2. ラスト サムライ
《ネタバレ》 トム・クルーズ、相変わらずセレブなオーラ出まくりなのだが、日本語を口にした途端に、単なる東洋かぶれのガイジンに成り下がる。こうなるともはや立て直しがきかず、しかも武士道精神をリスペクトしつつも小雪には熱い視線を送り続けるなど、都合がいいとこアメリカ人のままなのはどうなのだろう。まるでホームステイに来たエロ留学生のようだ。なによりそれをやってるのがあのトム・クルーズだというのが笑える。このようにトムが単なる道化にしかみえなかったのが多少は功を奏しているのかどうかは分からないが、渡辺謙がいい、よすぎる。もうたくさん出てくる、たくさん喋る。それだけでも同じ日本人として喜ばしい。普段はおくびにも出さない己のナショナリズムが満たされる瞬間である。ファーストカットも彼からだし、死に際の一言は、この映画の中で真面目に鳥肌が立った数少ない場面だった。私は日本人なので、渡辺謙らの英語を聞いてネイティブな人がどういう感情になるのかは、例えこの先自分がベラベラになっても一生分からないのだろうが、とりあえず日本人役者の英語に違和感を感じることはなかった。しかしトムの「さけー!」には一気に冷めた。私としては、話にムリが生じようともトムが終始英語で演じてくれた方が、少なくともより物語に入り込めたように思う。まあそんなのありえないんだろうけど、逆にそのあたりに、この手の映画をつくる上での限界を感じてしまう。 4点(2004-01-22 18:17:02)(笑:3票) |