1. ライムライト
《ネタバレ》 名作を知らずに死ぬのは惜しいということで、チャップリンとヒッチコックを見ています。80作品ほどあるチャップリンですが有名作品は大分網羅しつつあります。 本作「ライムライト」はとても良かったです。しかしこの映画は全盛期のチャップリンを知っているという前提で見るべき作品です。カルヴェロ=チャップリンの過去の栄光を深く知っていればいるほど、この映画でカルヴェロが置かれている状況に共感できる作りになっています。また、年齢的にもカルヴェロに近いほど共感を呼ぶウマい作りにもなっています。 設定自体はかなりご都合主義で、まず自分の子供より若い女性とこのようなウハウハなシチュエーションになることなどまずあり得ないし、しかもそれがプリマを約束されるような才能豊かな美女では、、あまりにも出来過ぎた話です。まあこの映画で描きたかった部分はそこではないのでしょうから、そこは華麗にスルーすべき部分だとは感じますが。 この映画で一番に描きたかったのはやはり無償の愛だと思います。いわゆる本来人間としてあるべき「愛」の形を映画に残したかったものだと思います。カルヴェロとテリーのバックボーンが詳細に描かれていませんので、彼らの過去は想像で補完するしかありませんが、真に誠実な二人が出会い、真に誠実に、、互いを思いやった結果の物語なのだろうと感じます。また、バレエのシーンがこれ単体で見てもとてもよくできています。モノクロであるが故、テリーの姿が余計に美しく見えます。半面前半のカルヴェロのお寒いシーンは見ていて少々痛々しく、これが計算で成り立っているとするならお見事ですが・・。 ストレートに、、愛、生と死、老いに真正面から向き合った名作。嫌味がなくて美しい作品ですので、雑念や疑念を捨ててこの世界観に飛び込んでみてください。映画ファンでしたら見るべき名作の一つなのは間違いないです。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-11-14 16:23:59)(良:1票) 《更新》 |
2. 乱
《ネタバレ》 わざわざ元日にこんな重たくて暗い映画をTV放送する意味がどれくらいあったのか大いに疑問ですが、なんだか落ち着いてシッカリ鑑賞することができました。黒澤明だからという特別な気持ちは一切持っていませんが、なぜか黒澤映画は心に残るシーンが多い。本作に関してもやたらと印象に残る独特なシーンがあって妙に引き込まれました。 内容的にはよくあるシェークスピアをなぞっただけというありきたりな流れですが、元々リア王が手を加える部分が無いド定番の流れなので、やはりどこの世界でもいつの時代でも長男次男は愚かなものだと痛感させられます。 皆様同様、楓の方(原田美枝子)が素晴らしい。これと双璧をなすハズだった末の方(宮崎美子)の顔がアップにならないのは解せませんでした。しかも秀虎(仲代達矢)とのシーンでは表情に言及するのでなおさら見たくなりました。また、狂阿彌(ピーター)がかなり役不足で残念でした。いえいえもちろん頑張ってはいますが、明らかにスペックが足りておらず準主役といえなくもない大役を任されるにしてはかなり物足りない演技力だったと感じます。 良かった点は太郎次郎三郎で旗の色が異なる点は判り易くて良かったです。また血の色が妙に鮮やかな点も素晴らしかったです。まるでこの世の地獄がきちんと描けていました。これらはカラーならではの利点でした。随所に間延びする部分もちらほらありましたので少し厳しめの点数にしてありますが、個人的には傑作とは言い難いもののかなりの良作でした。 [地上波(邦画)] 7点(2024-01-04 14:43:21) |
3. ラビリンス/魔王の迷宮
