1. 約束(1972)
《ネタバレ》 さいきん「美熟女」という言葉を知ったが、日本映画史上の最高の「美熟女」はこの映画のヒロインを演じた岸恵子だろう。――いや、彼女を「美熟女」なんて呼ぶのはやはり失礼だ。『約束』の岸恵子は日本映画史上の最高の「美淑女」である。 いつもそうだが、この映画が始まると私は即座にショーケンに変身する。 そして40年前の「特急しらゆき」に乗車するのだ。私と 美淑女 は、一緒に日本海沿いを北上し、南下する。 この小旅行には岸恵子 との接吻がついている。。。。。 接吻と言っても、ドサクサの際の接吻である。『約束』のヒロインは女囚だ。ちゃんと監視員がついている。 それから後の私は、岸恵子の手をこっそり握るだけしかできない。――しかし、この束縛が私たちのエロスを昇華させる。饒舌だった私は、だんだん無口になる。そして突然の、遣る瀬ない大団円。 私は、ホーッと溜息をつく。 それからDVDを取り出し、日曜日のコーヒーを啜る。 [DVD(邦画)] 10点(2016-01-11 17:26:31) |