1. 許された子どもたち
《ネタバレ》 少年リンチ殺人事件についてもっとセンセーショナルな作品かと思いましたが、そうではありませんでした。テーマは、罰から逃れ、罪を償うことをせずに生きること、とみました。あいや、我々、人殺しなんてことはしませんが、後ろめたい過去が1つや2つじゃありません。本作のテーマは普遍的なことなのだと思います。だから、終盤近くまでかなり引きつけられて鑑賞していました。被害者の母親から「あなたは、何を謝りたいの。」実は、謝ることも身勝手。救いはない。もう逃げ続けるしかないというエンディング。生き続ける以上、逃げ続けるしかないということなのか。…、ああ、なんかよく分からなくなってしまいました。 [映画館(邦画)] 6点(2020-09-05 12:31:06) |
2. YUKIGUNI
《ネタバレ》 思ってたんと違うという印象です。小林薫のナレーションによる、カクテルにまつわる大人のおしゃれ噺だと予想してたのですが、日本海側の演歌的なお話でした。こたつに入ってるみたいな塩梅の良さです。【追記】鑑賞後、「雪国」を呑みに行きました。昭和な味わいでした。いろいろと裏切ってくれる。 [映画館(邦画)] 6点(2019-03-06 21:27:08) |
3. 湯を沸かすほどの熱い愛
《ネタバレ》 余命を知ったとき我が子に何を残してやれるのか、という映画なんだと思ってみてました。だから、1時間30分頃にもう一人の(我が子の)大事な味方のために彼女が準備したことには、胸をつかれました。ここで暗転して葬儀のシーンに進んでもよかったような気もしますが、きっちり口当たりの良くないくだり(緩和ケアセンターパート)も盛り込んだことは、監督は逃げなかったんだというふうに評価したい。オチはいかにも、「チチを撮りに」の中野監督。安澄の「ひとりにはしない」という病室での決意はこれだったのね。 [DVD(邦画)] 7点(2017-06-10 15:34:33) |
4. ユーズド・カー
あー、懐かしいなあ。この善悪不明で破天荒な懐かしさは、湯原昌幸、小野ヤスシ、夏木ゆたか、そしてせんだみつおという、あのヤングが脳天気に暮らせていたころの懐かしさですね。ロバート・ゼメキスとスピルバーグの初期作品を見るというより、昭和50年代の日本のテレビバラエティ界におけるアメリカ的なモノを見るという心構えで鑑賞したらいいんじゃないでしょうか(そんな心構えはできない)。 [DVD(字幕)] 4点(2016-06-06 16:24:35)(笑:1票) |
5. 油断大敵(2003)
制作年よりも時代がついた感じの懐かしい物語。映画鑑賞にくたびれた人にはおすすめしたい良作。役所広司さんの声は不思議だ。つぶやくような小さい声だけど必ず耳に入ってきます。柄本明さんが相変わらず色っぽい。ショーロ・クラブ。「Colors(本作BGM入り)」、買っちゃいましたよ。 [DVD(邦画)] 8点(2013-11-23 16:31:19) |
6. ゆれる
《ネタバレ》 あのとき、衝動的ではあったが殺意を持って突き倒していたのだと思う。そう思わないと、オダギリの豹変と最後の笑顔が咀嚼できないんだ。しかし、観客はもちろん、作中人物や制作者すらもそうではなかったような気にさせるほど、あまりにも香川照之の演技がすさまじかった。そして奇跡のように本作が生まれたんだと思う。香川照之の傑作。【追記】でも、ナイツの塙にそっくり。 [DVD(邦画)] 10点(2013-05-04 09:51:36) |
7. 夢売るふたり
《ネタバレ》 たぶん本物もこんな手口なんだろうし、こんな性格のヤツなんだろうと思わせる阿部サダヲの結婚詐欺師っぷり、描きっぷりがすごい。最初の玲子との関係の意趣返しで始めた犯罪行為なんだろうけど、それは里子が貫也のことが好きだから、なんて甘いことを考えているワタシは、所詮オトコです。 [DVD(邦画)] 9点(2013-04-29 20:13:19) |
8. U・ボート ディレクターズ・カット版
