1. 遊星からの物体X
良くも悪くもカーペンターの特色が所狭しと発揮されている作品ですね。原作自体のアイデアとコンセプトが素晴らしく、10万年前に異星人が地球に飛来しているというのは斬新かつリアリティーが有るように思う。 仲間内で疑いあい、常に疑心暗鬼になっていく描写はこの作品のミソであり、罵り合い・錯乱・殺し(カート・ラッセルが一人撃ち殺しましたね)と、自分を守るために行われる狂乱状態での人間の心理が非常に上手く表現されていると感心しました。 ただ、個人的にはグロテスクなシーンが必要以上にしつこいのが作品の品格を落としてしまっているように思える。あれでは知的生命体のイメージが崩れてしまわないだろうか・・・。顔から足が生えてクモのように変形するシーンなどは、特に必要ないように思えます。 7点(2004-07-09 18:01:48) |
2. 許されざる者(1992)
クリント・イーストウッドの西部劇を見るのは初めてなのですが、“はまり役”という言葉がピッタリで、西部の風景が本当に良く似合っていますね。年老いて、かつての輝きを失ったガンマンの哀愁を上手く演じていると感心しました。マニー、キッド、ローガンと主要キャラが3人いるのですが、それぞれに独特の個性と人生模様が有り、ただの活劇物とは一味違った濃厚な人間ドラマを見せてくれます。この人(クリント)は監督としても素晴らしい才能を持ち合わせていますね。 悪役にはジーン・ハックマンを起用。「クイック&デッド」と同じような役柄では有りますが、今回も重厚かつ嫌みたらしい保安官を熱演しています。この人の悪役ぶりには、見ていて本気で腹が立ってくるんですよね。上手い役者だと思います。 マニーが仲間の敵をうって子供達のもとへ帰っていくという、オーソドックス過ぎるぐらいの展開でラストを迎えますが、逆に“西部劇の王道”といった感じで非常に心地よい。 7点(2004-04-07 16:39:48) |
3. 誘惑のアフロディーテ
アパートのドアから顔を覗かせた時のミラ・ソルヴィーノには“ハッ”とさせられた。“キュート”という形容詞がピッタリと当てはまるように感じました。 ウディ・アレン独特の表現法(特にギリシャ神の踊り?)を用いた、味の濃いヒューマンコメディーです。 ミラ・ソルヴィーノだったら、「ロミーとミッシェルの場合」も面白いですよ。 5点(2004-03-22 17:10:31) |
4. ユニバーサル・ソルジャー
何回再放送すれば気が済むのだろうというほどテレビでやってますね。 死体を解剖して人造人間に改造、記憶を消して兵士として役立てるという設定はヴァンダムものにしては良い感じの滑り出し。しかし、またもやいつものパターンに突き進む。お約束のごとくマドンナが敵の人質になってしまう。最後はドラゴ(ロッキーに出てましたね)との直接対決。激戦となるが当然ヴァンダムの勝利で有終の美を飾った。 5点(2004-02-04 17:57:50) |
5. U・ボート
《ネタバレ》 密室での緊迫感や恐怖心がこちらにまで漂ってくるような演出が素晴らしい。乗組員の人物描写が上手いので、徐々に感情移入してきます。海底深くまで沈んでしまって動力が停止してしまったシーンなどは、映画と分かっていながらも真剣に何とか動いて欲しいと思ってしまいました。 全ての苦難を乗り越えて何とか生き残ったと思いきや、最後にアッサリと全員殺されてしまうのですがら、本当に衝撃のシーンでしたね。 「必死に勝ち取った生」と「いとも簡単に奪われる命」という対比は痛烈な反戦メセージとして記憶に焼き付きました。 7点(2004-01-11 09:38:25) |
6. U-571
「Uボート」という面白い映画が有るので、3ランクほど下がるこの模造映画は無理には見なくても良い。 3点(2003-12-03 16:17:22) |
7. 夢(1990)
「こんな夢を見た」っていうフレーズが大好きです。 夢の中というイメージが上手く表現されていて、本当に寝てしまいそうです(良い意味で)。映像に興味をそそるような美しさが有り、正に幻想的な世界観を出すことに成功している。印象深い1本です。 6点(2003-11-19 13:33:23) |
8. ユージュアル・サスペクツ
この作品以降、最後のオチに全てを賭けたような映画が続出し流行ました。そういった意味でも多大な影響を与えたと言える作品ですが、成功の要因はやはり脚本の上手さでしょう。物語のまとめ方と言うか、演出方法が見る側に分かりやすく配慮されている。この作品は謎解きの面白さが生命線ですが、「カイザー・ソゼ」という存在は最後までミステリアスで、その名前は今でも印象に残っています。 6点(2003-11-17 16:19:32) |