1. 八日目の蝉
《ネタバレ》 とてもよかったです。原作未読なので、原作に比べての評価はできません。テレビドラマを見たとき、ドロドロしすぎてるし、登場人物がみんな自分勝手なのが不快で、1回目でギブアップしました。この映画も、最初は「登場人物がみんな自分が不幸だと思っていて、その不幸が誰か他人のせいだと信じ込んでいて、過去を乗り越えれば幸せになれるのに、いつまでも誰かを恨み続けて自分をもっと不幸にしている」ので、不快感を感じていました。でも、ドラマでは野々宮希和子の怨念みたいなものをドロドロと描いていたのに対し、この映画では永作博美がドロドロを内に秘めながらも、清純で一生懸命生きている印象を与え、いつの間にか、希和子と薫の幸せがずっと続くよう、観衆を引き込んでいきます。私は息子とこんなに深い愛情で結ばれているだろうかと自分が恥ずかしくなるくらいでした。井上真央の演技もよかったですね。恵理菜の両親は死ぬまで過去を呪いながら生きていくかもしれませんが、恵理菜は過去をいい思い出に置き換えて、新しい一歩を踏み出せたところで終わっていたのがよかったです。現在の希和子が最後まで出て来なかったのが意外でした。千草は小池栄子だと存在感ありすぎなので、もっと貧相な感じが出せる小柄な女優にやってほしかったです。テレビ放送はオリジナルより短かったので、どこがカットされていたのかなと思いました。 [地上波(邦画)] 8点(2012-06-24 00:20:59)(良:2票) |