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プロフィール
コメント数 923
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  もののけ姫 《ネタバレ》 
当時の宮崎駿による集大成であり、今後のジブリの方向性を決定づけたターニングポイント的作品。昔はシリアスで難解というイメージがあったが、久しぶりに見てみると意外にシンプルな筋書きであることに気付く。自然と人間との共存はナウシカにもあったが、綺麗事や善悪の二極化は鳴りを潜めている。必死に生き抜こうとする市井の逞しさと生活臭漂うリアリティが時代背景に厚みを生み出し、スムーズに物語を受け入れることができた。生きるため善意のための行為もどこかで犠牲を生み出し、度が過ぎればその対価は大きくなる。必要悪と絶対悪の違いでしかない。それに気付けない人間の愚かさと業を描きつつも、答えもなく矛盾だらけで、それでも距離を置きながら未来を模索するアシタカとサンの対話が味わい深い。
[地上波(邦画)] 7点(2021-08-15 23:55:49)
2.  モールス 《ネタバレ》 
"リメイク"としては良く出来ている。物語を主役二人に絞り、枝葉のエピソードをごっそり削除した贅肉のない構成。オーウェンがアビーと運命を共にする理由づけも境遇もオリジナルより明確で納得できるものになっている。だからこそ"たどたどしさ"が失われてしまったことで、オリジナルを超えられなかった。主演二人は熱演だが、計算されているが故にたどたどしい素朴さがリメイクには感じられない。また、議論されている、エリの"ある設定"がアビーにはなかったことになっているが、この映画には余計で必要なかっただけだ。変更点が多いのだから、いっそのこと、スウェーデンの芯の冷える寒さが再現できないなら、夏場を舞台にして更に差別化しても良かっただろう。それでも、『ぼくのエリ』と『モールス』はそれぞれの欠点を補い合うような形で完成された、リリカルなダークファンタジーであることに異論はない。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-11 20:34:16)
3.  殯の森
この女流監督、芸術というものを履き違えているのではないか? 冒頭の葬列ショットに目を奪われるがそれだけ。開始30分以降、強引な筋書きで森に入り、二人芝居が意味ありげに最後まで進むも、学生の自主制作映画にも失礼なくらいお粗末な作りが全編を貫く。突飛な言動がそこにあるだけで、何かを引き付ける魅力がこの映画にはない。"不運"にもカンヌ審査員たちの好みに合ってしまった。アーティストにおいて表現力と自己愛は紙一重だが、監督は圧倒的に後者だろう。多くの観客からすれば、私を含めて所詮"娯楽"目当てで観る人が多いのだから。
[DVD(字幕)] 2点(2017-08-02 23:01:51)
4.  モンスターズ・ユニバーシティ 《ネタバレ》 
知識で補う努力家のマイクも、名門で天才肌のサリーも自意識過剰で見下している印象があり、二人より遥かに下の落ちこぼれと同じ立場になったとき、初めてスタートに立てたのだろう。あらゆる奇策で最底辺から下剋上で優勝する様は痛快で、だからと言ってハッピーエンドではなく、そこから更に二人を奈落に突き落とす。あまりに辛辣で残酷な事実を臆せずに描き切る。ウォルト・ディズニーの「夢はかならず叶う」の格言をここでは少し否定し、失うものがない二人が互いに足りない部分を補って叩き上げで現在に至るまでを、既存のスクールカースト・学歴社会への風刺を交えて説得力のあるものにしたのは、数々のイノベーションを生み出したアメリカの開拓精神によるものか。前作には劣るけれど、それでも一定のクオリティを輩出するのは流石ピクサー。
[地上波(吹替)] 7点(2016-04-27 22:25:45)
5.  模倣犯
監督は原作をちゃんと読んだのか? 大長編を2時間でまとめている地点で自爆確定(ピースなだけに)。本編とは無関係の44の謎は、わざと難解にして高尚にしようとする自信のなさの表れ。スマップの中居が主役、爆笑問題をキャスティングするセンスのなさ・・・話題性優先でもう終わってますね。これは何を言いたかったんだろう? こんな駄作でも力を吐いた山崎努と原作者への冒涜と捉えても不思議ではないだろう。山崎努の熱演に免じて1点。
[DVD(邦画)] 1点(2015-12-07 19:22:53)
6.  モンスターズ・インク 《ネタバレ》 
子供の頃から親から嫌ほど聞かされたことがあるはずだ。「言うことをきかない悪い子は怪物に食べられちゃうぞ」と、勝手に空想して震えて、親の言うことに従ったものである。しかし、成長すれば怪物は現実にはいない空想上の存在だと分かり、怪物がドアからやってきて非現実の世界に誘うこともなかった。ブーが体験した大冒険も、成長したらいつしかただの夢として捉えられ、記憶の隅に追いやられていくだろう。大人になれば見えなくなっていく幽霊や妖怪のように。かつてブーだった大人達に捧げる、いつか訪れる子供時代の終わりを描いた、ありし日の通過儀礼の物語。ブーとサリーの別れと再会は、笑顔と切なさで満ち足りて、懐かしさで涙がこぼれる。「ただいま、また会えたね」と声をかけたくなる。
[DVD(字幕)] 9点(2015-09-24 00:27:11)
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