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 > Yuki2Invy さん
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プロフィール
コメント数 1693
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  ライド・オン 《ネタバレ》 
ジャッキーの集大成!という宣伝文句が踊り跳ねてるってヤツですケド、流石にカンフー・アクションがモロ主体という作品じゃあ(今更)なくって、実際のジャッキーそのものを大いに投影した主人公による人間ドラマが完全にメインって作品ではありますかね(カンフーやアクションが無いってワケでは全く無い⇔むしろ人間ドラマなワリにはそーいうシーンもふんだんにゴージャスに盛り込めてるって方、ではあるかと)。その人間ドラマとゆーのは、私の解釈では、人がその人生において「犠牲にしたモノ・犠牲となったモノ」と、それに依って「成し遂げたモノ・貫き通したモノ」を並べて描き出してゆく…というコトだった様に思えます。それが(ゆーてワリと)ごく普遍的なモノだ…という意味ではままベタで在り来りで、更に言えば多分にお涙頂戴系の(若干)クサイ様な雰囲気に仕上げられてるヤツだった…とゆーのも、ある程度は的を射た表現・評価なのかも知れないとは思いますかね。  しかし、それを他ならぬジャッキーが言っている・演っているってなら話は完全に別なのです(⇒そもそもこの世の中って、「何を」言ってるかと同じ位に「誰が」言ってるかだって常にごく超重要だと思っては居るのですよね)。前述した「犠牲」だって、コレとて大いにジャッキーの実体験の中の正に現実だと思うのですし、それと遂に「折り合いを付けた⇒から、今こーいう映画を撮っている」てのだって多分(幾ばくか以上に)ホントのコトだとも思うのですよ。だとしたらそもそも、それってそれ自体が実に非常に喜ばしい・偉大なコトだと(私とて)思わざるを得ないじゃあねーですか。私はハッキリ、この映画は全編涙無しでは観られなかったですよね。  再度、カンフー映画ではない(ケド、カンフーも全然しっかりしてるサービス精神旺盛な)娯楽ドラマ映画で、とは言えカンフー盛り盛りなこーいうヤツには今まで9点を付けたコトがねーのでソコはかなり迷ったり&でも直近に観た『フュリオサ』よりは確実に満足度が一段階高かったってコトもあったり、でもでも結局「ゆーてジャッキーも実は別に今作が最後って感じじゃねーな⇒カンフーもまだまだ全然演ってくれそーだな」と思ったコトもありましたので、9点は今後の作品の為に取っておきます。良作以上であるコト自体は完全に保証可能だとは思いますケド。
[映画館(字幕)] 8点(2024-06-02 23:18:00)
2.  ラビッド・ドッグズ 《ネタバレ》 
バーヴァ御大作のクライム・アクション・ロードムービー…みたいな異色作なのですが、製作当時にプロデューサーが破産して⇒権利関係がややこしくなって20年以上お蔵入りしてたって代物らしーのですね。また後に各国でビデオとして発売されたらしーのですが、本邦に入って来たのはつい最近…らしく、でも観てビックリ!スゴく好く出来てるんですよね~~~まるで御大の作品じゃねーみたいに!更に後にはどっかでリメイクもされてるみたいですし、某・他所のレビューサイトで調べても寧ろ御大の作品中で最高評価!になってたりもして(⇒まァ、流石に『モデル連続殺人!』とか『血ぬられた墓標』よりも多少上…て位ですケドね)。ぶっちゃけ、何かの拍子に劇場公開しても(宣伝次第では)ワリと話題になったんじゃねーか?てな気ィすらしてますですよ。今なら各所でロハで観れるので、お暇なら是非。  大枠としては比較的シンプルなクライム・ロードムービー(⇒人質を連れて犯人が逃げる逃げる!)