1. ラスト・シューティスト
これは、西部劇ファンならずともジョン・ウェインを知る者にとって、涙なくしては観られない作品だ。ミスター西部劇の最後の演技は、かれの人生と重なり、多くの名場面が観る者の脳裏を過ぎる。ガンに蝕まれた老体を隠すことなく、自然体で、演じてきたかつての役柄のイメージを壊すことなく演じている。淡々と気持ち良さそうに。作品が終わったとき、観客は、誰もが無敵と信じた、あのリンゴー・キッドに、永遠の別れを告げたことを知る。 9点(2004-12-27 19:45:11)(良:2票) |
2. ラブ・オブ・ザ・ゲーム
スタジアムの雰囲気も選手も本物っぽくて、テレビの中継画面なんかもそれらしいのは、成功していました。それに比べて、恋愛エピソードは、完全試合を達成するかどかの選手の物語の緊張感から、浮いているんじゃないかな。と言うか、足引っ張ってないですか。調味料は選んでかけないと。何にでも醤油をかければ良いというものではない。 7点(2004-12-05 15:16:13) |
3. ライフ・イズ・ビューティフル
映画を構成する重要な要素にテーマがあります。この作品のテーマは、どんな状況下でも決して希望は失うな、と最後まで父親でいられるか、だと感じました。主役と監督の自己中心的演技と演出をどう感じるかで評価は別れるのでしょうが、息子を救うために父親を演じきった主人公の生き方には、感動しました。何もホロコーストを題材にしなくとも、と言うよりは、たとえホロコーストの状況でも、と言うべきでしょう。息子を助けるためなら何でもする父親の姿に、かっこ悪さや、わざとらしさはありません。父親の責任と愛情の美しさを感じました。 9点(2004-07-02 00:08:03) |
4. ランニング
《ネタバレ》 こう言うストーリーには、めっぽう弱いです。押しが弱く、ダサい主人公が、年齢のハンディが有りながら、必死に自分の弱さと昔諦めた夢に挑戦していく物語。簡単に成功するはずもありませんが、妻と娘への想いで、しだいに必死になっていく気持ちが理解できました。運が味方して、もしかして、と期待させますが、運は平等でした。一見、恥ずかしいくらいカッコ悪い事が、親として夫として家族に対して態度で示せる最高の感動になることってあるのかもしれない。もちろん周りの人達に対しても。 8点(2004-05-24 19:30:10) |
5. ラスト サムライ
クルーズとズウィック監督に感謝します。日本人でよかった。ほとんどの人が忘れてしまった武士道に代表される日本人のポリシー、誇り、献身、いたわり、自己犠牲など、歴史と伝統により日本人が作り上げた人間らしく生きていく精神的な支柱を見事に表現してくれました。西郷さんの西南の役が基本にあったようだが、当たらずとも遠からずで、一面ではそういう解釈は十分できます。新しい時代に変わっていくために指導者を信じて献身的に働いて犠牲になりながら、報われないどころか、切り捨てられる当時の武士たちの心情と、それを救うために新政府の要職を投げ打って敗北を覚悟で立ち上がる西郷(勝元)。最後のシーンでクルーズが明治天皇に訴える目に心を動かされない日本人はいないだろう。どんな賞でもいいからオスカーをと願っている。この機会に、ぜひ新渡戸稲造の「武士道」を読んでみたいと思っている。 9点(2003-12-28 20:41:40) |
6. ライオン・キング(1994)
ディズニーのアニメの中でもベストのひとつ。パクリとかリメイクとかの話は作品の評価とは次元の違うものでしょう。そもそもどんな作品でも何らかの形で必ず他の作品の影響受けてると思いますよ。という訳で、ストーリー、表現力、キャラクター、どれをとっても一流。ミュージカルがロングランを続けるのもうなずけます。 9点(2003-12-23 23:47:05) |