1. 夜の訪問者
渋い、逞しい、頼りになる。ブロンソンのカッコよさを、ひたすら楽しむ映画。 一応アクション映画ということで、カーアクションなどの見所は押さえているが、 ストーリー自体はそれほどの見栄えはない。 主人公の奥さんが終始お話に絡んでくるせいか、動きが鈍いというか、 全体的にどうしてもテンポがややもっさりしているという印象を覚えてしまう。 映像は昔のテレビ映画という感じで、とても観やすかった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-09-25 06:17:10) |
2. 夜汽車の女
姉妹の愛憎を描いたエロチック作品。どろどろ系のストーリーで、コメディー色はなし。 心情描写などを表現した映像面に目を惹くものは感じるが、主演の二人に魅力がないうえに、 演技があまりにも下手なので観ているのがつらかった。絡みのシーンもかなり少ない。 女の情欲、嫉妬、狂気というテーマはいいんだけど、面白いというところまではとても・・・。 [DVD(邦画)] 2点(2012-07-26 05:13:49) |
3. 善き人のためのソナタ
画面から終始漂う厳かな雰囲気が特徴の、映画らしい映画。 主人公のはげ頭のおっちゃんの人間像が丁寧に描かれているわけではないので、 彼の心境の変化が唐突に感じられるかもしれないけど、そこはあくまで想像力で。 このおっちゃんに感情移入できるかどうかが、本作に好印象を覚えるか否かの一番のポイント。 タイトルどおり、人間の善をテーマにしているも、ベタなシーンはほぼ削られており、 製作者側のセンスを感じさせてくれる。秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-27 02:12:17) |
4. 欲望(1966)
人間の欲に対する執着時における盲点を、スタイリッシュな感覚で表現した作品。 序盤は主人公の性格描写を中心に、中盤はサスペンス調へと展開、 終盤は抽象的な映像演出でテーマをまとめてます。とても変わった構成で想像力も使うけど、 すべて一本の線で繋がっているので、そこを見失わなければ、理解はできるかと。 TVドラマなどでは、まずお目にかかれない作りの映画。面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-07 07:58:17) |
5. 夜の大捜査線
基本刑事ものではあるが、とてもシナリオのよく出来た作品。 サスペンスと友情を核に、人種差別をテーマに織り込み、人間ドラマとのバランスがとてもいい。 決して堅苦しさや重たい印象はなく、昔のテレビ映画のような雰囲気なので、さらってしていて、 とても観やすいかと。主人公の黒人刑事と地元の警察署長のキャラも個性的でよかったが、 嫌みのないラストシーンも心地いい余韻を残してくれる。派手さや映像的な見栄えはないけど、 満足感は十分に与えてくれる佳作。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-23 02:48:10) |
6. 欲望という名の電車(1951)
ヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの演技合戦が、最大の見所の作品。 マーロンもいいけど、ヴィヴィアンの鬼気迫る演技は驚きのひと言。 ストーリーは序盤から中盤でオチまで読めてしまうけど、舞台劇を観ているような構成が、 こちらの緊張感をラストまで引っ張ってくれます。ストーリーを楽しむ映画というよりは、 完全に役者を鑑賞する映画。アカデミー主演女優賞も納得。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-26 02:27:06) |
7. 用心棒
黒沢監督の放つ痛快娯楽劇。三船敏郎演じる主人公の、 飄々として抜け目がなく、それでいて情に厚いキャラが面白い。「椿三十郎」同様、 コメディータッチを含んだストーリーものだが、こちらのほうがややストーリー色が濃いかな。 三十郎が情を見せ始めたあたりから、お話自体はちょっと甘くなってしまった感はあるけれど、 クライマックスで再び盛り返した。緊張感溢れる映像はもちろん、音楽が効果的に使われ、 ゾクゾクくるようなカタルシスを与えてくれる。このシーンは何度観ても飽きない見事な演出。 相手役の仲代達矢も良かった。言うまでもなく、娯楽時代劇を代表する作品の一本。 [DVD(邦画)] 8点(2011-11-20 06:17:13) |
8. 夜の女たち
