61. ラルジャン
《ネタバレ》 もっと、一枚の偽札が偶然的に巻き起こすいろんな皮肉なドラマがあるかと予想していたのです。ところが、途中からは、男の単なる犯罪転落ものになってしまったのでがっかり。というか、刑務所入りくらいまではともかく、その後は偽札はほとんど関係ありません。泥沼系(?)の作品であれば、後出でこれを超えているのはたくさんあるような気がします。俳優陣に個性が感じられないのも残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-29 23:42:31) |
62. ラストキング・オブ・スコットランド
せっかくの素材の割にストーリー展開は平坦だし、演出もありがちパターンが妙に目につく(ケイの家に走るのに障害が起こり、何とかクリアしてたどりついたらケイがいなくなっている、とか)。また、アミンを対象としていながら、彼の政策の推移や国民との関係の変化なども描き切れているとはいえない。しかし、この作品のインパクトは、何よりもフォレスト・ウィッテカーの何かが憑依したような強力演技に尽きる。ただ怖いだけでなく、何もしない(表面上は)ことによる怖さ、笑顔による怖さ、にじみ出る迫力による怖さを、十分に表現している。そして、彼の登場時間は結構長いから、そこに注目するだけでも時間一杯に楽しめる。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-12 03:31:48) |
63. ラブ・レター(1998)
《ネタバレ》 後に韓国版でリメイクもされましたが、残念ながらこれは韓国版の圧勝。まず、大きな違いは、こちらは最初に偽装結婚の手続の部分を延々と描写して、そこで吾郎とパイランもかなり顔を合わせていること。しかし、この話の出発点は、主人公がごく安易に偽装結婚の話に乗り、かつそれがあったことすら忘れていたというところであって、そこにこそ感動の源流があるはず。また、吾郎とパイランはまったく顔を合わせない方が後の切なさや手紙の重みが増幅されることはいうまでもありません。原作に免じて4点。 [地上波(邦画)] 4点(2008-02-20 01:14:25) |
64. ランボー/怒りの脱出
結局単なるアクション作品に大きく寄ってしまったわけなのだが、主人公がひたすら無言を貫いて「フウッ」「オウッ」で押し通している潔さは、今見ても十分格好良い。ベトナム人やロシア人はやっぱり人間扱いされてないが、「真の敵は実は背後にいた」という構図で覆うことによって、その辺の後味の悪さを消すことに成功している。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2007-12-02 03:27:38) |
65. ラスト・オブ・モヒカン
《ネタバレ》 走り方一つだけを見ても真剣に役作りを行ったことが分かるダニエル・デイ=ルイス先生のおかげで最後まで面白く見ることはできる。しかし、2人が恋に落ちる過程が不明(バックグラウンドがまるで違うのだから、もっと強烈な何かが必要なはず)、状況が変わりすぎで話のポイントがぶれすぎ(捕らえられて絞首刑目前という重大な危機の持っていき方が、あんな中途半端でいいの?)、マグアの過去が口でしか説明されていない(彼の英軍への敵愾心は、話の基盤をなす重要なファクターであるはず)など、作品としての詰めの甘さが目立ちまくっている。もっと壮大に発展できた内容だと思うのに、妙にこぢんまりとまとまってしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-11 00:53:09) |
66. 乱
もっと三兄弟の確執なり策謀なりを見たかった気もするが、この三兄弟は、期待された割にみんな凡人だったというところがいいのかも。全体の流れにほとんど救いがなく、ほぼ一直線に破滅に向かって進んでいるのが強烈です。大型時代劇のくせに、胸晴れるすかっとする場面が全然ありません。そして、その変なドロドロした世界を決定づけているピーターのキャスティングが絶妙です。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-05 01:07:01) |
67. ランボー
《ネタバレ》 存在を知って以来ずっと、ベトナム帰りをダシにした単純アクション作品と勝手に思いこんでいたため、意外に真面目で落ち着いた作りにびっくり。絶壁のシーンや洞窟脱出のシーンなど、変な小細工を入れずに地道に主人公の横について撮りきっているのが、かえって実感を出している。●(追記)改めて見てみると、脚本も細部まで丁寧であることがよく分かる。敵役の保安官は、単に底意地の悪いアホではなく、猟犬の状況からランボーに弾がないことを見抜く・トラウトマンの無線を利用してランボーの位置を割り出す、など、一定の能力はあるように描写されている(結果、それを一蹴するランボーの強さが引き立っている)。また、最初は見る側にとっても謎の男だったランボーの背景が徐々に明らかにされていく構成、ほとんど無言だったランボーが最後に爆発する長台詞といった絶妙な調整も、作品に余韻を与えている。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-11 00:07:07)(良:1票) |
