1. 湯道
《ネタバレ》 流石の小山薫堂さん脚本作品。大笑いすることもなく号泣することもないのですが、どこか心に染み入るものがありました。言ってみれば「これぞ邦画!」という感じでしょうか。(あくまでも個人的なイメージですが) 主演のお二人をはじめ、出演者の見事な脱ぎっぷり(男性です。女性は控え目。)と絶妙な隠し具合もおおらかで良いです。なんだか昔見たTVドラマ「時間ですよ」まで思い出してノスタルジックな気分にもなったりして。そう言えばあのドラマでは結構隠さず女湯を見せてましたっけ(遠い目) 天童よしみさんとクリス・ハートさんの女湯と男湯に分かれてのデュエットも良かったです。親子の設定に笑えました。 兎にも角にも製作者のお風呂愛を感じさせてくれる作品。ひとことで言えば「観たら風呂に入りたくなる映画」ですね。いや冗談じゃなくて、最終上映回で観たので深夜に帰宅。そのまま浴室に直行しました。そして、幼い頃さんざん通った銭湯にひさびさに行きたくなりました。 いろいろ癒していただけたので+1点の7点献上します。 [映画館(邦画)] 7点(2023-04-07 10:30:58) |
2. 郵便屋
《ネタバレ》 そもそもポルノグラフィーの定義とは何なのでしょう。「性的興奮を起こさせる映像」?だとすれば本作は紛れもないポルノ。監督さんからしてポルノ作品の巨匠と呼ばれている訳ですし。 生々しいセックスシーンは勿論のこと、台詞ひとつとっても将に隠微。しかも出演する女優さんたちは揃いも揃って美形でナイスバディ。惜しげもなく晒される裸体。大写しになる男女の陰部。(勿論モザイク加工)日本文化にどっぷり浸かって育った身にとっては、これがポルノじゃなきゃ何がポルノ?と言わずにはいられません。 ただ、我が国で呼ぶところの「ポルノ」と、かの国における「ポルノ」は似て非なるものなのでしょう。身に染み付いた感覚はそう簡単に変えられるものではないと思います。 そして、ポルノだからという理由で低評価すべきものでは決してないでしょう。 確かに、少なくとも我が国においては、無条件に万人に称賛される作品ではないでしょう。文化的背景の違いは非常に重いと思います。不健康、不道徳などなど、この作品に投じられる批判的な言葉は相当なものだと思われます。 でも、イタリアの人々の目にどう映っているのか?正直分かりません。そして、それを知ったからと言って評価が変わるものでもないでしょう。 エロティックな作品は決して嫌いではありません。寧ろ好むところです。とは言え、ここまでオープンに表現されてしまうと、一歩引いてしまいます。なので評価困難。中間点を献上します。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-19 21:20:47) |
3. ゆれる人魚
《ネタバレ》 可愛らしい主演の二人が、冒頭からいきなり惜しげもなく全裸(一部魚的に加工)を披露するのでビックリ。 でも、考えてみたら何といっても「人魚」なので、裸身そのものは決してエロティックなものではなく、しかもミュージカル的な演出が前半ではかなり強く、人魚が主演の異色の青春ラブストーリーかなと感じます。 しかし、中盤以降はホラー色が濃くなり、姉は人間に恋をし妹は人肉食の記憶を忘れられず苦しみます。 決して過激なホラーに走ることなく、シンプルに人魚の嘆きを描いた作品。感情移入して涙するということもないのですが、結末はある意味感動的なものでした。 独特な音楽性と台詞回しが醸し出す雰囲気で、作品全体が決して暗く陰惨なものではなくポップでサバサバとした印象に仕上げられていているところは好感が持てました。 舞台となっている1980年代のポーランドは、ソ連崩壊前の共産圏の社会。全体的に暗いトーンで纏められているのは、社会の閉塞感が表れているからなのかな? [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-27 00:40:57) |
4. 誘拐の掟
