1. 八つ墓村(1977)
市川昆のスタイリッシュな映像美のヨコミゾ物と異なり、土俗的側面を強調したかのような作りである。確かにこういうヨコミゾ映画も有りだろう。華やかではないが、重厚なドラマになっている。とくに後半、鍾乳洞が主な舞台になってからが充実していて一気に見せる。この映画はショーケン扮する若者の自分探しの物語でもあり、自らの存在の根拠であり、母胎である鍾乳洞にたどりつき、謎が明かされる。しかし怨念は歴史を貫いて働いていく。渥美清の金田一は出番が少なく、いまいち印象が薄い。なんとなくもっとも金田一らしくない金田一と言えそうだ。かつてこの映画の予告編を見たとき、渥美が画面に登場すると場内に爆笑が湧き起こったことを覚えている。他のサイトでも全く同様のことを書き込んでいる人がいたので、当時かなり広くあった現象なのだろうか(苦笑)? 8点(2003-09-27 12:52:11) |