戦後の混乱期、夜の街に生きる女たちの姿を描いた作品。 ストーリー展開はちょっと短絡的な気がするが、女性が独りで生きていくこと自体、 困難という時代背景を考えれば、仕方ない部分もあるのかも。性病への問題提起を促しており、 一人の女の生き様を描いたと言うより、社会派ドラマに近い作品なのかもしれない。 品のいい奥さんから姉御肌の娼婦へ、田中絹代のギャップのある演技が見所。 ラストの演出は伝えたいことはわかるものの、唐突でちょっと押しつけがましかった。 [DVD(邦画)] 6点(2011-09-27 04:58:09) |
9. 蘇える金狼(1979)
松田優作主演のハードボイルド作品。 映画の主役を努める役者さんは他にもたくさんいるが、 邦画でハードボイルドのイメージがピタリ合うような人は、やはり松田優作以外考えられない。 少なくともこういったジャンルの作品に関しては、他の役者さんとはオーラが違うなという感じ。 この頃の彼は演技自体のうまさは感じられないのだが、役作りに対する姿勢が凄まじく、 この作品でも圧倒的な存在感を見せつけてくれる。 古い邦画ということで演出面が悪く、正直映画としての出来はあまり良くないのだが、 優作の魅力が溢れた作品には仕上がっていると思う。 [地上波(邦画)] 5点(2011-08-18 20:59:24) |
10. 酔いどれ天使
志村喬と三船敏郎のキャラ設定が絶妙の作品。 演出はいい部分と悪い部分がくっきりしていて、空振り演出には思わず苦笑してしまったけど、 「面白そうだからやってみよう」といった、若かりし頃の黒澤監督の意気込みが窺える。 やくざと女子高生とを、さりげなく対比させているところがいいよね。 テーマはちょっとぼんやりしているが、読み取る力のある人なら十分伝わるはず。 それにしても、みんな若いね。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-09 06:18:22) |
11. 吉原炎上
吉原の世界で花魁として生きる、女たちの姿を描いたドラマ。 結構重苦しい話だが見応えはあり、映像もなかなか。演出はとてもいい。 絡みのシーンがやたら多い映画って、どうしてもストーリーの流れが だるだるになっちゃうことが多いんだけど、本作ではそういう印象は受けなかった。 ラストはちょっとこじつけ感を覚えたものの、五社英雄監督、渾身の力作でした。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-07 07:32:35) |
12. 喜びも悲しみも幾歳月
昭和七年から三十年代までの時代を背景に、夫とその妻の波瀾万丈の人生を描いた作品。 灯台守って大変な仕事だなぁ、という印象がとても強い映画だった。 ストーリー的な妙味があるというわけではないけど、一応山あり谷ありということで、 映像は比較的きれいだし、夫婦愛、家族愛のテーマもとてもわかりやすい。 優しい夫、尽くす妻。古き良き?日本の夫婦の姿、心の機微が丁寧に描かれていて、 安心して鑑賞できる佳作だとは思う。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-07 03:51:59)(良:1票) |
13. 予期せぬ出来事
「グランドホテル」形式の映画作品。 設定は非常に面白いんだけど、残念ながら人間ドラマとしての掘り込みは浅い。 実業家の妻がストーリーの約7割を占めているのだが、 「奥さん何やってんの?」というぐらい中身のないものだし、 彼女だけじゃ作品としては成立しないので、単に他のエピソードを足しただけといった印象。 登場人物たちのいろいろな人間模様が絡んでくる展開を期待したのだが、 そういったこともほとんどなく、肩すかしを喰らった感は否めない。 キャスティングだけは豪華で良かったが、劇中で役者としての魅力が表現されていたのが リチャード・バートンとマギー・スミスだけというのはちょっと寂しかった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2011-08-05 06:23:06) |
14. 妖怪大戦争(2005)
「東映まんが祭り」のメイン作品みたいな映画。 妖怪を絡めた主人公の冒険ファンタジーとくれば、夏休みあたりにはぴったり。 いろいろな面白い妖怪がたくさん出てくるので、お子さんたちは非常に喜ぶのではないかと思う。 それ以外は何もない。結構豪華なキャスティングだったんだな。 [地上波(邦画)] 2点(2011-08-05 05:28:34) |
15. 夜がまた来る