《ネタバレ》 対象年齢15歳以下ですが、これが意外とよく出来ていて楽しい映画です。当時ローティーンだった私は、、「こんなに可愛い女の子が世の中にはいるんだ!」と感激した思い出が蘇ります。映画雑誌ロードショーなどを買ってマジマジとジェニファーの顔を見たものです。彼女のゲジ眉をバカにする同級生もいましたが、私は顔では笑いつつも密かに恋心を募らせたものです。デヴィッド・ボウイも当時人気爆発中でしたが、個人的にはあまり好きではありませんでした。35年以上の月日が経って、今見てもやはり歌のシーンは少々退屈。あと、タイツのもっこりが気になってだな・・ ストーリーはシンプルで分かりやすく、魔王の設定などにも無理がありません。幼い少女が遭遇するおとぎ話としては非常によく出来ていますが、ジェニファーの設定が15歳にしては少々幼過ぎる印象はありました。序盤の弟への接し方やお姫様遊びなどは明らかに10歳程度の精神年齢感覚で、この部分においては少し違和感を感じてしまいました。(まあでも、そのおかげでジェニファーが余計に可愛いわけですが) 今の年齢(50歳)になって見返してみると、魔王=明らかに彼女の負の心理であることが判ります。そう考えるとホグルは良心、サー・ディディモスは勇気、ルードは平和(安心)でしょうか。ラストのエッシャー的な世界(部屋のポスター)からも判るように夢見がちな少女の空想の産物といえなくもない物語でしたが、最後のパーティー描写を付け加えていることを考えると現実に起きたお話だったと解釈するのが正解でしょうか。 他の方も書いてらっしゃるように、マペットの動きが今見ても素晴らしいです。終盤の石コロ戦争も可愛くて安心して見ていられます。光学合成もさほど違和感なく今の時代でも十分に見られますが、オープニングのフクロウは流石にラフ画のようで粗かったですね。とにかく、今見てもジェニファーがものすごく可愛い。一発屋だと思っていましたがまさか超一流の女優になるとは当時夢にも思いませんでした。懐かしい思い出補正で少々甘めの点数です。 [地上波(字幕)] 7点(2023-11-12 15:19:17)(良:1票) |
4. 落下の王国
《ネタバレ》 TV録画を字幕版で見ました。かなり素敵な映画ですが、、色んな意味で非常に惜しい作品でもありました。 皆さんがおっしゃるようにターセム・シン×石岡瑛子×ベートーベンは素晴らしいです。とにかくいちいち映像が美しく、前作(ザ・セル)同様に砂漠は凄いし、突き抜けた明るさも美しく、素敵な映画の代名詞のようです。現実世界である病院での描写も素晴らしく、少女の肩の骨の折れ方や左右の眼をつぶって指先が移動する表現なども素晴らしい。現実とおとぎ話のダブルキャストの面々も素敵で、5歳の子供の心理が本当に上手く表現されています。 何から何まで本当に素敵な映画なのですが致命的な残念ポイントが一つあります。リー・ペイス扮するロイ/黒山賊/パパの行動が、あまりにも大人げなさすぎて萎えるほどでした。もちろん心の中で自殺願望が強いのはOKだし、子供を手なずけて薬を取ってこさせるのも全く問題ありません。大人げないのは自分の願望を5歳の女の子に全力でぶつけてしまったことです。その結果、終盤になるともう5歳の女の子の無垢な心だけを原動力にこの映画は突き進んでしまいます。傍観している観客としては見ていてちょっと痛々し過ぎるくらいです。 日本人的なのかもしれませんが、自分のせいで怪我をしてしまった女の子、ダメ人間である自分を父親のように慕ってくれる5歳の子、この無垢な女児のために自分の葛藤を犠牲にしてでも素敵な話を紡いでいただきたかった。その過程で、女の子に悟られることなく自分の心が再生されるお話が見たかったです。(というか、女の子を号泣させて懇願させるのは色んな意味でダメでしょ) この致命的な問題を除けばおとぎ話も面白いし現実世界の話も面白く、ほとんど文句のない作品に仕上がっています。ダブルキャストや「落ちる」に掛けた様々な伏線も素晴らしかったです。(邦題”落下の王国”はちょっと違うと思いましたが) 心底惜しい作品なので少々甘めの点数ですが、念のためにもう一度見返してみようと思います。 追伸 見返しました。この映画の完成度の高さは随一です。この映画の良さを再確認すると同時にやはりどうしてもラストのロイが、、5歳の女の子をイジメてるような構図が納得できませんでした。集中治療室で目覚めた5歳の女児にする仕打ちじゃないですよねアレ。 [地上波(字幕)] 6点(2023-07-31 11:45:42) |
