1. 妖怪大戦争(1968)
江戸っ子河童にハイトーンボイスの油すまし(何故だか関西弁!)、妖艶ろくろ首の姐さんに意外と活躍する二面のお姉さん等日本古来の妖怪が人間達の為、はたまた日本妖怪のプライドを賭けて戦ってくれるファミリー作品。出てくる妖怪はチープなハリボテとは言えど、そのキモ可愛い容姿やぎこちない動きに心震わせられます。外国の吸血妖怪ダイモン(確かこんな名前)が墓荒らしの為目覚めさせられ、自国で仲間を増やせばいいものを、迷惑な事にわざわざ日本まで来て横暴の限りをつくします。何度リトライしようが全然ダイモンには歯が立たないものの最後は全国の妖怪達がワラワラとやってきて知恵と力を合わせ退散させます。(※やっつけるのでは無く退散させるのがこの作品のやさしさ。)ま、その後ダイモンの報復に遭えば100%の確立で敗退するとは思いますが...ラストは日本の妖怪達が列をなしてスキップしながらどっかへ返っていくという何とも幻想的で微笑ましいハッピーエンド。ほんと癒されまんな~。大映作品万歳! 8点(2003-03-27 00:47:59)(笑:1票) (良:2票) |
2. 予告された殺人の記録
これといって映像的や展開には目を引くのもはないものの、そのテーマの重さに考えさせられます。資産家の息子の元に嫁いだ町一番美貌の女性アンヘラ。しかし結婚初夜に彼女が処女でなかった事から二人はその日で破談。妹を傷物にされた兄弟はその相手を不確かながらも公前で殺害してしまう。何故彼の殺害を止められなかったのか?果たして本当にアンヘラの処女を奪ったのは彼だったのか?当時彼の親友が27年振りにその真相を突き詰めようとします。様々な関係者達との意見の相違を当時を回顧しながら物語を進行させていきます。現代では殆ど無いと言っても過言ではない婚前交渉までの処女性。それによって引き起こされる殺人という当時の悲しい社会のしがらみ。関係者がこの社会のしがらみに苦しみ、後悔をしている。そう、ラストで無残にフェードアウトしていく死体の悲しさが全てを物語っているのと同じで。「彼は一体何の為に殺されたのか?」この作品を見終ってそのテーマの重要さに衝撃を受けました。 5点(2002-11-26 00:41:51) |
3. 夜がまた来る
シブい、シブ過ぎる!!石井隆監督の傑作でしょう。麻薬横領の濡れ衣を着せられ殺害された夫の復讐の為、立ち上がる名美。復讐をする為チンピラの村木と接触するが何度も失敗し、様々な目に合わされても又立ち上がる。石井作品の数ある名美の中でも、強烈なこの名美の汚れ役を夏川結衣が演じます。様々な犠牲を払いながらも最終的には天使の如く昇華していく女性の美しさと強さを感じ取れました。それを見守り何度も助ける村木役には常連の根津甚八。やはりシーンごとの映像がきれいです。降りしきる雨、暗闇に光るネオン、ゆれるカーテン、金粉のように舞う雪、数々のシーンが印象的で切ないです。全体的にはヤクザ映画ですが、映像や雰囲気はどこかフランス映画のフィルムノーワールな香りがします。ラストでの朝焼けのシーンはまさにこの二人の気持ちが昇華したような美しくてスゴイシーンでした。非業な死を遂げた夫への愛情だけであそこまでの復讐に駆り立てられるかと言われれば疑問ですが、それよりも次第に共鳴していく名美と村木の物語をじっくりと堪能してほしいです。 8点(2002-10-29 03:35:40) |
4. 吉原炎上
終盤近く西川峰子が吐血しながらの迫真の演技はそりゃもう、こわいこわい。 5点(2002-06-06 03:54:04) |
5. 妖女の時代
遠藤周作作品「真昼の悪魔」の続編、「妖女のごとく」の映画化。原作とは違い主人公?の大河内葉子が双子という設定。この双子という設定がラストのオチに巧く繋がっていくんですが、折角のオチを田中邦衛が明かしてしまいゲンナリ!こういった作品は最後まで気を抜かずミステリアスな犯人像をほのめかして欲しかったのに残念です。キャスト的には賀来千賀子(無理のあるメガネ)や室井滋(チョイ役でも存在感アリ)、沖田浩之(E気持ち)が出てたりと結構豪華でした。名取裕子も判りやすい3役で、お陰で物語を薄ーくしてくれました?!ちなみに原作のラストは後味の悪いままで終わります。僕としては「沈黙」とかを映画化して欲しいですが、この作品のようになるなら遠慮します。 5点(2001-11-11 15:50:49) |