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 > Yuki2Invy さん
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プロフィール
コメント数 1693
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  モリコーネ 映画が恋した音楽家 《ネタバレ》 
編年体的と言うか、モリコーネ氏の長大なキャリアを最初から最後まで辿ってゆく形式で、かつ(当然の如くに)語るべきコトが膨大なのでこのボリュームになっている様です。序盤、やや「事実の羅列」的である様にも(再び当然に)思われたとも言えますが、最後まで観ると個人的にはごく適切な語り口だったのではないか…とゆーか、諸々の困難に対して最後まで試行錯誤・挑戦をし続けた=型に嵌らずにアイデアを出し続けた、とゆーのが、氏の偉大さの本質ではないかと思うまでには至ったのですよね。映画音楽とゆーのも、高度に専門的な分野だけに監督に依っても音楽担当との関わり方・アプローチも様々だとは思われますが、この映画を観る限り、モリコーネ氏に関してはソコはある種全て実力で「捻じ伏せた」とゆーか有無を言わさなかった…というコトにも見えました。がそれ故に、氏の関わった映画に関して言えば間違い無く、その音楽的な部分のアイデアとゆーのは全て氏の手に因るモノなのだろうと⇒それはつまり、氏がどういう映画に対して如何なるアプローチ・バリエーションで挑んだのか、というコトそのモノが、映画を志す者にとっては須らく探求の対象となるべき貴重な「遺産」と言えるのではないか…と思わされた=実感させられましたとも言えますね。その意味で、真に稀有な映画人だったのではないかと思いますし、同時に、今作もまた非常に観る価値の高いドキュメンタリである…とも、やはり思われてしまいますよね。   ※余談:映画(+氏の音楽)というシーンもふんだんなのですが、これまた全てが「名シーン」にしか見えず、観たコト有る映画もまたみたくなるし、観たコト無いのも観たくなるし…で(非常に個人的な事情ですが)ワリと大変でしたよね。。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-09-24 00:25:29)
2.  もっと超越した所へ。 《ネタバレ》 
コ~レは中々……話の内容・登場人物個々のキャラクター・ブッ飛んだオチの付け方+ソコでのそもそもの演出の仕方、等々、ほぼほぼ全ての個々の要素に対して共感可能だって観客の「レンジ」が相当に狭そうな映画ではありますかね。とは言えですね、個人的には、どいつもこいつもこーいう男共って絶対どっかで見たコト有ったとも(まずは)思いましたし、ソレは女性陣についてもフツーにそーであるのですし、そーいう人達が結果的に最終的に(≒なし崩し的に)このオーラスみたいなコトを延々続けてるってのも間違い無く(現実世界ですらも)見たコト有ったって確信すらできるのですよね(⇒モチロン、このラストみたいな「抽象性」を取っ払った上での話として)。だから私としては、少なくとも理解自体が全く困難だ…な~んて映画ではなかったとは思うのですし、その「難しいトコロ」を脇に置いちゃえば、単純に映画・ドラマとしては、ソコにおいての個々の演技・演出・展開運び(=4つの話を絡ませた上での語り方・順番)みたいなトコロは、実はワリとかなり出来が好かったのではないかと思ったりもしたのですよ。私は全然、意外に結構楽しくスイスイと(笑い転げながら)観てゆけたって感覚が正直強いのですよね。  特に、千葉雄大さんの扱い諸々、みたいなトコロも考慮するなら、私にはやっぱ今作は「男と女の映画」とゆーよりは、唯々「女の映画」の方だったかな…とも思われるのです(⇒その意味では結果的には、最近ごく「流行り」の…というタイプの作品と言って好いかも知れませんかね)。で、実際にオムニバスではあるのですし、だからマルッと(そーいう)テーマ的なコトを託けてやってナニかを言ってやったぜ!みたいな気になってもまるでしょーがない作品だとは(また)思うのです、がソレでも一つダケ、私には今作って結局、どこまでも真っ直ぐに「ポジティブに」終わっていったな…とはモ~思われて已まないのですよね⇒ソレはモチロン(前述どおりに)今作が「女性の映画」として恐らく完膚無きまでの「勝利」を描いているモノだからだ、という意味で、です。更にその意味では、先ほど言った「この手の」作品の中では、個人的にはワリとかなり好きな方の作品ですらありました(私が実際に最近に観たヤツの中では特に)。興味のある方は是非。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-21 22:52:53)