5. ラブリーボーン
《ネタバレ》 酷評が多いですね。私もビデオ化された当時非常に楽しみにしていた作品でしたが、、鑑賞してみるとイメージと異なっていてチョット落胆した記憶があります。十数年ぶりに再鑑賞してみましたが、落ち着いて見てみるとなかなか奥深くよく考えられた作品だったと思います。もっと世に広く認知されるべき、高評価に値する作品ではないかと考えを改めました。 世間の不評を買っている最大の理由がラストのアレと金庫が沈んでしまう点でしょうか。おそらく私も当時は「有り得ん」と切り捨てた記憶がありますが、10年の時を経て今改めると、誰の視点で物語に入り込むべきなのか?これが最も重要であったことに気付きます。本来、観客は無意識のうちに俯瞰視点になっていて、客観的視点から勧善懲悪の物語を望むものです。でもこの作品は違うのです。オープニングで語られている通り、スージーの視点から見たスージーの物語。彼女がどう考えたのか?彼女がどうしたかったのか?これがこの映画の全てです。 あの年代の無垢な少女というのは、自分の気持ちを支配している脳内全ての事柄がラブリーでキラキラしたものだったハズです。14歳の少女といえばまだまだ子供だし恋愛や綺麗なことが人生の全てだったハズ。そしてそんなスージーが今最も気になっているのが初恋の相手とのファーストキス。彼女にとってはこれが一番素敵な出来事だったハズなのです。そんな理想的な素敵な妄想が叶わなかった無垢なスージー。これがこの映画の全てといっても良いでしょう。 ボトルの帆船が割れる描写、ろうそくの灯が別々に揺らぐ描写、その他多数の不穏な描写の数々が哀れにも素敵すぎました。しかしスージーがとどまっていたあの悪夢のような雰囲気は辛かったです。死んでからあの底冷えがするような不気味な感情を乗り越えて天国に行かねばならないのかと思うと、やはり穏やかに死にたいものです。 ギレルモ・デル・トロも関わっていますし、制作サイドとしてはバッドエンドにしたかったのは明らかです。あくまでモヤモヤしたままで終わらせたかったのでしょう。大人になって見返してみると、金庫が沈むからこそ良かったと思います。観客感情に配慮して”一応”ラストに犯人の転落死の描写を入れてありますが、明らかにアレは蛇足です。遺体は見つからないし犯人も見つからない。だけど家族は前を向いて生きていくしかないし、被害少女たちも昇天するしかないのです。どうにもならないこともあるのです。 成長した妹がノートを見せるか否か一瞬戸惑いますが、あの感情が全てを物語っています。残された最愛の家族の気持ち考えると、今更蒸し返すのが正しいのかどうか。。つまりはスージーは、これで良かったのです。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-02 12:29:10) |
6. ランボー/ラスト・ブラッド
ランボーシリーズは誰がなんと言おうがパート1で完結している派の私ですが、でも結局は全部見ちゃうんですよねぇ。映画としての完成度は圧倒的にパート1で、その他全て(2.3.4.5)は娯楽作品としては素敵ですが、やっぱり何だか軽いのも事実。序盤の嵐のシーンこそパート1を思い起こさせますが、その後は徐々に無茶ぶりを連想させる方向へ舵を切っていきます。ただし、ジョンランボーが軍人になる前の雰囲気をうかがい知ることができたのはちょっと嬉しかったし、PTSDを患ったベトナム帰還兵としては乗馬に興じたりとかなりハッピーな老後を送っていたことには少しホンワカさせられました。 娯楽シリーズ(パート1を除く)の集大成を飾るのが本作ですが、アクションのほうは教科書レベルの単純さ。ベストオブベストな老後を送っていたジョンランボーですがそれをぶち壊すような本作、伏線の入れ方や演出も稚拙だし、それの回収の仕方もまたベッタベタです。