ではあるのですが、その同乗者の人選+人数設定とかはまた好く出来てる・絶妙だったと思うのですよね。全員揃ってキャラも段々と見えてゆきますし(⇒だから行動に説得力・納得感も出て来る)結構続けザマにハプニングが起こり捲るのですケド、その部分にもヴァリエーション・彩りまでがチャンと在る様に思われたのですね。犯人連中は(3人揃って)極悪・下劣極まりなくて、だから凄惨なシーンが(また其処彼処に)在るのも+そいつ等にキレ味がしっかり在るのも、コレは御大らしくて再び好かったと思います。オチも最高ですね。サクッと観れて十二分に楽しめると思いますので、重ね重ね是非々々。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-07 00:57:23)
3.  LOVE LIFE 《ネタバレ》 
いや~~~コレまた、極めて高度に辛い主題(+しかもそーいうのが最初から最後まで結構テンコ盛り)とゆーか、少なくとも娯楽映画的なナニかでは全く・完全に・微塵も無い…としか言い様がありませんよね。んで同時に、私が監督の過去作を観て来た印象のワリとそのまんまに、今作もまた相当に「行間を読ませる」作風だとゆーか確実に意図的に説明を省いている箇所がそこら中に在って、でソレがこのネガティブな空気感の中でともすれば全て「逆側」に倒れてったりなんかしちゃうと⇒モ~「奈落」にまで堕ちてゆくしかない…という様な映画ですら在るかも知れませんね。参考に他の場所をちょっと覗いてみる限りでも、鑑賞者個々に依って極めて評価が割れているという、その手の作品のよーです⇒ソコには(評価が分れる様な作品であるというコト自体には)私も100%同意できるってトコロではありますね。  でもそーは言っても、テーマ自体はシンプルかつ普遍的な「コミュニケーション・愛するコトの難しさ」というトコロではあるでしょーかね⇒だから、根本的に共感が難しいという様な作品では決してない…とも思うのです。好きな人にだからこそ、言うべきコトを言えない⇔言わなくても好いコトを言ってしまう(・言い方を間違えてしまう)とか、愛しているからこそ踏み込めない⇔却って立ち入り過ぎてしまう、とか或いは、唯々優しく接するコトが(真の)優しさだとは限らない、とか、そーいう類の話なのではねーかな…と。でも、やはり例えば端的に、登場する二組の男女のその「恋やら愛やらの感情」の部分なんかには、特に極めて曖昧・どっちつかずな描かれ方のモノが含まれてるとも思うのですし、個人的にはもう1シーン、ラス前のあの豪雨の結婚式でフラフラ踊ってる木村文乃が一体どーいう表情をしてたのか…なんて、私なんかモ~気になっちゃって日も暮れやしませんよね(「コレもやっぱ映さないんだ!」と+「行き届いてんな~」と、正直流石に感心したとゆーか呆れたとゆーか…)。  結論、私は全然面白い・興味深い映画だと思いましたし、観て好かったとも思います、がソレでも他方で相っ当に観る側の「歩み寄り」が必要な方の作品であるコトも間違い無い…とも思います。寧ろ、その傾向が益々強くなって来ている…とさえ(⇒率直に、この解釈で好いんだよな?と私もやや不安になってまうとゆーか)。ちょっと、若干ながら本当に少しダケは、監督の今後が心配になっちゃう様な気もしてたりなんかもして…(⇒ゆーてまあ、大丈夫だと信じては居ますケド、万一にもラース・フォン・トリアーみたいにダケは為らないでね、と本当にほんの少しバカリは…)
[DVD(邦画)] 7点(2024-01-05 14:53:22)
4.   《ネタバレ》 
