1. 夜空の大空港<TVM>
《ネタバレ》 ■ある高度まで降下すると爆発する仕組みの爆弾が旅客機に仕掛けられた、と聞くととてつもなく面白いのではないかと思ったのだが、しかし。■トンプソン捜査官は、翻弄されるばかりで、集めた情報から結局、犯人を絞りきれない。犯人は、よりによって犯行の最中なのに酔っ払ってしまい、飲み屋の大将に大事な秘密をバラしてしまい、あげく○○してしまう。爆弾発見が大オチなんだろうけど、仕事用のカバンの重さって体に染みついてますよねえ。しかも、爆弾の形状がポイントにもなってたかと思いきや、あんなに爆弾然としているブツなら、機長もそこは気づいてよ。■ある種のエポックだとは思うが、グダグダなんだよ。□酔っ払ったとはいえ、犯人の醸し出している焦燥感は好きでした。 [DVD(字幕)] 3点(2023-12-17 19:23:37) |
2. 夜明けまでバス停で
《ネタバレ》 バス停で女性のホームレスが殺害されるという実際に起きた事件を元にした「based on a true story」な映画だと思ってました。雇用されるつもりだった介護施設とのいきさつなど「なるほど、ありえる」と。事実を調査してそれに基づいてるんだなと思ってた前半は、負の連鎖で観るのがおっくうな気持ちになってました。なので終幕に心底ホッとしています。人が死ななくてよかった。映画の中で殺人なんて山ほど観ましたけど。つまり、ああワタシ、この映画にけっこう入れ込んで観ていたんだなと。■「あの人のやってることはめちゃくちゃだけど、今自分がこうなったのは全部自分のせいだと思います」と主人公に言わせた、(おそらくいわゆるリベラルな)監督の真意をもう少し考えたい。【追記】文春オンラインで実際の事件のアウトラインを見ました。やりきれない。本作のラストにホッとしたのは、彼が殺人者にならずにすんだからかもしれない。 [DVD(邦画)] 7点(2023-09-08 06:37:25) |
3. 妖怪の孫
《ネタバレ》 その後の総理大臣であるところの菅氏、岸田氏と比べると、アベ氏の方がやはり役者が上だと思えてくるからシャクだ。つまらない人間だとは思うが、心を悪魔に売り渡せば、どんな口先三寸もでてくるものなのかも知れない。そして、そんな姿こそむしろ悪魔的。理想なんてあるようでないくせして、日本の本当に大事な部分をあっという間に破壊した一味の中心人物。見ていると、どんどん気持ちが小さくなっていく。怒りよりあきらめのほうが大きいのだ。最期に監督が登場するのは、編集すればするほど無力感にさいなまれるのがたまらなかったからではないか。おそらく本作のエピソードになるネタは、まだいくらでもあるのだ。■今、一番見たいドキュメンタリーは、本作冒頭にも出ていたそれでもアベ政治を支援する人たちの暮らし。Yahoo映画のサイトで、本作を☆1評価して一行コメントを残していく人たち。彼らは、今の社会を自分の子らや職場の後輩にどんなふうに語っているのだろう。どんな本棚を持っていて、何を食べて暮らしているのか。切実に見てみたい。 [映画館(邦画)] 6点(2023-05-26 15:33:14) |
4. 用心棒
《ネタバレ》 「おめえはな、本当の悪じゃねえ。悪に見せるのが好きなだけらしいな」。結局、かけた情けが隙(スキ)になって、反撃を食らってしまうわけです。三十郎は、とことんそういうところのないやつでよかったんじゃないでしょうか。ただ単に無責任な面白がり。そんなロクでなしがやってきて、ロクでもない街を焼け野原にして去っていく。しかし、なぜかそこには秩序がもたらされている。ラストシーン。番太に「クビでもくくりな」っていうシーンがすき。一番ロクでもないのは、この番太だもんね。 [DVD(邦画)] 6点(2019-07-28 21:44:07) |
5. ヨコハマメリー
《ネタバレ》 老いてなお、ソウルフルな演奏をやり遂げる最後のお座敷芸者・五木田京子と老人ホームでの落ち着いた表情の裏に、「早くもう一度、また横浜に帰りたい」ヨコハマメリー・西岡セツコ。誇り高い女性たちがいた。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-25 15:11:50) |
