1. ラ・パロマ
この奇怪で妖しい魅力こそが映画の魅力であると断言してもいいような、空前絶後の作品であることには間違いは無いが、その魅力を言葉で表現するのは困難である。冒頭、帽子をかぶった煙草を吸う女のクロース・ショットから始まるが、そこで繰り広げられるのはいかがわしいクラブの緩慢な日常である。カメラはあくまでのろのろと動き、人々は歌や踊りを繰り広げる。この序盤に注目すべきは、これこそが主役といっていいようなランプシェードであり、人間よりも目を引きつける存在である。そこから一転して死期の迫るラ・パロマ。鏡を使って一瞬のムダもなく入る医師は一目見るだけで診断してしまう。この荒唐無稽さこそがシュミットの演出の真骨頂で、映画であることの徹底なのである。同様に、母親がラ・パロマと同じくらい若く、息子と違ってフランス語を話すのもおかしいが、だからどうしたというのか。そして脈絡のない山頂でのデュエットは、一度観たら決して忘れることはできまい。なぜ歌うのか、なぜ二人で歌うのか、なぜ場所が山頂なのかは全くわからぬまま、その当惑と共に一生脳裏に刻み込まれる。そしてラストシーン。このマジシャンのセリフがこの映画を端的に表している。決して忘れることのない映画。 [映画館(字幕)] 10点(2014-07-15 07:37:57) |
2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 単純に面白かった。映像美は、アバターのようなあざとい映像ではなく、本当に美しいといえるようなものが多く、満足できた。ただ、ここまでのレベルだと3Dじゃなくてもいいんじゃないか、とさえ思ってしまう。宗教的なモチーフが目立つ本作だが、トラとは主人公自身の投影に他ならない(これはラストでも明らかにされる)。食人島の解釈はいかん、わかれるところだろう。 [映画館(字幕)] 7点(2013-01-31 01:42:13) |
3. ラヂオの時間
何より脚本がいいし、役者もいい。惜しむらくは画の撮り方。密室ゆえにダイナミズムを出そうとしたのはわかるが、位置関係など分かりにくい。もう少し工夫が欲しかった。が、文句なしに面白い。 [DVD(邦画)] 8点(2012-11-27 11:27:37) |
4. ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビが川を渡り、銃を使い、組織的になるという進化がみられる。ゾンビの国が登場して外交を繰り広げる時代も近い。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-31 01:03:05) |
5. ラストエンペラー
どうしても英語に違和感を持つ。ベルトリッチの官能的な映像美は堪能できるが…。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-30 11:39:12) |
6. ラリー・フリント
面白い。キャスティングが絶妙。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-06 23:43:05) |
7. ラースと、その彼女
意外と普遍的なドラマ。素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-16 00:46:22) |
8. 羅生門(1950)
やはり88分でも面白い映画は撮れる。 [DVD(邦画)] 7点(2010-11-15 23:31:26) |
9. 乱暴と待機
くすくす笑えるところは有ったものの‥‥。愛ではなくて憎しみでつながる、というアイディアはすごく興味深いんだけど、オーバーな演出が目立ちすぎた。演劇の映画化ということで、それを持ってきたのかもしれないけど映画的な味わいは皆無だった。もっと画として魅力が欲しかった。ただこんだけぶっ飛んだ映画は久々に観ました。この映画を観た後の話題に困ることはないでしょうね。 [映画館(邦画)] 4点(2010-11-02 17:02:48) |
10. ラルジャン
1回目は4点だったけど、2回目はその倍になりました。1回でその真価を見抜けなかった自分が恥ずかしい。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-28 01:26:49) |
11. ライフ・イズ・ビューティフル
小学校の時に観て泣きました。今観ても感動できます。曲を勝手に流すシーンが大好きです。 [DVD(字幕)] 8点(2008-09-02 00:20:23) |
12. ラストキング・オブ・スコットランド
フォレストウィッテカーだけの映画。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-26 00:19:17) |
13. ラストタンゴ・イン・パリ
このセンス。傑作です。微妙なバランスの上に成り立っていた関係というのは大人じゃないと分からないのかな。エロティックではあったけど、あくまで何かの代償のように見えました。最後は切ない。 音楽といい脚本といい素晴らしいと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-18 23:47:24)(良:1票) |
14. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
考えさせる映画ですね。なぜケイトウィンスレットに事件を解明させるように仕向けたのかは謎ですが(そのせいで留守中に部屋に忍び込んでビデオテープを置いてくるなんていう無理な展開が生じてます)、ケヴィン・スペイシーが圧巻。彼の演技力のおかげで全部帳消しになります。 う~ん、すごいな。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-29 22:52:20) |
15. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 最初と最後がシンメトリーになっていて、最初のテーマが最後に実感出来るというとてもすっきりとしていてきれいな構成だったと思います。一つ一つのテーマに掘り下げがないのはたくさんの愛を描きたかったからだと思いますが、「毒」が無さ過ぎたかな。そのせいで映画全体がどこか印象に残らない平板な感じになってしまったと思います。 でもだからこそ軽くてとても心温まるものになったという側面もあると思うのでそう簡単に深みがないとは言えないでしょう。笑いどころもたくさんあるし、久々に良い映画を観ました。 落ち込んだ時にまた観たいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-16 19:15:54) |
16. ラスト サムライ
《ネタバレ》 映画館で一度観て、テレビで吹き替えを観ましたが、これ吹き替えで観ちゃったら何の意味も無い気がします。日本人と外国人の武士道を通じた交流と理解みたいな内容なのに、どっちも日本語でしゃべってたらおかしいもんなぁ。吹き替えじゃ内容があまり理解できないんじゃないかなぁ。 そしていくらハリウッド映画とはいえ、日本の侍というものを撮るわけですから、時代考証はきちんとやるべきで、こんなずさんなものが許されるというのは理解できません。 その辺良くわからない外国人が観るのと私たち日本人が観るのでは評価は違うとは思いますが、いくらなんでもひどすぎる。なぜ天皇が英語をしゃべるんですか。最後の礼も意味不明だし、武士道ってああいうのなの? もう萎えてしまってだめでした。 チャンバラとか戦闘シーンなんかはさすがにエンターテイメントという感じですが、よくよく考えてみると内容(ストーリー)なんて無いに等しいです。 渡辺謙の演技に3点。 [映画館(字幕)] 4点(2007-08-19 15:48:15)(良:1票) |