そういう映画と割り切るべきでしょうが、パート1のファンとしては「またこれか・・」という諦めムードも漂います。 特に養女ガブリエラ(イヴェット・モンレアル)の顛末はランボーの感情の為に生贄になったとしか思えず、ランボーシリーズ(パート1を除く)をリスペクトしまっくている監督が美味しいシーンを全てぶち込んでみました的な感じに仕上がってしまっています。 夜景の美しさと極めて無秩序なメキシコの世界観、グロ描写の数々は素敵ですが、ジョンランボーのファンとしては結構複雑な心境になりました。単純なアクション娯楽作品としては楽しめますが、これでランボーシリーズが終わってしまうと考えると少々後味が悪い仕上りです。ファンとして甘めの点数をつけておきますが、案外評価が難しい作品でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-15 12:48:13) |
7. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 時系列的にロメロ版の続編としてきちんとつながっているので、できれば題名を「Twilight~」にしていただきたかったところです。私の大好きな前作「死霊のえじき(Day of the Dead)」で思考するゾンビの鱗片は拝めますが、まさか人間と共存する方向に持って行くとは驚きを通り越して呆れて・・。(自我に目覚めた黒人男性のゾンビはあり得ないし、単純につまらん) まあゾンビな世界では世の中がああいった方向に向かうのはある意味必然なのかもしれませんが、かなり陳腐で80年代風の安っぽい感じに仕上がってしまっています。まあ作っている人間が70~80年代にピークを迎えた方なので致し方ないのかもしれませんが、これに関しては観る側(私)がウォーキング・デッドを知ってしまっていてハードルがダダ上がりしてしまっているということもあったかもしれません。 チョロ(ジョン・レグイザモ)もちょっとご都合主義的な行動が目立つし、ライリー・デンボ(サイモン・ベイカー)に関しては行動に一貫性がなく、何を考えているのかすら理解できません。個人的にはツインテール風のプリティー・ボーイ(ジョアンナ・ボーランド)がやたらと可愛いかったので帳消しにしておきますが、今作は見たら忘れる系の映画に成り下がってしまっていて、私としては「作らなければよかったのに」というの率直な感想だったりします。 シリーズものとしてロメロ大先生に敬意を込め、少し甘めの点数にしておきます。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-12-31 12:31:56) |
8. ライフ(2017)
《ネタバレ》 リアルな描写と真面目な方向性で「見た目的」にはなかなか楽しめる作品です。個人的に乗れなかった一番の理由は「音」があったことでしょうか。やはり宇宙といえば無音にこだわっていただきたかったところです。まあ、「エイリアンシリーズ」もその辺グダグダな訳ですが、あちらはとても重厚で好意的に捉えがちです。本作もかなり真面目に作ってはいるんですが、なんなんでしょうねこの軽さ。 意外にも最近あまりなかった「地球外生物が人間を襲ってくる」という王道のSFモノですが、なんか全体的に軽さばかりが目立ちます。CG技術が発達しすぎた弊害とでもいいますか、襲われる恐怖というものがあまり感じられないのです。どこのシーンを切り取ってもあんまり違和感もなくて本当に良くできた映画なのですが、なんか軽い。この一言に尽きるような気がします。ラストのどんでん返しも結構軽くて心に響くものがありませんでした。(足の不自由な科学者さんの手があんなことになってしまったことを考えると、ギレンホールの手がどんな風になるのかもおよそ想像がついてしまう) 個人的にはツッコミどころ満載だった「サンシャイン2057」のほうが圧倒的に重厚でSFモノとしてはかなり好きでした。人間の感性って不思議なものです。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-02-05 17:47:49) |