6. 横道世之介
《ネタバレ》 うーん。第一感、悪く言えない映画。横道世之介にケチをつけるのは、あの日故郷を離れ一人暮らしを始めたオレにコケにしているような気がしてしまう。あるいは、もしかしたらオレのことも「むかし、○○って変なヤツが居てさ…」って思い出してくれている人がいるかもしれないという妄想に茶々をいれてしまう気がする。だから、気持ちの寄り添わせ具合はかなりなもので、そこは成功していると思います。だけど、あまりにも淡々と進む物語から、でもひょっとしたらなにかあるかもしれないと思いながら観てしまったので点数はこのくらいです。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-11 16:02:42) |
7. 八日目の蝉
《ネタバレ》 「お詫びの言葉もございません」って、どういうふうにも解釈できる微妙なセリフがうますぎる。物語最初の方には、こんなニセ親に赤ちゃん育てられるか、と思った。観終わった後にも、確かに希和子は美味しいとこだけ持ってったな、とじわじわ思った。でも、今このレビューを書きながら、もう一日でも、せめて晩ご飯食べるところまででも薫と一緒に居させて欲しかったと思ってる。 [DVD(邦画)] 9点(2012-10-07 20:09:32)(良:1票) |
8. 40歳の童貞男
《ネタバレ》 騙されている…。きっと、アンディが山ほどため込んでいるお宝をネットオークションで売り払って、売上げ持って逃げるつもりだ、と最後まで疑い続けたモノです。もしかすると、アンディ以上に、ワタシ、女性の方に畏怖の念を持っています。でも見終わった後は、変だけどいい人ばっかり出てくる映画でよかった、と胸をなで下ろしています(すっかり、アンディ目線)。ところで、最後のあのミュージカルみたいのは、なんか特別な意味があったのでしょうか。よかったら、どなたか、教えてください。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-08 15:24:11) |
9. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 いやー、分からなかったですよ、残念ながら。観る人を選ぶ映画なんでしょう。皆さん同様、ヴィースラー大尉の変心のきっかけが、まず分からない。ここはまず、生身の人間の生活を知ってしまい、そのほの明るさやほの暗さに心つかまれてしまったことによるものと思いましょう。あと、またクリスタが分からない。なんであんなにあっさりと、何もかも白状してしまうのか。しかし、それも当時の東独の世情なんだろうし、あれで収監ならゲオルグも立つ瀬無いですから許す。しかし、一番分からないのが、「善き人のためのソナタ」っていう邦題。ゲオルグの、あのアパートでは騒音と言っていいくらいの演奏に感情を揺さぶられるヒト、いないんじゃないでしょうか? なぜ、あの曲名がタイトルに? [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-21 00:59:56) |
10. 四次元への招待<TVM>
《ネタバレ》 作品全体の懐かしい感じの演出と相まって、この邦題。小学生のころ読んだ、少年マガジンの巻頭特集を髣髴とさせます。若き日のスピルバーグを見ることができる意味でも、貴重な一本と言えるでしょう。 [ビデオ(字幕)] 4点(2010-05-03 23:01:26) |
11. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 堤真一、やりきりましたねえ!ベストセラーである原作を読んだ観客に、自分の「石神」をどう認めさせるか、思い切り悩んだはずですよ。泣き崩れるシーンで終わって欲しかったなあ。最後の2分は、いらなかったと思いますよ。なんか、無理にTVドラマの方によりそおうとしている感じです。この作品は、それとはあきらかに別物。監督は冒頭の実験シーンから、観客に主人公は「湯川」と見せかけておいて、本当は「石神」という「引っかけ問題」を仕組んでたんですから。 [DVD(邦画)] 8点(2009-09-14 23:51:40) |