1. ラリー・フリント
表現の自由の問題と夫婦愛?の物語が同時進行していくが、前者については大変興味深いテーマであるものの、後者の方にはあまり見応えはなかったので、前者にもっとフォーカスして政治色を強く出して欲しかった。とは言え、昨今のネット社会における誹謗中傷問題等を鑑みると、当時よりもさらに非常に重要になりつつ問題を扱っている作品ではあるので、もっと多くの人々が見るべきだと思うが、内容的に取り上げにくいのが難点か。作り方次第でもっと面白くできるハズなのでリメイクに期待したいところだが。 [地上波(字幕)] 7点(2023-07-17 11:37:24) |
2. ラルジャン
《ネタバレ》 ちょっとしたことから人生が転落していくことはあるだろうし、所謂一般市民は善と悪の境界のようなところで生きている。だから自分を守るために多少のインチキはするのだろう。それが他人を不幸に陥れることもあるわけだが。そういった人生の不条理さを描いているのだろうが、出所直後にイキナリ殺人しちゃって、罪を重ねていくというのはやや唐突で無理があって、展開を急ぎすぎ。原作未読なのでどうアレンジしているのかわからないが、この辺の過程はもうちょっと丁寧に描いて欲しかった。あとは役者が総じて下手というか魅力がないのも盛り上がりに欠けるのも難点ではある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-28 13:08:53) |
3. ラ・ブーム
今上天皇はブルックシールズ推しだったが、当時の日本人にはソフィーマルソーの方が人気があったような。今見てもさすがの存在感ではあるし、パリの13歳女子の実態?にも驚かされるが(現在はさらに進化?しているのだろうか・・・)、親子で対比的に描いているとしても、両親の不倫問題が主人公とは関係なく進行していくあたりが全体的なストーリーとしては少々雑かな。ラストは中々のインパクトではあるけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-20 18:09:01) |
4. ランボー/ラスト・ブラッド
ランボーとは殆ど無関係な「家族」の復讐物語。女には助けてもらうし孤独な戦いでもないし。ラストの対決が見せ場なんだろうが、R15なせいか総じてグロイ。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2023-03-29 11:05:46) |
5. ラビング 愛という名前のふたり
パトス的な夫婦の愛情とロゴス的な人権派弁護士の戦術との微妙なズレ具合が中々興味深かったが、全体的に盛り上がりには欠ける。本作は半世紀以上前の出来事を扱ってはいるが、人種間の結婚がOKなら、同性婚はOKなのか?重婚はOKなのか?さらには近親結婚はOKなのか?等々、ある種の「すべり坂論法」にどう対応するのかという問題は現代にも継続しており、古くて新しい問題でもあるように思えた。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2022-12-09 15:22:16) |
6. ラッキーナンバー7
モヤモヤしながら見続けて、最後はどんでん返しってのは嫌いなパターンではあるのだが、これは許容範囲かな。とは言え、最初から細かい所を覚えてられるわけでもないし、結局2回見ないとよく理解デキナイような作品は、劇場で見てもストレス溜まるだけなので、それはそれでちょっとどうなのかとも思うが。 [地上波(吹替)] 5点(2022-08-14 17:32:23) |
7. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
日本では不妊治療が流行っているようだが、「子供を産んで育てるよりも、孤児を養子にする方が世の中のためになる」という考え方は新鮮だった。裕福層ならではの考えなのかもしれないが、世界にはこういう人もいるのかと。それにしても放映当時で毎年8万人の子供が行方不明になるってインドはスゴイところだな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-30 22:57:22) |
8. 落下の王国
現実と空想が徐々にシンクロしていく過程や映像的な趣向等々全体的にはよく出来ているとは思うが、大人の女に裏切られ、御伽噺で少女を利用しようとし、結果的には少女との交流で救済されるというは、ちょっとロリコン臭があるような。ただし、無垢な少女への逃避が大人の女への不信に対する有効な救済方法であるというのも、ある意味真実であるのかもしれないが。でも、自暴自棄な青年が少女と親密になっていくのはちょっと危うい感じはしたかな。それも含めて楽しむ作品なのだろうか。 [地上波(字幕)] 5点(2021-01-06 12:02:24) |
9. ラストベガス