それこそ、30年くらい前に初めて観て(僭越ながら)こんなの今まで観たコト無いな…と思った記憶がありますね。それは特に「時代劇としては」という意味だったのですが、今だに強烈に印象に残ってるのは(中で)とにかく「血の表現」だったと思います⇒最高レベルってのはココまでやるのか…と。でも、今今に観直すとコレって、別に全然「リアルな血」ではないよな…とも思うのですね⇒あんなに河みたいにドロドロ流れないだろ…と。で、そもそもこの映画、よく観ると何処も彼処も全然「リアル」ではないとも思うのですよ。狂い果てた幽鬼の如き仲代達矢の有様(or メイク)と言い、諸々の地形もチャンと観るとなんか変なトコばっかですし、異様に煌びやかな衣装や具足・それも含めて全体的にも隅々まで「画が綺麗すぎる」とだって思ったりします(単にリアルな時代劇だってなら尚更に)。  何より、今回観たらコレ、時代劇は疎かドラマにだって皆目成ってないな…て思っちゃったとゆーか、登場人物も総じて全然リアルな人間には描かれてないのですよね⇒前述の仲代達矢や狂阿彌は勿論、息子三人だって一人として血の通ったキャラには全く見えて来ない。ある種、私原田美枝子さんって大好きなんですケド、今作にのみ関して言うなら寧ろ彼女ダケがひとり「間違えている」という風にすら見えます⇒「人間」過ぎる・「人間」としての感情をリアルに+ハッキリと表し過ぎている…と。結局、私が思うトコロの一番に来るコトとしては、見た目の印象やごく重々しい・重苦しい特大の見応えとは全く裏腹に、実に抽象的な表現で抽象的なモノを描こうとしている映画だ、と⇒だからやっぱり(私が他に観たコトあるモノの中では)何より「能」に一番近い…と思わずには居られないと言いますかね(ココまで表現が「ある意味で」抽象的だと、コジツケぽく思われるのは(私も)重々承知ですがモ~致し方無いかな…と)。  とは言え、そりゃ映画なんだから当然、本来の能よりは全然(全っ然)分かり易いとは思うのですよ。でも、逆にコレくらいはしてあげないと現代人には(最早)伝わらないんだよ!てコトにだって思えたりするのですよね⇒ソレはもう、現代人が「想像力」を致命的なまでに喪失してしまって居るからだ…と。今作で言えば、鶴丸が笛を唯々奏でる(というテイで笛の音が唯々流れる)中盤とオーラスの2シーンとゆーのが、私にとってはその「抽象的なモノを抽象的に伝える」シーンとして極致に到っていた…と感じられたのですね。小林正樹監督の『怪談』で、平家琵琶のシーンを観た時にもその様に感じられたコトではありますが、重ねて、嘗ての人々にとっては音曲・舞踊ダケでも伝わっていたソレとゆーのが、今や即物的に為り過ぎ&心の瞳を失い&退化し切った現代人にはこの程度の映画(映像)表現でアシストしてやらないと伝わらないのだろう…と(率直に)思われるのです。そして、今作もまたその意味では、そーいう古のテーマを古の技法に(部分的にも)則って垣間見るコトが出来るという点で、実に日本的で、そして優れた映画だったと思うのですね。傑作だと思います。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2023-12-31 23:26:20)
5.  RUN/ラン 《ネタバレ》 
地味に中々、非常におぞましい所業ですよね。。しかし、誤解を恐れずに言えば気持ちは分からなくもないとゆーか、ナンなら探せば少なからず実在だってしてそう…(程度にも依るけれど…)と思ったりもします。その意味では、どーしたってやっぱ『ミザリー』とか、あとは(コレもまた)『何がジェーンに起ったか』なんかにも(見た目は)やっぱ似てるとは思うのです、が今作ではソレをズバリ「母と娘」にやらせてるとゆーのも含めて、この手のサイコ・スリラーとしては題材のチョイスは十分に優れている(から心にグッと刺さる)とも思いますよね。   ※ただ今作は個人的には、描写の物理的な強度はホラー・スリラーといったレベルでもなくて、あくまでサイコ(サイコロジカル)サスペンスと言うべき範囲に在る…という表現が一番しっくり来るトコロではありますが。   この通り、かなり手堅く面白く観れたという感触はチャンと在るのですが、前述どおり(このジャンルのヤツとしては)またかなりマイルドだともゆーか、その意味では少なからず物足りないとゆーか「お手軽に」済ませてるな…という感覚も(更に強めに)在ったのですよね。