3.  モリー先生との火曜日<TVM> 《ネタバレ》 
ジャック・レモンの遺作とのコトで、個人的には強力に『八月の鯨』なんかが思い起こされたとゆーか、人生というモノについて「何を語るか」ではなくて「誰が語るか=誰に語らせるか」という作品だと⇒だからココにレモン氏を起用したのは正にドンピシャだったと言えるのではないか、と(『八月の鯨』同様、演じたレモン氏も実際にまもなく人生の終わりを迎えていったのですし)。モリー先生が最後に語る内容のソレ自体はごくシンプルなモノだったとも思うのですが、だからこそ誰にとっても人生の道標となるであろう本質的なコトだったとも思うのですね⇒その意味で、また誰にとっても観る価値を有する…て映画なのかも知れません(ワリと若いうちに観ても好いかも、な~んて)。  ただし、映画としては一つダケ(少なくとも)私の好みにはそぐわない点が在って、コレはテレビ映画だから仕方が無いのかも知れませんが全体的にちょっとテンポが忙しないのですよね。語り手のジャーナリスト・ミッチ氏がそもそもメッチャ忙しい生活を送っている…トコロにふと訪れた物語なのだから(ある意味)やむを得ない部分はあるのでしょーが、その慌ただしいテンポを(ワリと)そのままにミッチ氏とモリー先生のシーンもブレーキが効き切らない感じでサクサク進んでゆくのが、内容に比しての所要時間という意味でかなり高度な違和感だと感じられてしまったのです⇒もっとゆっくり先生と話したかった、と。。とりあえず原作を読むコトにしつつ、いずれ再見すると思います(いったんはこの評価で)。
[DVD(字幕)] 6点(2023-09-04 23:04:05)
4.  MONOS 猿と呼ばれし者たち 《ネタバレ》 
既にソコら中で書かれてるコトではありますが、あの『アギーレ/神の怒り』をガキンチョ共でやったった!みたいな映画っすかね。観てるコッチすら気が狂いそうになるホドに恐ろしくジメッと暑苦しい情景…の一方で、どこか背筋は常に薄ら寒い様な極上なる不快指数の高さ…とゆーのがココには存在するのです。ただ確かに、ガキが主人公…だからこそ更に諸々と衝撃的!である一方で、でもゆーてガキ相手だから(実際には)描写のレベル自体はソコまででもないカモ…とちょっと「ヌルさ」に近いモノも感じ取れたりなんかして、個人的には少なくとも『アギーレ』より上ってコトは(たぶん)なかったかな、と思うのですよね。一点、映像は随所でけっこう綺麗&いろいろ工夫が効いてる感じも見て取れるので、人に依っては(『アギーレ』みたいに)かなり高度にハマるコトもあるカモ…と思ったりもするのですね⇒たぶん、人に依って評価がかなり割れる類の映画かな…というコトの方が、個人的にはより強めの印象として感じられて居るトコロです。
[DVD(字幕)] 5点(2023-07-31 00:06:39)
5.  桃太郎 海の神兵 《ネタバレ》 
言い尽くされているコトでしょーが正直観てビックリ!という作品なのは間違い無いと思いますね。それは、現在のアニメとの「流儀の違い」と同時に、で在りながらの(もはや普遍性とも言える様な)クオリティの高さ、にだと思います。ディズニーの『ファンタジア』も参考にしたとのコトで(日本での正式公開前なのですが、戦地で接収したフィルムを今作のスタッフは観るコトが出来た…とのコトで)まずは秒間24コマのフル・アニメーションでもありますし、また近年のアニメに比べても同じ画面中で動くモノが終始やたら多かったり、作画が面倒な画面の「奥⇔手前」の動きもまたふんだんだったり、一方で静止画のシーンやバンクはごく僅か…という(逆に小細工をまだ知らないが故の)正真正銘の真っ向勝負!が全編実にゴージャスに感じられました。  ただ、そのまた一方で、コレも全編で非常に工夫された凝った構図の数々やシンプルながら高品質なキャラデザイン、そして(コレも『ファンタジア』を模してのコトであるが故の)比較的ボリューム有るミュージカルシーンをはじめとして、シーンごとの「見せ場」とゆーのも結構多様だったと思いました。当初の製作意図はどーあれ、全編実に「心」の込められた作品だと思います(その戦意高揚の為の要素とゆーのも、個人的には予想よりもずっと控えめだった様に思います)。この作品が後世に残されたコトには、素直に感謝したいと思いますね。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-04-10 18:06:07)