60年間話が飛ぶのでその間に何があったのかがよくわからないのが難点ではあるが、どうやら皆恵まれた豊かな老後を過ごしているようである。それ自体がもう奇跡的で普通は人生の紆余曲折により行方不明の1人や2人ぐらいはいるだろう。で、ベガスでのドンチャン騒ぎはもはやファンタジー的で名優たちの慰労パーティーのようでもある。こういう老人モノはこれからの年のとり方を考えさせられるが、結局は「夫婦関係の良し悪しが人生の良し悪しを決める」というパターンが多いように思える。それが<映画業界>における真理という事なんだろうか。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-12-07 11:42:16) |
10. 乱気流/タービュランス
レイ・リオッタの狂った感じは悪くないし、飛行機パニックモノとしては楽しめる水準。CA役がやや魅力に欠けるのが難点で、もうちょっと追い詰められた方がよかったかも。 [地上波(吹替)] 5点(2020-10-03 17:48:07) |
11. ライフ(2017)
登場人物の描き方が少々浅いような気もするが、密室パニックとしては中々面白いとは思う。ただし、乗組員が皆善人過ぎるのでもうちょっとクセがあったり内部でのイザコザがあってもよかったように思う。また、相対的にみれば単純に「カルビン」が悪であり、人間が善であるという事ではない点にも留意が必要である。科学者のチャレンジ精神は往々にしてリスクテイクとなる。元はと言えば、生物学者が相手を「刺激」した事が発端であり、さらに遡れば、「採取」という名の「収奪」が原因である。逆に考えれば、宇宙人生物学者が人間を採取して電気ショックを与えるのと同じである。このような科学(者)の暴走がどういう結果を招くのかは311で明らかとなっているし、科学による環境破壊によって早くて100年後には人類が地球には住めなくなるという危機も迫っている。よって、科学の活用の是非については全世界的な議論が必要である。宇宙開発は人間が地球上で生きられなくなった場合に備えて行っているらしい。その前に地球上で生きられるようにするためにはどうすればよいのかと考えるべきだと思う。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-09-30 13:34:44) |
12. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 2人のすれ違いまでは普通のミュージカルで、「こういうのは日本では作れないよなあ」と感心しながら見ていた。が、すれ違い出してからは話が動き出すもののミュージカルではなくなって、普通のお話に。それもよくある「夢追い人」であるアーティストの大衆迎合問題。どうせなら、この辺の葛藤や本人たちのいう「狂気」とやらもミュージカル表現で貫き通すべきなんじゃないのかと。という意味では中途半端な作品。ラストのパラレルワールドで一応上手く締めたとは思うが。 この世はランキング&点数社会で様々に評価される。このサイトにも点数システムがあり、「いいね!」ボタンもある。そういうのを無視する「狂気」をもった「夢追い人」が己を貫く矜持が本作の提示と言えるのか否か。アカデミーという内輪の評価システムにより「夢追い人」の「狂気」が承認されるという複雑な構造にはなっているようにも思えるが、概してそういう体質は大衆ウケはイマイチなのかもしれない。それが本作に限らず「アカデミーなのにツマラナイ」という大衆の言説に現れるのだろう。ただし、新型コロナ騒動で、公私にわたる「アーティスト支援を!」という風潮は大衆としてどう理解したらいいんだろうか?と暫し考え込んでしまうきっかけを与えてはくれた。アーティストと大衆の問題は難しいとあらためて思った次第。 [地上波(吹替)] 5点(2020-07-05 14:50:36) |
13. ライムライト
老いの哀しみ、時間経過の残酷さのようなものは伝わってくるものがあるが、もうちょっと年取って若い子に恋でもすればより切実に理解できるのだろうか。主人公のリアルな人生を作品に投影して鑑賞すれば違った感動があるのは確かであろうが、主人公がどういう人間であろうと、どういう人生であろうとそんな事には興味はなく、また作品とも無関係であり、単なる役者としてのみ鑑賞する人もいるわけで、その是非はここでは論じないが、映画鑑賞スタイルのあり方を考えさせられる作品でもある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-29 11:08:04) |
14. ラストエンペラー
期待しすぎたか。エピソード省きまくりだし、所詮エンタメ的な仕上げになっており、落胆が大きかった。これなら竹之内豊と常盤貴子の溥傑と浩のドラマの方が面白いような。溥儀の生涯には非常に興味があるので大河ドラマで1年かけてしっくりと描いて欲しいが(無理か?) [CS・衛星(吹替)] 4点(2019-01-03 21:15:56) |
15. LIFE!(2013)