《ネタバレ》 例えば、機関室。むきだしのクランクシャフトのようなものがずらりと並んで、時々火花を放ちながら、一生懸命潜水艦を動かしているところ。計器類が全部アナログなところ。スパナ、針金、材木などで修理できるところ。そういう昔の「機械」的な潜水艦はかっこよかったです。また、ドイツの軍隊というと、無機質な感じの描かれ方をされることが多いなか、本作では、統率とれつつも人間くさい感じ。そこもよかったです。しかし、あのラストシーン。まるで、Uボートを沈めて、体よく映画を終わらせるためにのものにしか見えません。帰港後、生まれたばかりの赤ん坊に会いに行く、恋人の元に帰るなど、それぞれの時間を過ごす。その後、しばらくして、あんな目に遭いつつもまた性懲りもなくUボートに乗り込むもの、あるいはそれを見送るもの。また次の航海が始まる…。といった感じでもよかったのではないかと思います。つかの間の休息が、戦争の無情さを際だたせるかと思いますので。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-20 07:40:36) |
9. ユナイテッド93
《ネタバレ》 ……。実は、911テロ時に、唯一目的地への特攻を回避し、「不時着」を成し得た旅客機の話だと思ってみていたアンポンタンです。なので、ラストでは「シン…」としてしまいました。そして、取材で知り得た事実だけを積み上げてできた、セミドキュメンタリーと評価しようとしたところ、しかし。他のサイトで見た911に関する黒歴史を見てしまい、なんだかわからなくなりました。わからないが、ただひたすらに残念なワタシのまま、5点献上。 [DVD(字幕)] 5点(2011-06-19 19:49:12) |
10. ユージュアル・サスペクツ
邦画「常連の容疑者」のキャスト。キートンは、田村正和氏、マグナマスはイチロー氏、フェンスターは宮迫博之氏、ホックニーは大地康雄氏、そして問題のロジャー・"ヴァーヴァル"・キントは、小日向文世氏でいかがでしょうか?あと大やけどの患者は、竹中直人氏。そして、監督・脚本は内田けんじ氏にお願いしたい。なんかコメディになりそうですけど。 [DVD(字幕)] 8点(2010-07-18 00:42:41) |
11. ユメ十夜
《ネタバレ》 原作について、覚えのある方だけしか見てはいけないんでしょう。「あの原作を、このように解釈し、アレンジするのね」という楽しみがないと、ちょっと付いていけません。ワタシのように、単に漱石シバリのショートフィルムを期待して見てはいけません。ただ一つよかったのは、「こんな夢を見た」のが、実は「彼」だった、という松尾スズキ氏の作品でした。 [DVD(邦画)] 3点(2010-06-13 08:21:28) |
12. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 画が綺麗なのは、その通り。音楽もよかった。ブランクある賞金稼ぎによるカウボーイへの襲撃のシーンまでは面白かった。リアルな西部劇を見せて頂いているような感じ。しかし、酒を飲んでからの豹変。とりわけ、エピローグの商売屋の成功話。なんだ、それ、と言わせてもらおう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-19 22:18:34) |
13. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 古びない映画があることを、このサイトでずいぶん教えてもらいましたが、この作品は、クリーチャーの造型が珍しかった1982年なら通用したものだと思いました。作品半ばで、「打つ手が何もない 待つ以外」(byカール・ラッセル)状況になった以上は、むしろ被害拡大を食い止めるために、敵であるかも知れない仲間と(疑心暗鬼と闘いつつ)協力しながら、現場の状況を外部に伝えるストーリーにしたらどうだったかなあ、とか思いましたが、やっぱムリっすか。 [ビデオ(字幕)] 2点(2009-09-20 00:52:35) |
14. 誘拐報道
《ネタバレ》 若い頃の萩原健一が見たくて再見です。誘拐中に、実家の年老いた母親に魚むしってもらったり、家に帰って娘を風呂に入れたり。昔だまされた奴に金借りにいったり。なるほど、この男なら、こんなしょうもない「孤独な犯罪者」になるだろうと納得できます。 しかしなあ。ホントは、誘拐事件を巡る「警察と報道」のギリギリした攻防が本筋に進んでいく話だったんじゃないですかね。ショーケンの存在感で、そっちの筋のエピソードをだいぶ切り捨てちゃったみたい。最後のヘリのくだりなんて、ほんとタイトルのために、申し訳でつけたみたいな感じなんだもん。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2008-04-05 07:14:31) |