68. ラスト・ショー
《ネタバレ》 登場人物の何気ない日常生活を追っている中で、まるで一つの街が静かに消滅する断末魔の過程を抽出したかのような、実は壮絶なドラマ。吹きすさぶ風に舞う砂、およそ人通りのまったくない街並みで統一したトーンが、その容赦なさを浮かび上がらせている。それでも最初はそれなりにがやがやといろんな人がいたはずなのに、いつの間にか一人ずついなくなり、最後は気がつけば荒涼とした光景だけが残っている。その中で、若者たちにスポットを当てながら、同時に周辺の大人たちの人生を巧く絡めている周到な重層的構成が、作品の価値を高めている。●最初に見たときは、青春映画のヒロインのくせしてこのジェイシーの最悪さは一体何なんだ、と思っていたのですが、彼女はもともと、このスモールタウンには存在しえない都会の象徴だったのですね(なので、最後に「8月からは戻ってきていない」と語られている)。そう考えると、位置づけや行動原理がぴったり分かってきます。一方で、クロリス・リーチマンの中年の色気はもちろんのこと、まさにジェイシーの血筋はここからだろうと思わせる母親(エレン・バースティン)もよく見ると結構可愛いし、食堂のおばさんにすぎないアイリーン・ブレナンも魅力的に撮られているし、この辺の細部への気遣いが、作品に輝きを与えています。●最後、行くところがなくなった主人公がどこへ行き、そこで何が起こったか。このラストシーンもまた、物語の着地点として、何度見ても秀逸です。 [DVD(字幕)] 9点(2007-06-23 02:51:15) |
69. ラブソングができるまで
《ネタバレ》 まるでG.I.オレンジかカジャグーグーかといいたくなるような超ださかっこいい頭のビデオで爆笑(歌いながらのインチキ寸劇もツボ)。ついでに、途中の同窓会(?)でヒューが歌う曲は、ワム!の"Careless Whisper"のパロディでしょうか?ラストの決めの曲も、歌詞も楽曲も作品内容に適合した良い曲です。と、音楽的には文句のつけようがないのですが、マーク・ローレンスって、いい台詞やいいシーンを作る力はあるのに、全体を一貫させるような演出力とか構成力がないんですよね。で、せっかく何か所でもクスッと笑えたりじーんとしたりするのに、それが持続しないのです。特にこの作品では、本来重要な働きをすべきサブキャラ(マネージャーとかドリューの姉とか)の存在感不足が痛い。それと、演技部分でのヒューのやる気不足が窺えるのも気になります。一応、ラブコメの王道ストーリーでまとまっている部分を評価して5点、音楽部分に+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-28 21:29:46)(良:1票) |
70. 羅生門(1950)
それぞれがもっと大きく異なる話をして、全体が覆るような逆転の連続を期待していたので、意外に大筋においては違いのない内容の語りの繰り返しに拍子抜けしました。ただし、余計な要素を極力削って端的にまとめた作り込みの手法は、現在でも参考になります。 [映画館(邦画)] 5点(2007-01-11 01:28:22) |
71. ラスト サムライ
《ネタバレ》 何かもう、あっちこっちがインチキっぽくて胡散臭いんだけど、なぜか不快感がないという不思議な作品。勘違いはいろいろあるとしても、一貫してすみずみまで真剣に対象に取り組む姿勢が共感を生むのだろう。とりわけ、とにかくサムライを格好良く撮ることに命を賭け、そのためにはエキストラの動員も美術や衣装の手配も撮影や照明の手間暇も存分に投入する覚悟が、我々の心を打つのである。なおかつ、この作品の最大の功績は、福本清三を60歳にしてハリウッドデビューさせ、しかも一番いい役を与えたこと。しかも、役名が「寡黙なサムライ」で、「最後の一言」以外台詞が一切なしだなんて、何とよく分かっていらっしゃる。これだけで、制作者は日本文化に対して真摯であると断言できる。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-11 01:49:02) |
72. ラブ・オブ・ザ・ゲーム
