1. 用心棒
《ネタバレ》 今回、初めて映画館で鑑賞(本作自体は何度か観ている)。しかし面白いなあ。面白すぎて、かっこよすぎて鑑賞中ずっとニヤニヤが止まらなかった。これぞ世界中に影響を与えた日本映画だ!と胸を張りたくなる。(今も影響を与え続けている)ここにある殆ど全てが普遍なものなので、今後何十年経とうが古びる事はないだろう。「桶屋、棺桶二つ。いや多分三つだ(ポイッ←爪楊枝)」うーん、と唸るほどかっこよい。私は現代日本全体に蔓延する「泣きたい病」とも言える過度な感動路線飽和状態に辟易しているタイプの人間だ。TVCM等でよく見る(文字どおり本当によく見る!)「家族物語」的なものを見ると、虫酸が走って「だからこういうのもういいよ〜」とチャンネルを変えると、変えたチャンネルでも同じく演歌的感動路線をやっていて、結局テレビを消してしまうような人間だ。確かにこの用心棒の中にも家族をめぐる感動話があるにはあるのだが、三十郎自ら「俺はああいうメソメソしたの大嫌いだ!」と宣言する事で、ベタベタの感動路線に入り込まないように、絶妙なバランスを保っている。それでいて、結局は影できちんとそういった人達を救うのである。うーん、これが本当のかっこよさ、感動でしょう。確か7人の侍でも同じようなセリフがあったので、これはもう黒澤明監督の地なのだろう。そんな当該作品のバランス感覚の素晴らしさに感心すると共に、この5,60年で日本人の性質も随分変わっちまったんだなあと悲しくなった。本当にいつからこんなに日本人は年がら年中泣きたくなってしまったのだろうか?受験で頑張る我が子の姿を背中から見つめる親の姿とか、昔親父が身長測る際に使った柱を再利用したのを見つけて微笑とか、「名前は、あなたが初めてもらったプレゼントです」とか、もうそういうの勘弁してクレーーーーっ! [映画館(邦画)] 10点(2018-06-14 14:44:44) |