1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 虎と漂流した冒険談を、たっぷりお金をかけたCG映像美で見せるだけの映画かと思ってましたが・・意外や一種のサイコサスペンス。 大嵐の中を素潜りしてボートに戻ってくるとか、隠れる所が無いはずの所からいきなり虎が飛び出てくるとか、「あれ、おかしいな?」という数々の部分が最後に回収されるのがお見事でした。 回想という形で、最初から主人公が助かる事を明らかにした上での展開もこれなら納得。最後の方の食人の島は何の寓意だったんだろうか。 こういう変わった映画が、ディズニーアニメ等と一緒に散々CMで流されてたのは不思議。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-02 20:57:34) |
2. 羅生門(1950)
「欧米式帝国主義からアジアを解放した」という日本の言い分、「平和を乱すもの(?)を押さえ込んだ」という米国の言い分、被害者気取りの第三国の言い分…こうした論争が盛んだったと思われる当時の暗喩かな…と思ったりしました。そうみると少し「公平」を気取りすぎで、それがラストの詰めが甘く見える事に繋がっている気がします。一つしかない事実の解明を放棄して安易なヒューマニズムでお茶を濁す…まさに戦後の多くの日本人の姿そのものかも知れませんね。 それはともかく映像が素晴しい。冒頭の土砂降りのシーンからしてこの監督が世界的に評価が高い理由が腑に落ちました。お白洲の幾何学的な構図のシーンの端っこに覗く入道雲など、細かい所まで見応え有ります。 8点(2004-03-14 22:28:34) |
3. ラスト サムライ
泣きました。明治だけでなく太平洋戦争から現代までをも視野に入れたであろう表現には素直に感服しました。 時代考証についてはインタビューで「この時代に武士が甲冑着る事はありえないので、あえて甲冑様式の時代色は排除した。」とか言っていますが、甲冑様式に突っ込みを入れられる位に日本文化に知悉してない限り、逆に製作者に笑われてしまいそうです。 不満がある点といえば、官憲が公衆の面前で勝元(子)の髷を削ぎ落とすシーン。元は彼らも武士であったり髷を結ってたりしたわけで、あれはあり得ないでしょう。ここら辺り日本人的感性への理解がもう一つという感じで少し残念でした。(逆に中国・朝鮮あたりの映画にはありがちなシーンですが…「捏造してもいいから相手を悪く言えば勝ち」みたいな。ああいうのとは一緒にしてほしくないです。) 9点(2004-01-24 00:16:31) |
4. ラスト・ワルツ
リアルタイムを知らないので60年代に思い入れは無いのですが、このバンドは好きです。この人達の音楽は何か、温故知新の感覚に満ちているように感じられるので。ロバートソン、90年に入り、自らアメリカの先住民族であるインディアン(ネイティブアメリカン)の末裔である事を表明、インディアンの地位向上のために奮闘しているようです。今のスコセッシの映像にも物語の背景となる民族音楽取り入れたサウンドを展開。過去の栄光に安住しない現在の姿勢も素敵です。 7点(2004-01-17 02:22:14) |
5. ラン・ローラ・ラン
綺麗な映像に全編ジャーマンテクノ流れっぱなしで気持ちよく観れた。 ありそうなネタながら徹底して緻密に作られた感じがイイ。(影の角度まで計算に入れたとか。)情けない彼氏とヒステリックなヒロインにはあまり感情移入できなかったデス。 7点(2003-11-27 22:31:04) |
6. ラスト・オブ・モヒカン
「インディアン側に立ったアメリカ映画」としては近い時期に上映された「ダンスウィズウルブス」より遥かに納得のいくお話でした。 リアルで格調高く素晴らしかったです。 9点(2003-11-24 13:20:46) |