6.  黙秘 《ネタバレ》 
重要なモチーフとして「日蝕」が物語に取り込まれているのですが、純粋にサスペンスとしては(実はコレは)不可欠な要素ではないのですね(⇒単に「街で祭りが行われていた」というコトでも事足りる)。しかし、作中で「その日」が孕む「意味合い」の観点からは、コレもまた実に適確な演出だったと思うのです。天地の運行・法則が乱れる、往古来今に於ける「特異点」。それはドロレスの人生の上にも間違い無く同じモノとして最後まで影を落とし続けたのですし、また物語の佳境となる実際のそのシーンも、映像表現としてもごくスペシャルで印象の強い優れたモノに仕上がっていました。本作、高度に良質なサスペンスであると同時に、登場人物が背負う「業」の深さからしてもまたごく重厚なドラマでもあり、且つは前述どおりそーいった諸要素を見事に束ねるひとつのアイデアが映画の映像表現の方面にも大きな効果を齎している…という極めて完成度の高いジャンル作品だと感じられました(⇒映像化された際の効果を事前に織り込んでいたとしか思えない点では、流石はキング…と言うべきなのでしょーかね)。個人的には、種々の側面で同類たる『シャイニング』の完成度にすら比肩する…とも思います。傑作かと。  J・J・リーって、若い頃はフツーに可愛かったんすね(意外)。しかし、キャシー・ベイツが多少手控えていたとは言え、この年齢で彼女と堂々と渡り合える…とゆーのはモ~流石!と言うしかないトコロであります。この2人に加えて、クリストファー・プラマーの(コレも意外なマデに)実にイヤらしい感じも地味に絶品でしたですね。演技面からも、個人的にはお腹一杯…という位に十二分に楽しむコトが出来ました。
[DVD(字幕)] 9点(2023-03-04 23:27:27)
7.  元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件 《ネタバレ》 
アッチコッチで木っ端微塵に叩かれまくってますが、私も確かにこの邦題はちょっと酷いかと思いますね。後で気が付きましたが製作総指揮にジャウマ・コレット=セラが入っている作品でして、全体としても例えば彼が監督した『ロスト・バケーション』なんかにかなり似た雰囲気とゆーか(⇒サメ映画ではありませんが)ごくマジメでシリアス一辺倒な(航空系)サバイバル・スリラーなのですよね(コメディ要素なんてほぼ無くて)。で、その手の作品としては尺自体もコンパクトでパッと盛り上がってサクッと終わる…てなヤツなので決して使い道が無いという訳ではないかと思います。発生するトラブルがごくシンプルで(サメ映画とかに比べれば)率直に多少地味なので、ソコまでスリリングでもないかな…という感じも覚えると言えばそーなのですが、であっても暇潰しには十分かと。
[DVD(字幕)] 5点(2022-07-18 22:05:16)
8.  モービウス 《ネタバレ》 
うーん…本家マーベルは少なくとも今般のヒーロー映画供給過多な状況は察していて、さほど一般的でない新ヒーローのイントロダクション作品なんかでは特に新規・ユニーク要素を前面に出してくる感じかと思うのですケド、SONYがやると何故に今更こーまでバカ正直・ド直球な感じになってもーてまうのでしょーかね?まあ、エンドロールを観たとて続編の企画の方が思いっ切り進んでる感じではあるので、むしろ一作目で(モービアス単独で)やりたいコト・できるコトが実はあんまし無かった…てなコトかも知れませんケドね。  ただまあ、主役・悪役のキャラだの、ダークヒーロー誕生の経緯だの、そして肝心なアクションの中身、等もろもろ単純に「見飽きている」というコトを脇に置けば、逆にシンプルでコンパクトでごく手堅いダーク系アクションだ、とも言えるかとは思うのですね。アクション等の映像他は決して悪くはないかとも思いましたよ(特に、吸血鬼風と一般人風を行ったり来たりする顔面のCG処理とか自然で好かったですよ)。うう~でも一点だけ、モービアス君はそのヒーローのアクション面の特性としても「高速移動・動きが俊敏」系のヤツで、コレってもうDCだったらフラッシュ、マーベルでもこないだ『エターナルズ』にそーいうコ居たよね…てな感じで超・見たコトあるヤツだったのがかなり興ざめだったすね(マジで、コレをまたやる必要あるか?的な)。ごくごく甘く付けてこの評点で。
