1. モーリタニアン 黒塗りの記録
《ネタバレ》 自国の暗部、いやここでは同盟国の暗部を描く骨太の映画。 同時多発テロ当時のイスラム教徒へのいわれなき嫌悪感は、世界を巻き込んで危うい方向に向かっていたと今になれば思う。 そんな中、人権派弁護士とは言え、自国の国民を大量に殺害した発端と疑われる人物の弁護を買って出るのは並大抵の神経ではない。ゆるぎない信念の人。 しかし、その信念が時に揺れてしまうのもこの映画の見どころの一つ。 こういう強い中にほのかに弱さを匂わせる役をやらせたら、やはりがジョディは他の追随を許さないはまり役。 B・カンバーバッチとの火の出るようなやり取りと、彼の潔さもなんだかアメリカ的。 名優同士のぶつかり合いも必見の映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-01 15:51:42) |
2. 燃ゆる女の肖像
《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞。これほど男性が登場しない映画も珍しい。 肖像画で妻にするかどうか判断するという時代。 そもそも自由恋愛が許されない身分ということが、彼女たちの同性同士の恋愛が許されるのかという問題を薄めてしまっている印象。 結婚する相手を親に決められているんだから、自由な恋愛はそもそも無理だよね、で終わってしまった。いや、そういう描き方こそ監督が狙ったものなのかもしれないが。 主役の二人だけでなく、メイド役の女性も生き生きというか、生々しくて作品に花を添えていた。 まあこの時代の雰囲気を楽しむ映画なのかも。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-10-31 17:32:42) |
3. モンスターハンター
《ネタバレ》 ゲームは未経験。だからどうかなと思いながら観始めたんだけど、予想以上に楽しめた。 ミラ・ジョボビッチは相変わらずキレキレだし、世界観も悪くない。 戦国自衛隊とは違って、現代の武器が一切役に立たないってのがもどかしくていい感じ。 身体能力が高すぎるのはまあ目をつむるとして、巨大なモンスターを「狩る」のはワクワクして面白かった。 ロン・パールマンの船長?が英語うますぎるのはちょっと問題(笑) 気になったのはそれくらいで、東宝シネマズでよく見てた女の子が出てたのも嬉しい驚きで、意外な佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-22 07:50:53) |
4. モンタナの目撃者
《ネタバレ》 サバイバル教室のインストラクターって、殺し屋をも返り討ちにしてしまう恐るべき知識と経験と能力があるのだなと感服。しかも妊婦。 トラックの後ろでパラシュートを開くシーンは痛々しく、久しぶりに苦悩するアンジーを観た気がする。 目の前で子供たちが焼かれるのを見てしまえば、そりゃトラウマになるわな。 それを払拭するための設定がちょっと何度が高い気もするが、単に山火事から子供を救うだけでは、今どきの映画は成り立たないんだろうし、観ている側も 物足らなさを感じてしまうのかな。なんだかちょっと複雑。 でも、子役の演技は素晴らしかった。ほかのどの役者よりも堂に入った演技は見応えがあったし、アンジーを救うために殺し屋の前に姿を現すシーンにも心を動かされた。いや、見事。 事件が片付いた後も、妙に距離感が縮まらないのも抑えてて良い。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-09 10:25:46) |
5. 目撃者(2018)
《ネタバレ》 殺人を目撃するまでの緊迫感は、韓国映画らしい容赦の無い暴力描写で息が詰まった。 全く躊躇なく金槌を打ち下ろす犯人と被害者の女性との間に何があったのか。 復讐を恐れる主人公の心配もさることながら,私としては犯人の動機の方が気になった。 しかし、蓋を開けてみればシリアルキラー。動機ないじゃん。 目撃証言だけが頼りという筋立て上、仕方のない展開ではあるのだろうけど、土砂崩れで都合良く数々の遺体が姿を現すなど、演出としてはちょっと疑問符が付く。 何より、いくら他人に無関心な都心部だって、マンションの敷地内のど真ん中で金槌を振り上げたりはちょっと考えられない。それなら、もう少し振り切った殺人鬼に仕上げないと。 なんだか後半の失速が残念だけど、事件を解決に導く敏腕刑事がなんだかカッコよくて、そこに加点したい。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-09-28 20:29:17) |
6. モテキ
《ネタバレ》 いいなあ、森山。に尽きる映画。 登場する女優さんはみんな魅力的だが、長澤まさみの脚はほとんどCGのレベルで、逆に魅力が半減。 やっぱり久美子様の熱演に加点。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-01-05 19:16:46) |
7. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
《ネタバレ》 トム・ハンクスの出る映画、ということで敬遠して観ていなかったのを後悔するくらい、いい映画だった。 父の意図を越えたところで、鍵を巡ってオスカーは少しずつ壁を越えていく。 人からの慰めなんか自分は求めておらず、父の鍵に合う鍵穴だけを探していたオスカーだけど、実は母の愛や、たくさんのブラックさんの温かさに囲まれていた。 最期の瞬間まで、「いるんだろ?」ではなく、「いるのか?」と問い続けた父は、最後までオスカーを気遣ったんだろうなあ。 祖父や母と一緒に、これからも人生に立ち向かっていくであろうオスカーの未来に期待が持てる、本当にいい映画だった。 [DVD(字幕)] 9点(2018-07-31 23:04:47) |