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1.  夜明けの街で 《ネタバレ》 
とにかく全てが中途半端な映画だと思う。ミステリーの部分は排除して、不倫一本でテーマを絞ったほうが良かったのでは。その場合は妻役の木村多江が最後に見せた演技、演出を前編、中編くらいに数ポイント振り分ければ、中盤の中だるみが解消され、もう少し緊張感をもって観る事ができたのではないかと思う。最後のシーンはこの映画の見どころで良かったのかもしれないが、最後だけしかインパクトがないのではもったいない。あと、深田恭子にとにかく感情移入できない。なぜかというと、あれだけお金持ちの家庭で、美貌があれば、いくらでも人生やり直せると思うから。不幸な事件があったにせよ、ただ悲劇のヒロインぶっているだけにしか見えない。悲壮感が全くない。岸谷五朗役が不細工で良かった。これでそこそこのイケメンならもっと感情移入ができない。唯一、友人役の石黒賢は全編を通していい味を出していたと思う。最後に、これだけ離婚が増えている世の中になったが、この映画の様に簡単に浮気に走る男が増えているのも一つの原因なのかなと思う。今、浮気を計画中の世の中の男どもは、一度この映画を観るとよいだろう。
[DVD(邦画)] 4点(2013-06-24 07:14:57)
2.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
タイトルも内容も全く知らず「面白そうな映画があった」と妻が借りてきた映画を、隣でボーっと眺めていたら、冒頭の緊張感のある裁判のシーンからグッと映画の世界に引きずり込まれ、それから2時間半、飽きっぽい自分としては珍しくラストまでその緊張感と興味を保ちながら観賞する事ができた。これぞ「THE・日本映画」だと思った。細やかな心情変化、表情、セリフ、独特の間。登場人物の辛い生き様と対比させ、さらに未来を映し出す美しい景色。全てに統一感があり、映画独特の世界観を創り上げている。観る者の想像に任せるラストも素晴らしい。観終わって約半日が過ぎたが、希和子と薫が過ごしたささやかで楽しい日々や、別れのシーンしか思い出せない。子供の存在というのは、同じ時を過ごせるだけで幸せであり、自分が生きる意味である。そして母が子を想う純粋な気持ちというのは生き物全てにおいて普遍的で当たり前だけど、複雑で儚く、そして美しいものだと強く感じた。
[DVD(邦画)] 9点(2012-02-07 10:52:16)
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