9. ラスト・ターゲット(2010)
《ネタバレ》 高級食材を集めて料理を作ってみたがちっとも美味しくならなかったという典型例か。一つ一つのプロットには拘りがあって本当に最高級なのですが、これがどうにもウマく機能していません。惜しいとしか言いようがない作品です。 雰囲気も景色もシックで上質ですが、まずセリフ&説明が少なすぎて感情移入が難しいです。オープニングに関しても観客はパッケージを見て知っているから「ああ、彼は暗殺者で人里離れた場所に隠れているんだな」ということが理解できますが、パッケージを見ていない人には意味が判りません。同様に何故女性を後ろから射殺したのかも理解が難しい。このように終始全ての場面が説明不足なので観客が勝手に想像するかイミフのまま進むしかないのが凶と出てしまっています。主人公が寡黙過ぎて何を考えているのかもほとんど理解できず、携帯電話を捨てた理由も微妙、娼婦を買っている理由もよく判らない。裏を返せば説明がないおかげで情緒的にはなっていますが、とにかく間延びしていて退屈としかいいようがない展開が続きます。 中盤、女性二人が絡むサスペンスに突入してからはそれなりに楽しめます。どちらかが騙すんだろうなということは理解できてもどちらが悪人なのか判断がつかずハラハラさせられます。反面、意味ありげな神父と車の医者が関係するストーリーはセリフが哲学的でよく理解できません。 終盤早めに女のほうのサスペンスが終わってしまうのでオチは割とバレバレ&結構ベタな展開で何となくしらけムードが漂います。説明不足のしわ寄せからまるで他人事のようにどうでもイイ感が漂ってしまっています。景色が素晴らしいのとジョージの演技がイイのがせめてもの救いです。 文句たらたらですが、閑散としたレストランで女との取引を終えるシーン、終盤、車中で自分の体がモタないことを悟ってハンドルを叩くシーンなど非常に印象的で素晴らしいシーンもありましたので本当に惜しい作品です。個人的には情緒的な雰囲気が好きなので掃いて捨てるには惜しい映画でした。ちなみに原題の「The American」のほうが内容を端的に表していてイイと思いますね。(ラストターゲットはセンス悪すぎ。邦人のセンスのなさにガッカリです) [インターネット(字幕)] 6点(2019-09-24 16:58:24)(良:1票) |
10. ライト/オフ
《ネタバレ》 最近ありがちのネタ映画かと思っていたら結構しっかり作ってあって楽しめました。(ツンデレのお姉ちゃん可愛いぞオイ) しかしながら途中からダイアナの設定にブレが目立つのが少し気になります。ブラックライトなら見えるとか、明るい場所にもチラホラ現れてみたり、挙句には懐中電灯で火傷させることができたりとか・・ その他、訓練を積んだ警官コンビが瞬殺されて、か弱いお姉ちゃん&小学生コンビが生き残るのもご都合主義ですが、まあこれはこれでダイアナさんの忖度が働いたと推測できます。しかしブレッドさん、あんたはダメだ。ホラー映画定番の流れでは彼も目を繰りぬかれてお亡くなりになるべきだったはずが、ラストでまさかの綺麗なお姉さんとイケメンブレッド(ついでに弟)のワンカットには違和感でした。(ここは綺麗なお姉さんと腹違いの弟だけだろ) 粗やご都合主義感もあり「見たらすぐ忘れる系」の映画の域を超えませんが、全体的にはとても綺麗にまとまっていて見やすい映画です。まとまり具合で比べると「エスター」「ドントブリーズ」「ゲットアウト」などよりよくできていたように思います。せっかくの上々の仕上がりですから、寒い続編ができないことを祈るばかりです。 [インターネット(字幕)] 5点(2018-08-27 11:04:00) |
11. ラストソング(1994)