[映画館(字幕)] 5点(2022-04-02 18:28:15)
9.  モデル連続殺人! 《ネタバレ》 
ごく初期のジャーロ作品かと思いますが、正直ジャーロってニガテ意識が在りまして…特に後期のアルジェント作品とかは中々高度に支離滅裂だったりで、ジャンル全体としてもあんましヨッシャ観よう!というモチベーションが湧いて来ないのですよね。ただ、その意味では今作は(ジャーロとしては)ワリと相当な良作に思えました。ちょっと認識変わったかも知れません(解り始めたマイ・レボリューション)。  まず何より、筋がごく分かり易いのですよ(ゆーて、登場人物は矢鱈と多くて結局誰が誰やら…な感は大いにありますケド)。オーラスの展開とかもまずまず良質なドンデン返しの二転三転で見応え在りますし、重ねてシナリオは間違いなく上出来な方だと思います。加えて、殺され役のおねーさん達は美人揃いだしセット(小道具)とかも美術品だらけでお洒落だし、そして思ったより高度に残虐なショックシーンにもこれまた色遣いその他の美的センスがムンムンで、ショッキングながらも何処か確実に美しい…という正にイタリアン・ホラーの醍醐味を大いに感じ取れました。もう一点、オープニングからの退廃的で気怠い音楽もかなり好みっすね。結論、クラシカルな作品なのは確かかとも思いますが、見ドコロというモノは色々と十分に擁している作品だと思います。興味のある方は是非。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-03-31 22:23:17)
10.  燃えよ剣(2020) 《ネタバレ》 
映画観た後に原作小説も買っちゃいましたが、コレもそれなりにボリューミーなので、やはり映画は相当に駆け足+取捨選択を隅々まで工夫した、というコトに感じられます。その意味では駆け足は確かに駆け足でしたかね~結構満遍なく個々のシーンが急ぎ気味、という感じで、余韻を感じてマッタリできる様なシーンはほぼ皆無だったのではないでしょーか。オーラスとかは、流石に少しは間を取れば好いのに…なんて思ったりもしましたね(あんなに超速でエンドロール流し始めるとは思いませんでしたよ)。  ただ、まずはそれ故に展開運びの密度はかなり高くて、長尺ですがほぼダレずにワクワク観切ることが出来たのも確かです。そしてもう一つ、予算は相当に潤沢なよーで、個々のシーンの諸々のクオリティは総じて十分以上に高くつくり込めていたと思います。ロケーションは京都に拘ったのかと思いましたが、中々和の趣の在るセンスの好い場所を使えていて率直に素晴らしかったですね。アクション(殺陣)もまずまずでしたかね。  岡田准一と柴咲コウも好かったと思います。その他キャストも豪華なので、まあお値段以下というコトもないかと。
[映画館(邦画)] 7点(2021-10-16 17:31:25)
11.  モータルコンバット(2021) 《ネタバレ》 
何も前提を入れずに気楽に観に行きましたが、思ったよりだいぶん楽しめましたよ。元ネタは残虐がウリの格闘ゲームとのことですが、この映画版でもその格闘は武器で斬ったり刺したりのオンパレードな血ミドロで(かなり痛そう)、かつトドメの所謂「フェイタリティ」は確実に18禁レベルのハードスプラッタ連発、という有様でした(実際はR15+ですケド)。が、何ちゅーかやっぱり少し「背徳的」とも言えるよーな優れた爽快感がありましたね。一点注文を付けるなら、もう少し敵に対する恨みつらみが募ったトコロでカマしてくれるとより一層爽やかだったかも知れません(まあ、話の内容・キャラ設定のつくり込みはかなり甘めな作品なので、ソコは如何ともし難くはあるのですケド)。  前述どおり、話の内容や世界観には大した中身・工夫も無くて、要は、敵味方色んなキャラがワンサカ出てきてそいつらがバトルロイヤルでひたすら闘うよ!というだけの話です。その一番肝心な登場キャラに関しては(ココは原作準拠なのだとは思うのですが)中々彩り・バランス好く集められていたのではないでしょーか。主人公はチョイ地味な気もしますが、女キャラは可愛かったですし、我々日本人なら何と言っても真田広之の絶大な存在感は非常に嬉しいトコロです。続編の製作自体はかなりの確度で期待できるのではないかと(出来がどーなるかは分かりませんケド)。
