減です(ボスがグラス片手の成金親父風、って点では一貫してますが)。前作はマトモに見るとツライ映画でしたが、今回は微妙にマトモな映画なので、真面目に見ようという姿勢になってしまって、それはそれでまたツラい、と。暗いドラマを背負っているものの、いかんせんそれをドラマティックに見せられるだけの役者がおらず、シンドいなぁ、もっと気持ちのこもった演技ができないかなぁ、と。全体的に陳腐でありながら、シネスコの構図は綺麗だし、伊福部サウンドは聴かせてくれます。でも、それが逆に哀しいですね。第一作と同じ監督、同じ音楽、同じ俳優による科学者。でも第一作からは遠く遠く離れた、全く違った存在になってしまったゴジラに対して、なす術なく最早ゴジラを突き放すしかなかったような感じ。この映画ではゴジラ、活躍らしい活躍をしていません。唐突に現われた二人の無謀な少年を救うくらいで、あとはメカゴジラを破壊し、チタノザウルスを倒すものの、二体を操っていた、サイボーグとなったヒロインが自殺した時点で戦う意味は喪失しています。人間同士の争いに、ゴジラは傍観者となるしかなく、セピアの海に帰ってゆくゴジラの姿は居場所を失ったようにも見えて、本多監督がこの遺作をどんな思いで撮ったのか考えると、なんだかとっても切ない映画でした。その後復活したゴジラは果たして本当の居場所を見つける事ができたのでしょうか?
[DVD(邦画)] 4点(2006-07-23 01:06:12)
18.  メン・イン・ブラック2
前作にガッカリして期待しなかった分、かえって楽しめました。とは言え、トミー・リーが復活するまでに時間かけ過ぎ、って感じがしましたし、復活後も、なんだかパッとしなくてウィル・スミス一人ではしゃいでるような感じがしちゃって。パグとララ・フリン・ボイルとゆー、私にとってのツボが存在してたのは良かったんですけどね。
5点(2004-01-15 13:54:04)
19.  メン・イン・ブラック
ソネンフェルド映画は馴染めない、という事を決定的に印象付けた一編でした。いつ本題に入るのかな?と思ってたら終わってしまったという感じで、私には、この映画の中に入ってゆける瞬間が全くありませんでした。題材的には面白そうだったんですけれど(予告編の、扉に立つ二人のショットなんか、音楽共々こりゃ良さげ、って思わせたんですけどねぇ)シンプルな物語と騒々しいクリエイチャーの世界には、こちらを刺激してくれるツボがなくって。もっともっとカッコつけて欲しかったなぁ。でも、先行オールナイトに並んだら、先着で前売り券の値段の8倍もするレイバンのサングラス貰えたんで「ありがとう~」という気持ちはあります。ただ、カオのデカい私にゃ全然似合わないんだ、コレが。
[映画館(字幕)] 4点(2004-01-15 13:50:07)
20.  メル・ブルックスの大脱走
公開当時に一度見たっきり、その後見る機会もないのですが、今でもブルックスの大仰な「とぅび~、おあ、のっととぅび~!」を思い出すと笑えます。コテコテとした笑いの多い印象のブルックス作品にあって、これは洗練された映画で、それゆえかなり異質なのですが。クライマックスのサスペンス描写なんかは本気だなって感じですし(それでもちゃんと笑いを入れてたりしますけどね)。ただ、ブルックスが監督をしていない事が好印象に繋がったのだとしたら、ちょっと皮肉な感じかな・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2004-01-15 13:37:48)
080.32%
1220.87%
2421.66%
31234.85%
432012.63%
548819.26%
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830111.88%
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