1. ランボー
スタローンは苦痛に耐える演技をさせたら世界一、と誰かが言ってましたが、まさしくそれの代表ランボーシリーズ第1作です。社会的テーマ性も強いゆえに評価も高いですが、ワタクシ的には崖を飛び降りたり、ぼろきれを身にまとったり、自分の腕を縫ったり、泥の中からぬっと出てきてノドを欠き切ったり、ナイフの底のコンパスで方向を見定めたりする元特殊部隊隊員の動きを知った衝撃、そしてあんなに強い男が最後にどうしようもない憤りに泣いている姿を見て感動しました。(@中一の頃) で、今改めて見てみると、当時のベトナム帰還兵問題その一点に焦点を集中した非常にリアリスティックなシミュレーション映画だと思います。彼等はベトナムのジャングルで非人間的なゲリラ戦を強いられ、そして何の精神的リハビリも無いままいきなり本国に帰還させられました。そこで起こったのが戦争後遺症とも言うべき帰還兵の社会不適応性問題。今では一定のリハビリ期間を置いて問題なく社会復帰できるようなプログラムがありますが、当時はアメリカ自身がアジアでの泥沼のようなゲリラ戦を経験していなかった。そしてまた不景気で国民が帰還兵を笑顔で迎えるような余裕もなかった。戦争末期には反戦ムード一色だった。そこで生じたやり場の無い憤り。ただそれだけを表現した映画にもかかわらずアクション映画として観ても楽しめるのは素晴らしい。だって数多ある反戦映画とか戦争の問題行為をテーマにした映画のほとんどは「つまらな~い」でしょ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 03:12:33)(良:1票) |