[映画館(字幕)] 7点(2021-06-24 21:05:52)
12.  もみの家 《ネタバレ》 
様々な事情から自立支援施設「もみの家」にたどり着いた人たちが、施設での共同生活や農作業、地域社会との交流を通してゆっくりと立ち直ってゆく…というストーリーは、舞台となる地方の農村部のスローライフな雰囲気も相まって、実に穏やかで心地好く描き出されている。そして、単純に人間ドラマとしても実に「手堅い」。その部分、穏やかさ・心地好さを最大に重視した展開運びは、含まれるトラブル描写も最小限で、ややもすると少しばかり手堅すぎる、と言えるかも知れない。ただ、程好くコンパクトでテンポも良好、そして要所では様々に、かつしっかりとハートフルさを醸しているので、色々ととにかく心地好く、そして温かく観てゆける、というのも間違いないだろう。シンプルなそーいうジャンルの映画として、鑑賞しての満足感というものはある程度以上に期待に沿うものになっているのではないか、と感じている。  主演の南沙良ちゃんは、よく見りゃ結構可愛いのだけど、冒頭からのコミュニケーションに難のある様子・自分に自信の無い様子のお芝居は(意外と)そこそこちゃんと出来ていたと思うし、後半にかけて自信や主体性を取り戻し、文字通り「自立」していく様子の人間的魅力や微笑ましさ(あと可愛さ)とゆーのも結構しっかり表現できていたと思う。その他演技面では、施設の運営者夫婦も包容力全開!という感じでとても好かったですね。特に緒形直人、ワタシこの人ホントに好きです。
[DVD(邦画)] 7点(2021-04-28 00:38:07)(良:1票)
13.  モンスターハンター 《ネタバレ》 
ゲームはやったことないっす。なので個人的には、話の内容・世界観なんかには何のこだわりもありません。あと今回、大枚はたいてIMAXレーザーの3Dで観ました。それが(大いに)功を奏したのか、意外なホドに結構楽しめましたよ(この世評の低さのワリに)。少なくとも映像単体としては相当に迫力あるものに仕上がっていたかと思いますですね。  ただまあ、話の内容自体は有って無いよーな、というか実は特に無い、とゆーのが率直に正しいですね。あくまでこの映画は、到底普通の人間が相手に出来そうもない巨大なモンスターにあの手この手で肉弾戦を挑む、というそのバトルを純粋に楽しむための作品であり、その意味では単なるバトル映像の寄せ集めだと言ってもよいのでしょう。元々のゲームというのも特にストーリー性が高いとかいうヤツでもないと思うので、然もありなんというトコロだとも思うのですケド(当たり前ですが、別にお話だって面白くつくってくれても何の問題もない、とは言え)。  しかし、特にこだわりはない、と言いつつも、原作ゲームというのはごく「明るく楽しく」という雰囲気だったと(勝手に)思ってます。が、監督が『バイオハザード』のノリで撮ってるとゆーことなのか、なんか妙に結構怖かったり気持ち悪かったりという側面が(特に序盤~中盤まで)かなり強く出ているようにも思います。そこは多分、ゲームとは感じが違うのだろうなあ(=こーいうの気になる人は気になるのだろうなあ)とか思ったりもしますね。何も考えずに楽しめてる私のよーな観客は、決して多数派ではないのだろう、とも。
[3D(字幕)] 7点(2021-04-02 21:58:52)
14.  燃ゆる女の肖像 《ネタバレ》 
流行りのLGBT系とも言えるでしょーが(めくるめく百合的ロマンチック)、個人的にそっちもまあまあ面白かったのですが、どっちかというと肖像画制作の純粋な芸術面の話が面白かったのですよ。というのも、主人公の画家マリアンヌ役のノエミ・メルランという女優さんが、何つーか凄いイケメンというか、否、見た目よりは内面、職人としての矜持に満ち溢れているというか、なんかもう迸ってたんですよね(彼女は、芸術家というよりは職人に近い方の絵描きかと思いました)。そこへ来て素人に表面的な仕事を喝破されて(図星)悔しさのあまり作品をブチ壊す、というシークエンスにはある面で非常に納得・共感できますし、演技にもキレがあって迫力抜群でしたし。  