当時、ギター小僧で上京したばかりでしたので、物語とオーバーラップして余計に熱中したものです。もちろん私にはギターも歌も才能なかったので早めに諦めましたが(笑) 邦画嫌いでしたがこの映画には本当に熱中しました。本木、吉岡、安田の演技が素晴らしかった。この監督さんって北の国からの演出に多く携わっているのですね。今更ながらに妙に納得です。 本木の演技が本当に素晴らしいし、当時はあちこちで見かけました。いい役者さんなのに最近は露出が少なくて残念です。ちなみに、2017年現在、アマゾンでレンタルアップVHSが37500円です。見たいのに見られません。早いDVD化かBD化を望みます。 [ビデオ(邦画)] 7点(2017-08-01 23:28:36) |
12. ランボー/最後の戦場
一応、昔からのファンなので義理で鑑賞しました。まあ予想通りの結果ではありました。年齢の割りに頑張っていますが、スタローンさんも最後に金になるうちに感が強く出ていたような気がします。私の中ではランボーはパート1でキレイに完結している映画だと、改めて確信しました。 [ブルーレイ(字幕)] 2点(2014-10-01 18:45:07) |
13. ランボー3/怒りのアフガン
熱烈なランボーファンの友人にロードショーにつれて行かれた映画です。レビューを控えたいほどの酷い出来だったことだけは覚えていますが、今でも友人とはイイ友達です。ある意味イイ思い出が残っている映画です。 [映画館(字幕)] 1点(2014-10-01 18:42:21) |
14. ランボー/怒りの脱出
ランボーという社会派の素晴らしい映画のヒットから3年、完全なる娯楽エンタメ作品に衣替えして再登場したランボー2怒りの脱出でした。当時は私も子供でしたので熱狂したものです。ランボーという名前は社会現象を起こしたほどでした。嫌いじゃないですし点数もそう低いわけではありません、ですがライブラリしたり名作のような扱いをする作品ではないですね。勢い中心の派手な娯楽作品です。(私の中ではパート1でキレイに完結しています) 2020/7 追記 久しぶりにTVで見ました。久しぶりに見たら粗が目立ちすぎてダメでした。結構ご都合主義満載で作ってあったんですね(笑) 最初の飛行機から飛び降りる時のヒモの絡まりハプニングとか、、要る?(笑) ヒロインも無駄に可愛くてイイです(笑) かなり子供向けに作ってあったのでちょっと変な声の笑いが出てしまいました。。冷静に考えたら80年代の映画って結構適当なんですよね。 [ビデオ(字幕)] 5点(2014-10-01 18:38:36) |
15. ランボー
《ネタバレ》 昔は頻繁にTV放送されており、もう何度見たか忘れるほどです。この映画はアクションはいうに及ばず素晴らしいですが、脚本が非常に良く、ランボー(森の王者)vs ティーズル保安官(町の守護者)という構図を違和感なく取り入れています。 一見するとティーズル保安官が悪徳警官のように描かれていますが、小さな町に身なりの汚い見慣れない不審者が現れたことをいち早く察し、保安官として出来るだけ穏便に町の外へ連れ出そうとします。結果的にこの行為が敵対するきっかけを作ってしまいますが、実際問題、重いPTSDを抱えた不審者が刃渡り30㎝の刃物を所持していたわけで、見方によってはティーズル保安官の判断は正しかったともとれます。 また、ランボーの側の主張も至極真っ当なもので、元々は友達を訪ねてきたがそれが叶わず、静かに食事がしたかっただけの話です。無線でランボーは「First Blood(保安官が先に仕掛けてきた)」と弁明し、自分にはその気がなかったことがハッキリします。どちらもそんなに悪くなく、そう考えると人間は接し方一つで大事(おおごと)にもなり得るという教訓も含んだ脚本にも仕上がっています。 意外にも、、ベトナム帰還兵のトラウマを他のどの映画より深く描いてあると思います。内容的には重たい社会派ですが、娯楽アクション作品として子供が楽しめる作りになっていたのは本当に素晴らしいとしかいいようがありません。