1. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 面白い。面白いけど、何か釈然としないものがある。結局のところ、「回想はほとんど嘘でした♪」ということなら、んじゃ今までの時間は何だったんだよ!とどうしても思ってしまう・・・。また、それがまかり通るなら「実は夢でした」「実は妄想でした」等、そもそも作品を作る上でやりたい放題になってしまう感じがして、どうもズルいというか、納得できない感があります。 ただそれでも、この練られた構成とケヴィン・スペイシーの演技は見事。1周目は怒涛の展開に若干ついていけない箇所もありましたが、それを踏まえて見ると「どれが真実でどれが嘘か」を考えながら見ること自体が面白く、本作の大きな魅力となっていると思います。ラストシーンでキントが平然と歩き、表情を引き締めて車に乗り込むところには、ゾクリとさせられました。・・・それにしてもキントさん、頭良すぎです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-13 23:43:09) |
2. 勇気ある追跡
《ネタバレ》 う~むなんというジョン・ウェインの濃さ。主演男優賞受賞というのも納得ですな。しかしストーリー的には単調な感が否めず。女の子が主人公で大人たちと一緒に復讐の旅に出る、というアイデアは良かったのですが、要所要所でのイベント的なものはあるもののそれ以外の部分が平和にいきすぎな気がします。ウェイン達がマティを連れて行きたくない理由は「君が想像してるほど楽な道のりじゃないぞ」ということなんだから、もっと道中苦労する描写が欲しかった。敵とぶつかるとかそういうことじゃなくロクな食糧がないとか体力的に限界がくるとか。 あとそもそもマティに全然好感を持てなかったのが致命的。気持ちはわかりますが、事あるごとに「言うこときかないと訴えるぞ!弁護士呼ぶぞ!」とか完全にクレーマーの発想の仕方ですやん・・・。「ちょっと生意気な子ども」を通り越しすぎちゃってますね・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-16 23:29:58) |
3. 夕陽に向って走れ
《ネタバレ》 いや凄い。何だこれ。傑作だと思います。ストーリーは正当防衛による殺人→逃避行というシンプルなものであり作風も渋めですが、この映画の素晴らしさは各登場人物の深い心情描写と、監督の主張したいテーマを統一感を持たせつつ作品に溶け込むように入れ込んだという2点にあるでしょう。 ①監督のポロンスキーは赤狩りによって21年間ハリウッドを追放されていたとのこと。その監督の思いというか主張はまさに本作の主人公ウイリーに表されていると思います。自分は愛する人と一緒にいたかっただけなのに、インディアンというだけで差別視され、正当防衛および事故にも関わらず殺人犯という汚名を着せられ、逃げざるを得なくなってしまう。逃げたとしても「愛する人と一緒にいたい」という目的を達しようとすれば助かる見込みはほぼゼロ。つまり「どうすることもできず、待っているのは絶望」という描写。本作で描かれるウイリーの怒りと悲しみ、絶望はまさに監督のそれを表しているのでは。 ②ウイリー・ローラ・クーパー・女医さん(名前忘れた)の心情描写が見事。ウイリーとローラの「一緒にいたいが一緒に逃げることによって互いに相手に不利益を与えてしまう」というジレンマ。女医さんの地位も名誉もあるが満たされず、結局欲しいのは「愛している」という一言、というあのシーン。保安官という立場上ウイリーを追わざるを得ないクーパーの苦悩。どれをとっても一級品だと思います。ローラが死んだところは・・・う~~~ん難しい。またいずれ、必ず見直します。 [DVD(字幕)] 8点(2014-01-29 01:23:58) |
4. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 面白い!!各所で評価が高いのも納得の面白さでした。マカロニですが、西部劇を観たことがない友人に紹介するとすれば現段階ではこれを挙げます。深みがあるとか渋いとかいうのではなく、純粋にエンターテインメントとして面白かったです。 西部劇といえば復讐を主軸としたものが多いですが、この映画ではあくまで「賞金稼ぎ」であり、「実は復讐を含んでました」という描き方が良い。復讐のためというのも途中で匂わせますが、その匂いの濃度とタイミングが絶妙で、露骨すぎない点が良かったです。 また、主人公サイドをメインで描くのではなく、標的サイドを随所で描くのも良かった。インディオの発想の仕方、仲間との確執など。情報がなければ、「いやさっさと撃てよw」となってしまうところです。 インディオの「銃の腕は奴が上だ」が最後の伏線になっているところとか、細かいところに配慮が効いているのも好みです。 個人的に好きなのは、「じゃあこの距離は撃てるか?」という台詞が聞こえてきそうな帽子のシーンと、何といってもBGMです。口笛のあのテーマは、同じく口笛が美しい某ゲームの名曲を彷彿とさせます。 [DVD(字幕)] 10点(2013-12-21 05:25:24)(良:2票) |
5. 夕陽のギャングたち
《ネタバレ》 いやー面白い。面白いです。ただ、この映画が言いたかったことや細かい表現の意味などきっちり理解できてはいない気がする。最後の回想はそれまでの流れ的に「裏切り」の描写?で、「信じられるのは爆弾のみ」の発言の通り、最後は自分の爆弾で死亡?うーむ2周目を観る必要がありそうです。ションショーン…ションショーン…(BGM) 【良かった点】 ①製作費がバカ高というだけに、スケールが凄い。まさか橋爆破すんの?とは思ったけど、ホントに爆破するとは・・・しかもそれだけじゃ終わらず列車を正面からぶつけて吹っ飛ばすとは・・・②ロッド・スタイガー(フアン)の演技が素晴らしい。冒頭の列車での豹変っぷりは「うおっ」てなった。あと所々ショボーンみたいな悲しげな表情をするのが個人的にツボ③小勢力vs大勢力という構図。今となってはありがちですが、好みです④2時間30分の映画なのに、良い感じに状況や雰囲気が切り替わり、音楽も相まって、飽きなかった 【良くなかった点】 ①タイトル。一体どこがギャングだったのか・・・②最初の方の「銀行」のテロップ。一瞬何が起こったのかと思った③回想シーンの空気がほわ~んとしすぎでは。最後の回想シーンの男二人の女の子走りはちょっと・・・④相手のお偉いさんがご都合的に登場したところ⑤撃たれてからなかなか死なないジョン [DVD(字幕)] 8点(2013-12-19 01:13:16) |
6. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 いかにも1992年に撮られた映画、という感じ。いわゆる「西部劇」を期待して観てはいけません。 西部劇お馴染みの銃・馬・カウボーイ・駅馬車・保安官・名ガンマン・復讐・酒場…等は登場しますが、その中身というか主張内容は全く違うものとなっています。それらの道具を使って現代の価値観に合わせて作った、という感じ。黒人差別を全く描かず、触れもしない点、銃を構えてからぐだぐだ喋る点、教育的?というかメッセージ性が強い点などがやはり違和感がありました。 この映画の設定が「もし2013年が西部開拓時代だったら」とかいうものなら「現代の価値観だとこうなる」というのが通りますので、良い作品だったと思います。 また、馬や銃の扱い方ももうちょっと練習してくれよ・・・とも思いました。 スタッフやキャスト的な面では、まさにイーストウッドだな~という感じ。映画終盤までは地味~に立ちまわっておいて、最後にドカンとかっこいいシーンをもってくる、みたいな。パーフェクト・ワールドとかグラン・トリノに通じるものがありますね。 [DVD(字幕)] 5点(2013-12-14 23:38:17) |