今作、全体的に非常に静かな作品で(台詞なんか全部囁く様なとでも言いましょうか)、その静謐で文学的な趣もとても心地好いのですケド、却ってそういう熱が籠るシーンの切れ味というものは逆に際立っている様でした。音楽も多分2か所くらいしか入らないのですが、その2か所、祭のシーンのソウルビートな歌&終盤のヴィヴァルディ『夏』のシーンは、全編を通してもかなり強い印象を残す優れた箇所だったと思います。緩急の付け方、ここぞというシーンのハイライトの仕方に巧みさが感じられましたね。  一方で、前述どおりその静かな雰囲気も正に絶品でした。あくまで歴史ものといった系統のごく実直な演出がされていましたが、これでもし演出をもう少し抽象的な方面に寄せていたら、その空気感は恐らくタルコフスキーにすら匹敵し得たのではないか、とさえ。結論、随所の演出に監督の力量というものが大いに感じられた傑作だったかと思います。監督の過去作をチェックしたくなりますね。
[映画館(字幕)] 8点(2020-12-29 00:06:53)
15.  モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦 《ネタバレ》 
基本的に関係者は(肝心のモンスターの演者も含めて)だいたいプロレスラー・プロレス関係者のよーで、要はコスプレプロレス、とゆーのが最も的確な表現だと思う。実際の格闘技のテレビ中継よろしく、出場選手の紹介(この場面で若干のホラー演出もみられるが、如何せんかなり適当だったり)→本チャンの試合という流れで5試合を進めていく。  しかも、サイクロプスが眼からビーム出したりスワンプガットが毒霧噴いたりもするが、基本的には試合はほぼ肉弾戦で、この意味でもホラーよりもプロレスの方に寄りまくっている。しかし、モンスターがそんなに高度なプロレス技を極め出したらそれこそ99%のプロレスになってしまうので、繰り出される技はボディプレス・エルボードロップ・四の字固め程度であとは単純な打撃技(これもガチではない感じ)。その意味では普通のプロレスよりも格闘技的には面白さは確実に劣る、というか。  要するに、ちょっと中途半端なのだよね。普通のプロレスでは絶対観られない激しい人体破壊だとか(関節へし折ったり腕が千切れたり目玉飛び出たりハラワタ引き摺りながらも闘い続ける、とか)が観れるワケでもないし、だったらそれこそ一流のプロレスラーで本気のプロレスを(コスプレして)やってやれば何か違う世界への扉が開かれる…という方面にも突き抜け切れてはいないし。そもそも、プロレスラーとしても大したことない連中でやってないですかコレ?とりあえずサイズが規格外なフランケンはともかく、残り全員束になってもゾンビのセコンドのケビン・ナッシュに指先ひとつで捻り潰されそーな気がするんですけど。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-10-19 19:23:19)
16.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
これは、地味にキッツイ映画ですね。。モディリアーニが非業の死を遂げるのは織り込み済な訳ですが、その予想された結末に更に人間の底知れぬ悪意を被せてくるという。ただ、それは生前のモディリアーニを決して認めることのなかった(そしてその死後は掌を反して賞賛している)我々「世間」というものに対する、ある種の批判的なメタファーである様にも一瞬ふと思われたり。  とは言え、描かれるモディリアーニ本人は最初から社会人としては完全に破綻しており、その面の彼には中々共感するという所までは至らない様にも思います。感情移入できるのはやはり、ジャンヌとの恋愛事象の方でしょう。男も女もとにかく見映えが史上最高クラスに美しいことを含め、どちらかというと付録にあたる恋愛映画としての見応えの方が意外にも優れていた印象を受けます(だからこそあの残忍なラストには、個人的には少しばかり期待を外した感と、物語全体に対する幾ばくかのアンマッチ感を覚えたのですが)。  ただ、美しすぎるのもそれはそれで、というか、特にジェラール・フィリップをただ美しく撮りすぎですかね。演技はまだともかく、終盤の彼には結核で死ぬ寸前の廃人、尾羽打ち枯らした人生の落伍者というものの雰囲気を、少なくとも見た目からは感じ取ることが出来ません。単純なメイクアップ技術の問題ではあるのでしょうが、そこが少しばかり残念にも思われます。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-22 16:14:40)