ご存知の方も多いと思いますが、崖から飛び降りるシーンはスタローン本人が行っており、その際に負傷した腕を自分で縫うシーンも本物だそうです。私たちが子供時代、熱中して見ていたという感性は間違っていなかったということです。 個人的にはオープニング、友人の小屋を尋ねた後に山中の国道を一人で歩くシーンが最高に好きです。最近こういう雰囲気が素敵な映画が減りました。やはり映画といえば、、何かこう訴えかけてくるような意味深なシーンや風景が欲しいものです。最近の映画は軽いのばかりで心に残らなくなりました。そういった意味でも非常に価値がある、社会派アクションエンタメ映画の不滅の名作に匹敵する作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2014-09-04 16:33:48)(良:1票) |
16. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 サスペンス・エンタメとしての完成度は一級品でありながら取り扱うテーマが冤罪や死刑制度なので派手に宣伝できない社会派な雰囲気が漂いまくっている不運な作品。出演陣もかなり見栄えが良く、主人公で死刑囚のデビッド・ゲイルにケヴィン・スペイシー、それを取材する新聞記者ビッツィーにケイト・ウィンスレット、レイプされたとされるゲイルの同僚コンスタンスにローラ・リニー等、かなり豪華な顔ぶれです。 とにかく冤罪や死刑、性犯罪をテーマにした作品ですのであまり派手に演出できない点がイタイですが、そのハンデをものともせず「セブン」「ユージュアル・サスペクツ」のケビン・スペイシーを主役に持ってきた点は凄い攻めようです。普通ならスペイシーが主役だと誰でも疑いたくなりますが、その上であえてこのラストを見せ切ったのはもの凄い勝負だったと思います。監督と制作陣に拍手を送りたいレベルです。 この映画の凄いところは、ストーリーをきちんと理解していない人がラストシーンを見てもネタバレしない点です。ストーリーを理解していない人にはなぜスペイシーがビデオに出てきたのか意味が判らないからです。学生とのセックスもそうですが、主人公はいつだって何も悪いことはしていません。色んな意味で深く考えさせられる素晴らしい映画だったと思います。 全体的なトーンは暗めですが見た人それぞれにそれなりの考察を誘発させる作りは素晴らしい。個人的にはラストのケイト・ウィンスレットの演技、そしてこのストーリーの落とし方がとても素敵でした。万人にお勧めできる完成度の高い作品。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-03 17:23:34)(笑:1票) |
17. LIFE!(2013)
《ネタバレ》 チョット辛口でいきますが、、皆さんが絶賛しているほどのことは無かったと感じました。全体の流れがあまりにもベタベタ、、ストーリーがあまりにも出来すぎているのです。そもそも論として、スケボーとか仕事のセンスとかがあれほどのレベルであればですよ、、16年も周りが放っておかないですし、16年のキャリアの中で既に何らかの成果が上がっていたはずです。要するに、もっと早い段階で彼(ベン・スティラー)の人生に変化が訪れていたはずであるという、大きな矛盾が生じてしまう設定に違和感を感じ得ないのです。 ラスト、彼女(クリステン・ウィグ)とくっつかなかったらまた評価は違っていたと思いますが・・ あそこら辺も含め、あまりにも上手くまとめすぎていて完全に安っぽい感動ドラマ風情に成り下がってしまっています。感動させようとするカメラワーク、感動させようとする音楽、感動させようとする流れ・・ 悪い意味で判り易すぎる映画だったなという印象しか残らなかったです。生粋の映画マニアには勧め辛い作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-08-21 10:46:17) |