《ネタバレ》 すっかり沈着冷静な最強の男のイメージを身に着けたリーアム・ニーソンさん。今回も冒頭から無敵ぶりを発揮します。しかし、酒の魔力は彼の能力を知らず知らずに奪っていたのですね。結果、落ちぶれて無免許の私立探偵稼業で食い繋ぐことに。この辺りが、近年の無敵オヤジ像とは少し違ってきます。このキャラ設定が何ともニーソンさんに似合ってますね。魅力十分に物語は始まり、展開していきます。ただ、どうでしょうか?原作未読ですが、2時間弱の尺ではどうにも窮屈だったようで、良く言えばスピーディ、悪く言えば説明不足感が否めないような。テンポよく物語は進むのですが、ディテールを置いて来てしまった感があります。次第次第と盛り上がって行った末のクライマックス!という感じでもないので、エンディングでの主人公と犯人との対決シーンが、思いの外さらっと流れて行ってしまうような。もう少し尺が欲しかったような気がします。 とは言え、暗くジトっとした雨のニューヨークを舞台に繰り広げられる息詰まる攻防戦。リーアム・ニーソンファンならずとも惹き付けられる秀逸なサスペンス作品に7点献上します。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-11-17 00:42:22) |
5. U.M.A 2010 (TVM)
《ネタバレ》 どうにも感情移入できない主人公。顔の長さが気になる。恋人(本人は否定してるけど)も何だか嫌な感じだったけど、どうせ二人とも生き残るんだろと思ってたら、あっさり彼女は首ちょんぱ。 冒頭の展開の遅さがそのあたりから解消されて、少しスピードアップ。だけど、結局最初っから怪物はガーゴイルって判ってるわけだし、UMAでも何でもない。 全体を通じて恐怖感が伝わらないのと、クリーチャーの質感の悪さが決定的。こりゃいけません。 [DVD(字幕)] 3点(2010-07-24 16:42:40) |
6. 夕凪の街 桜の国
地元の市が主催する平和映画会で観ました。原作は未読。先入観なしで観れたのが良かったかも。 衝撃的でした。特に前半部分。台詞のひとつひとつが素晴らしく、キャスティングも演出も見事。このような視点の反戦映画(?)は初めて観た様な気がします。後半との温度差を感じたので少し減点しますが、大抵観て後悔してしまう邦画作品の中では秀逸でした。 [映画館(邦画)] 9点(2008-08-08 00:41:28) |
7. ユニコーン・キラーを追え(前・後編)<TVM>
ナオミ・ワッツ出演作だから観てしまった1本。実話だからこその恐さは伝わるけれど、何となく終わってしまって何も残らないという、テレビのワイド劇場的な印象です。あ、実際もともとはTVドラマですね。(もちろんTVドラマにも優れた作品は多々ありますけれど…) 時代背景を考えれば、ヒロインの行動も理解できなくはないけれど、何だかそもそもなんでカリスマ性を感じてしまったんだろう?その辺がイマイチ描ききれていないような?それ故、感情移入は難しい…。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-28 06:27:24) |
8. ユートピア(2003)
アイディア的にはそれ程の斬新さは感じられませんが、スピーディでいて淡々と語られる演出は好感が持てます。カメラアングルやBGMの使い方も、スタイリッシュで結構好きです。ストーリーやら設定に少なからずツッコミどころはあるものの、近年のスペイン映画には、この手の秀作が多いですね。超能力モノなので好き嫌いは分かれるところでしょうが、私は好きだなぁ~。 [DVD(字幕)] 8点(2005-07-10 01:44:37) |
9. 誘拐犯(2000)
ストーリー的には結構ひねりがあるのに、何だかひねらなくてもいいものを無理やりひねっているような… もう少しシンプルなストーリーでも、十分に見応えのある作品に仕上がってのではないでしょうか?その辺りが残念な作品。主役二人のカッコ良さが、ストレートに出て来ない。もったいない。観終わって大いに消化不良ですね。 [地上波(吹替)] 5点(2005-04-09 15:01:07) |