17.  モーリス 《ネタバレ》 
原作の小説が書かれたのは100年以上前。それを考えれば、この小説が先進的で本質を捉えた優れた著作だったことに疑いは無く、そしてまた、これを映画化する意義が製作当時でも全く失われていなかったのも間違いの無いところだろう。特に、登場するふたりの人物描写に見られる「相違」、モーリスに対してクライヴがより適応力が高いというか、自分の感情・本能と社会的自己との整合をより器用にこなせるという風に描かれる点には、原作者のこの事柄に対する的確で深い理解を伺わせる(クライヴが、LGBTとしていわゆるバイセクシャルに該当するような個人であったのか、それともこれは彼の恋愛当事者としての特性・個性だったのか、という点は定かである訳では無いとも言えるが)。  ただ、話の内容自体は、昨今のより高度なLGBT映画に比べればだいぶ普遍的、かつシンプルなものだと言える(それが良いのかも知れないが)。その意味で言うと(同様のテーマの作品が他にもあるという意味で)これを鑑賞することの社会的意義が製作当時よりはやや薄れたであろう現在では、実際に本作を観た人々の作品自体の評価もある程度変わってくる様にも思われる。  しかし、時代的で文芸的な雰囲気の素晴らしさに加え、この時代のこの事柄を描いたという史料的な意義からも、その部分での本作の価値は決して今後も損なわれることは無いだろう。むしろ、同性愛に対する偏見が少しずつでも薄れつつある現在の方が、本作の恋愛映画としての純粋な良さというものは、よりコレクトリーに感じ取ることが出来ると言えるのかも知れない。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-25 18:33:21)
18.  もののけ姫 《ネタバレ》 
確かな記憶、という意味では、私が映画館で観たことを覚えている最古の作品である(実は)。コロナ禍のジブリ・リバイバル上映を機会として、1作品だけコレ!と選んでこのたび映画館での再鑑賞に至った(最近、少しテーマの似てる『羅小黒戦記』を観て、ちょっとまた観たくなったというのもあるのだけど)。  改めて観てまず感じるのは、話の複雑さ、特に「自然の神々」に対する人間側勢力(エボシ)を取り巻く状況のそれである。ずっと「自然」対「人間」の二項対立の話だと思っていたのだが、実はこれは、人間が既に自然を凌駕してしまったあとの物語であった。エボシにとっての真の敵は人間であり、エボシが神を殺そうとするのは、そうしなければ真に勝ち抜くべき人間同士の争いに勝てない、と考えていたからである様に思える(帝に「シシ神の首」を献上することの政治的意味を含めて)。このことが、この話を単純な自然と人間、善と悪の二項対立から一段上に掬い上げていると同時に、人間もまた、強者が弱者(蹂躙される「自然」を含めた)を資源として利用しなければ誰しもが生きてゆけない「弱肉強食の理」から逃れることは、歴史上一度も実現出来ていないという意味の含蓄を作品に与えている様にも感じられる。  難解と言われる本作のラストだが、あくまで私には、この理に従って各々が争い生きることが生む絶望と、そこから脱却して生きていこうとする先に芽生える仄かな希望(のようなもの)を描いたものである様に思えた(それはまた、本作で唯一、真に自然を体現する「物言わぬ神」として描かれるシシ神の神性としての、途切れ無く流れる悠久の自然が備える「ホメオスタシス」の様なものであるか、とも感じたのだが)。
[映画館(邦画)] 9点(2020-06-27 21:19:52)
19.  モラン神父
キリスト教的な価値観を多分に含みながらも、十分に理知的で普遍性ある対話を通して、人間関係が変化・深化していく様を丁寧に描いており、かなり見応えが有る。古い映画で、非常にシンプルな(飾り気のない)演出をされているため、もし現代であればもう少し画的な美しさとか音楽とかで文芸的な趣を足せるのではないかと思ったり。十分にオススメできる良作だが。
[DVD(字幕)] 7点(2019-11-15 23:30:47)
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