ストーリーも場面設定も台詞も、すべてがものすごく安易。一番の問題点は、登場人物が自分の心理を自分で説明してしまっていること。脚本書いてて、これではまずいと思わなかったのだろうか。ケビン・コスナーには格好良さなど期待していないが、ヒロインもあまり美しくないのというのも困りもの。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-01 04:13:06) |
73. LOVE SONG(2001)
《ネタバレ》 冒頭のあっけない別離、迷いと変化を切り取ってみせたラストなど、いくつかは優れたセンスのある場面もあるのに、それ以外の部分の駄目さとほとんど全員の無表情演技で価値が壊されてしまった。結局、大半は雰囲気でそれっぽく進んでいるだけ。それと、この展開なら伊藤英明は最後のぎりぎりまで出さない方がよかったのでは? [DVD(邦画)] 4点(2006-01-17 04:00:59) |
74. ラブストーリー
《ネタバレ》 ああっもう・・・何でこんないい話を、こんなグダグダの内容にしてしまうかなあ。いや、前半はいいんですよ。素朴で、清冽で、初恋の嬉しさをストレートに表現していて。だからあとはそれを普通にクロスさせれば、自然と感動できる展開になるはずなのに、恋の行方に決着がついて以降も延々と引っ張り続け、挙げ句の果てには何の必然性もないデモやベトナム戦争の描写(当然、盲目になるべき必要性もない)。「友人の自殺未遂で2人の仲は不幸にも終止符を打たれたが、実はこっそり陰で惹かれあっていた」という単純な展開でどうしていけないのでしょうか?残り1時間くらいから、「まだ終わらないの?」とずっと気になって疲れてしまいました。骨は単純な話なのですから、焦点を絞って100分前後にまとめるべきでした。点数はイェジンの頑張りに対して。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-01 00:47:55) |
75. ラ・ピエトラ 愛を踊る女
《ネタバレ》 世に闘病を扱った作品は数あれど、ここまでじめじめした作品は珍しいのではないでしょうか。冒頭でいきなり病が宣告され、その後は延々と最後まで「病魔に蝕まれながら必死でバレエを続ける私」が映し出されるだけなのです。作品としての構成や組み立てなどほとんど考えられていません。バレエのシーンは本職だけあって目を見張るものがありますが、だからといって映画としての評価は別。 [DVD(字幕)] 4点(2005-10-26 02:09:02) |
76. ラスト・リミッツ/栄光なきアスリート
特に波乱も意表をつく展開もなく、彗星のように走り抜けたアスリートの姿を淡々と誠実に追っています。トラックを走るランナーの集団を、集団の中から(ランナー視点で)、フィールドから、スタンドからと贅沢に撮り尽くした映像が凝っているなあと思ったら、コンラッド・L・ホールだったのですね。しかし、98年製作とは思えないほど、画面の感じが懐かしさを漂わせています。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-07 01:53:46) |
77. ラン・ローラ・ラン
これは、カメラと編集機器とテクノ音楽で遊んでみただけのプロモーション・フィルムであって、これを映画であるとは言わないでしょう。本来は0点か1点にしたいところだが、走っている人の撮り方が多少面白かったので一応この点数。 [DVD(字幕)] 3点(2005-08-21 02:40:13) |
78. ラジオ・フライヤー
前半の虐待部分は描写が甘くて拍子抜けだし(常に義父の顔をはっきり映さない演出はなかなかだったが)、さんざんシリアスっぽい展開をしておいて、急にファンタジー路線に変更されても、なんじゃそりゃという感じ。何が表現したい話なのかよく分からない。 [DVD(字幕)] 4点(2005-06-21 01:43:34) |
79. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 最初と最後のモノローグの意味をよく考えると、この作品はグイドではなく、ジョズエの視点から見なければならないことが分かる。前半ではドーラを落とすために全精力を振り絞り(この部分は後日に母親から聞いたのだろう)、後半では我が子を守るために命をかける(この部分は自分自身の回想)。幸福な時期でも、不幸な時期でも、道を信じて全力を傾ければ、奇跡が起きることもある。その点でこの作品は一貫している。だから、人生は美しい。最後の連行の場面でおどけて行進調で歩く主人公の「意志」の強さが衝撃的。 [映画館(字幕)] 8点(2005-04-12 03:49:46) |
80. ラッシュアワー2
チャン・ツィイーけばすぎ。ルーシー・リュウかと思ったやんけ。それに、せっかくアクションもできるツィイーなのに、ジャッキーとのやり合いはほとんどないし・・・。 3点(2005-03-07 00:39:23) |