1. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 やはりこの作品は、怖い、気持ち悪い、面白い、と三拍子揃って(笑)ホラー映画のお手本のような映画だ。特徴的なのはエイリアンの気持ち悪さも相当だが、それと同じくらい人間の怖さを描いているところだろう。このエイリアンは感染(?)するとその対象と同じ格好に化けるため、外見上は誰がエイリアンなのか分からないという状況が皆を疑心暗鬼にさせ、それが元に仲間割れが起こっていくところなど、まさに人怖(人間が一番怖い)ということがよく描かれている。南極基地という閉鎖された環境での長期任務は相当過酷であり、調査員たちは一見何食わぬ顔で日々の生活を送っているようだが、実は相当ストレスがあり(元々は体を温めるために飲んでいた酒も、そのうちアル中みたいになっていく)エイリアンの襲撃は限界を迎えていた彼らの精神状態を破綻させるきっかけに過ぎなかったという見方もできるのが面白い。基本的にシリアスなタッチだが人々のリアクションなどに僅かながらこの監督ならではのクスッと笑わせる妙なコミカルさがあるのも良い。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-19 12:06:11) |