1. 許されざる者(2013)
《ネタバレ》 原作があまりにも有名すぎ、素晴らしい映画なのでこの映画の駄目なところばかりが目立ってしまう。根本的なことだが、銃と刀が混在する滑稽さはいかんともしがたい。設定に無理がありすぎる上、やはり原作の持っていた西部劇という文脈が台無しになっている。また、全員が饒舌すぎて、自らの心情や経歴などをぺらぺら話し、しらけてしまう。分かりやすくしようとしているのだろうが、安易である。また明らかに女郎がでしゃばりすぎている。原作から改変した点だろうが、最終的に焦点がボケてしまっている。似たような傷を渡辺謙に付けたのは上手いが、それだけでは説得力に欠ける。そして最大の問題は、かなり忠実に原作のストーリーをなぞっているため、一つ一つのシーンでどうしても比較してしまうということ。結果としてイーストウッドのどのショットにも勝るところがなく、ただただイーストウッドの作品の素晴らしさだけが残り、この映画の欠点が目に付いてしまう。このリメイクを選び、この題名を選んだ以上それは承知だったはずだが…。これを観て面白かったと言う人はイーストウッドの原作を何度も何度も観る必要がある。 [映画館(邦画)] 4点(2013-09-14 19:15:31) |
2. EUREKA ユリイカ
セピア色の映像しか見ることのできない私たちもまた、有効な言葉を持つことができない兄妹と同じ立場におかれている。よくいわれるように暴力を容認するような映画では決してなく、むしろその対極だろう。暴力が生み出す悲惨さを抱えて、そこから立ち直る映画である。それを肯定も否定もする必要はなく、それらは無意味でさえある。この映画を物語る者は居ない。ただ経験がそこにあるだけである。 彼らが何かを発見したのか、それとも私たちが彼らを発見したのか。私は後者だと信ずる。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-14 00:04:32) |
3. 許されざる者(1992)
傑作。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-17 19:48:06) |
4. ユナイテッド93
この映画は9月11日に亡くなったすべての方にささげられている。当然犯人側も含まれる。情報操作とかプロパガンダと言われるが、犯人側の葛藤も見え、そこまでプロパガンダの色は濃いように思われない。そもそもこれは映画であってドキュメンタリーではない。その前提すら忘れられているのだろうか。プロパガンダであろうが捏造であろうが、それが映画としての評価を下げる要因にはならない。事実に基づいたストーリーに捏造も何もない。ちなみに乗客はコックピットまで辿り着けなかった、という調査結果が出ているらしい。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-21 22:00:02) |
5. ゆきゆきて、神軍
これを反戦映画と言って良いものか。何を題材にしたドキュメンタリーなのか。それは戦争でも何でもなく、奥崎謙三という人物そのものを題材にしたドキュメンタリーだろう。彼のしていることは戦争を根絶するための戦争とでも言うべきものであり、全く賛同することは出来ないが、カリスマ性というか人物そのもののいかんともしがたい魅力は有ると言わざるを得ない。確かにエクストリームなものは魅力的だが、それは所詮思想でしか有り得ないということもこの作品で同時に分かることなのである。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-24 18:01:42)(良:1票) |
6. 遊星からの物体X
自分の知ってるホラーのなかで一番怖くてドキドキしました。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-16 10:11:17) |
7. ゆれる
役者、脚本、撮り方、どれも私の好みでした。いろいろと含みを持たせて解釈の幅が広いのも好きです。それだけに最後のオダジョーの独白は要らなかった。 父と叔父の間にも同じような確執が見えたり、魚の目とか、細かい演出も良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-21 00:42:42) |
8. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 ラストのどんでん返しということで、途中で分かったものの、伏線があまりにも少なすぎる……気がする。単に私が見落としているだけかも知れないけど、「脚の感覚がない」というところくらいじゃないかな。 とりあえず最後まで飽きずに観れたので良かったです。ちょっとこんがらがる部分もあったけど、結局ほとんど作り話ということなんですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 16:29:38) |