オーソドックスなサスペンスアクション。 原作がシュールなバイオレンス劇画なので、映像化するのはちょっと難しいのかもしれない。 根津甚八はさすがにサマになっているけど、ヒロイン役の女の子はまるでダメ。 汚れ役を懸命に熱演している努力は伝わってくるんだけど、いかんせん演技力がないし、 お嬢様風の顔立ちじゃ、キャラ自体にも無理がある。 取り立ててドラマチックな展開もなく、オチも途中でわかってしまったので非常に退屈だった。 よほどヒロインのファンでもなければ、お薦めはできない。 [DVD(邦画)] 2点(2011-08-03 09:25:41) |
16. 世にも奇妙な物語 映画の特別編
人気テレビドラマの映画化で、4つのエピソードから成り立っているオムニバス。 こういった形式は外国映画でも時々見かけるのだが、大ヒットという話はあまり聞かない。 各エピソードのクォリティーが要求されるだけに、しっかりしたプロットの作品を用意しないと、 逆に印象が悪くなるのかも。 映画だけに当然制作費はかかっている訳だが、お話の内容自体はさほど出来が良いとは思えない。 これならこれまでテレビ放映された中から評判の高かったベスト4を選び、 違うキャスティングで撮り直しをした方が、全然良かったと思う。 まあ、テレビと同じく普通には楽しめると言った程度の作品。 [地上波(邦画)] 3点(2011-07-26 03:52:53)(良:1票) |
17. 夜と霧
アウシュヴィッツ強制収容所の様子を描いた記録映画。 後半の映像はショッキング。実際には本作の映像では伝え切れない、 残虐な行為が日々行なわれていたわけで、想像しただけでも身の毛がよだってしまう。 これは、ちょっと点数をつけられるような作品ではないです。 人間の歴史から決してぬぐい去れない史実として、やはり観ておかなければいけない作品。 評価は中間点ということで。 [インターネット(字幕)] 5点(2011-07-25 03:49:35) |
18. 世にも怪奇な物語
都合三本のオムニバス作品。 日本でも同じようなドラマが不定期に放映されているが、内容はほぼ一緒なので鑑賞し易いかと。 ただし演出だけは完全な映画向きとなっており、キャスティングもジェーン・フォンダ、 アラン・ドロン、ブリジッド・バルドーなど、有名どころをしっかり抑えている。 人間の心の奥にある恐怖と闇を描く、いかにも「怪奇と幻想の世界へようこそ」といった雰囲気。 各エピソードを有名な監督さんがそれぞれ担当しており、彼らの個性が垣間見れて、 そういった意味での別の楽しみ方もできると思う。お薦めの佳作。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-25 02:39:57) |
19. 容疑者Xの献身
テレビドラマのほうは未見。 この映画作品が初見となったが、ほとんど違和感なく鑑賞できた。 中盤までは特別穴は感じなかったけど、ゲスト俳優(?)さんのほうに焦点を当てているストーリー展開なので、主人公の存在感はとても薄い。 終盤からラストにかけてはトリックの謎を含め、テレビのサスペンス劇場へと様変わり。 こういうベタでダっさい演出って、外国の映画ではまずお目にかかれないんだけど、さすがにお涙頂戴は勘弁してください。 まあ元々がテレビドラマなので、しょうがないのかな。 そういったテレビ感覚で鑑賞すれば、まあそこそこ楽しめる作品ではないかと。 [地上波(邦画)] 2点(2011-07-18 09:24:57)(良:1票) |
20. 八日目の蝉
昔の古っい少女漫画を見ているような映画だった。 ヒロインに襲いかかる数々の苦難や不幸、苛め役の継母や友達がいたりして、 一番ラストになって、ヒロインは何とか救われる。 そういった少女漫画の状況設定を、レディースコミック風に仕上げたという感じ。 とにかく主要人物たちの人間描写が圧倒的に不足しており、父親の出番はほぼなし、 実母はあからさまな役割、ヒロイン役の永作は人間としての葛藤をまったく見せず、 己のエゴを貫き通しているだけ。娘役の女の子の十五年間の苦悩も二時間半という 限られた時間の中では、さすがに中途半端という印象は否めない。 一番の脇役であるはずの、小池栄子のほうが目立っちゃってるってどうなの? 演出、キャスティングに関しては、いい部分と悪い部分が混在しており、 チグハグさを感じたというのが率直な意見。 ラストの説明台詞や劇団ひとりの配役などは、映画というよりはテレビ的だよね。 言いたいことはわかるんだけど、完全に女性をターゲットにした作りで、 ひと言で言えば、女性が子宮で感じる映画だなという感想しか残らなかった。 [映画館(邦画)] 4点(2011-07-17 05:50:47) |