《ネタバレ》 あの表紙にする事を最終決定したのは買収元であるヒゲの再編担当。ハッキリってあの表紙じゃ、インパクトはないし大衆ウケはしないし売れないでしょう。表紙は自由に選べるのになぜ彼はあの表紙にしたのか?命令があれば人は何でもできる。戦争で人殺しもできる。ヒゲ男は彼なりに真面目に仕事をしてきて再編担当に抜擢されたんでしょう。写真整理とは立場が違うだけです。よって「(たとえ命令があっても)嫌な奴になるな」が人生の真髄であり、「相手を尊重しろ」というのが鑑賞者へのメッセージではないのかと。「世界を見よう。お互いを知ろう。それが人生の目的だから。」ラストの表紙が両者の和解の象徴である事を物語っている。世界を見ように重点を置いてしまい、お互いを知ろうが少々弱かったのと、結構深いメッセージがある割には、チャラケちゃったのがマイナスかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-24 13:58:08)(良:1票) |
16. ランド・オブ・ウーマン
田舎町での3世代(妹入れたら4世代?)の女との交流によって再生するという青年の話で全体的にはキレイな話だと思うんだけど、深みがないというかアッサリしすぎというか。でも、物語の収束の仕方は強引というか。そんなに年齢差があるわけでもないのに、娘とくっつくのを母が反対するのもよくわからんし、それをスンナリ受け入れちゃう青年もよくわからんし。ここにもうひと悶着あってもよかったのでは? [地上波(字幕)] 5点(2016-11-17 14:58:47) |
17. ラストスタンド
《ネタバレ》 90年前後のテイストで忠実に再現したアナログアクションで、よくもここまで古臭く割り切って製作したなという印象。懐かしさを味わう分には十分な出来だと思います。犯人側が分断されてしまって、頭もあんまりよくないので、全体的に物足りないのが難点かな。が、コメディタッチにするなら、犯人は多少間抜けじゃないとダメなので、その辺が難しいところ。FBIももうちょっと介入してもらって、保安官との対立も描いて欲しかったかな。B級と言ってしまうのも可愛そうだけど、現代ではそういう扱いなのかね? [地上波(吹替)] 6点(2016-10-05 12:19:41) |
18. ラスト・ソング(2010)
主役の子はスーパーアイドルのようだが、魅力がない。吹き替えで見たせいか声もダメだった。ストーリーはベタでありがちだし・・・ [CS・衛星(吹替)] 3点(2016-04-28 16:00:39) |
19. ランボー3/怒りのアフガン
ランボーはロッキーと並ぶ記号でありスタローンのブランドでもあるわけで、ロッキーが一人の男の人生模様を描くのに対し、ランボーは国際政治や社会情勢を背景としなければならない宿命があります。どちらも1人の戦いなのですが、後者は相手が複数なのでどうしても派手で強引な展開になってしまう。当時は冷戦時代であり、3年前にロッキーもソ連人と戦うという、タイミング的には同じ時代ではあるのですが、ランボーの方はこうなってしまうのは仕方ないですね。でも中年にとっては憧れのキャラクターであり、愛すべきシリーズモノであるのは間違いありません。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2016-01-18 13:21:43) |
20. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
宗教の話。というのは聞いていたので、前半部分からそう単純な話ではないのだろうとは思ったが、漂流中は災害による極限状態の孤独と不安という神の試練や自然の力・恵みといった神の創造物と向き合う少年の話なんだろうなという理解だった。無神論と言われる日本人も宗教的な儀式は色々とするし、311では神仏に祈った人も多かっただろうと思う。人生は思い通りにはならないし、人間は完璧ではないし、基本的に無力だ。だから神頼みをする。それが最後の最後でわけのわからないネタが飛び出してきて、鑑賞者を翻弄させる。こういうドンデン返しは基本的に好きじゃない。それまでの鑑賞時間がムダに思えるし、バカにされているように思えるから。鑑賞中にこの構造に気がついた人はどれだけいるんだろう?しかも綺麗にひっくり返してくれるならまだしも、いったいなんだったんだよ?という疑問ばかりが残る。少年の記憶も曖昧だろうし、全てが夢幻かもしれないし、納得しない日本人にエグイ創作話をしたのかもしれないし真相はわからない。そこに様々な解釈が生まれるのだろうし、そういうのを読むのもキライではないのだが、それでは作品は最後の最後で問題提起をしたにすぎなくて、作品そのものではなく皆の解釈を楽しむ作品になってしまう。それも鑑賞の楽しみのひとつではあるのだが、自分自身はどうもスッキリしない作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-04 13:48:57) |