特に、サイコロジカル・サスペンスとして(ホラーよりは)多少オツで繊細な不安の感情なんぞを楽しんでゆこうとするのならば、ある面ではストーリーの据え付けからしてチョイと雑だな、と。例えば、冒頭からしてその母と娘の心理的な関係性=支配構造みたいなモノの説明が個人的には軽すぎると思ったのですよ⇒だから、その後の起承の「承」にあたる(娘が疑念を抱き始める)シーンで、彼女は何故、母がいつもと違う薬を買ってきて・でソレに自分のじゃなくて母の名前が書いてあった…てダケであんなにアクティブに猜疑心を全開に蠢き始めるのか…とかが(少なくともその場では)頭に入って来辛いのです。そんなトコロも含めて、もう少し緻密に登場人物の感情を積み上げて・かつもう少しじっくりと(=尺も使って)居心地の悪さも際立たせて呉れていた方が、サイコ・サスペンスとしてなら私はより好きに為れたかと思いますね(重ねて、このポップな感じも決して悪くはない=楽しめないなんてコトもない、というトコロではあるのですケドも)。  しかし……その意味でゆーともう一点ダケ、終盤に明かされるもう一つの仕掛け(=母と娘の「本当の関係」に係るモノ)については、コレもハッキリと私の好みではなかったのですよね。そりゃ、コッチの方が話が確実に「単純になる(好くも悪くも)」とは思うのですケドも……重ね重ね、ソレ自体は本当に「好い意味」でもある、とは(コレも)ハッキリと言及はしておきます⇒確かにやっぱポップで・かつ絶対に観易くは為る…と思うので娯楽や暇潰しに使うんだったら全然好いんじゃないかな、とは。。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-11-22 23:52:57)
6.  ライトハウス 《ネタバレ》 
もう少しシンプルなソリッド・シチュエーション・スリラーを想像していたのですが、同監督の『ノースマン』を観、また『ウィッチ』も観直した上で鑑賞すると尚更に、必ずしも全くそーいう単純なヤツではないごく文芸的でやや高尚な類いの作品にも思えますね。前半はソレでもまだ分かり易いスリルと不穏さを感じつつシンプルに観てゆけるのですが、後半は諸々と因果がイマイチ繋がらなくなってゆき、そしてオーラスも肝心なトコロは明かされないまま実に不可解に終わってゆきます。所ドコロはかなり比喩的でもありますし、重ねて文芸的で(台詞の芝居掛った感じも相まって)部分的にはコメディにすら思えます。ただコレも重ねて、ラストの不可解さ・煮え切らない感じの心地の悪さは実に上質で上品なホラー的快感でもあったなァ…と(ソレこそ本作の原作者たるポー作の古典怪奇小説の読後感にも近いモノで)。今作を観ての感想が「上品な」とゆーのは、その描写の汚らしさ+悍ましさ・凄惨さからすればだいぶ誤解を生む表現…かとも思いますが、個人的にはこの上無くというレベルで引き込まれて面白く観れましたですね。傑作かと。  そのクオリティは当然、かなり凝り様とマニアック度の高い脚本や、映像+ロケーションの質・完成度のシンプルな高水準さにも依るモノだとは思いますが、ソレよりナニより言及しておきたいのは主演2人の俳優の出来の好さですよね。その意味ではまずロバート・パティンソンにもモ~100点を付けちゃいたいのですケド、そーするとウィレム・デフォーには120点を付けなければならない…という感じでデフォーの仕事ぶりはモ~凄まじかったです(こんな「怪奇な」人間性とゆーのは、その実際の描き出しの質を含めても滅多に観れるモンではなかろう…と)。彼の一世一代の仕事を観る為ダケにでも、確実にカネを払う価値が在る…という作品だと思いますね。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-01-22 12:44:51)
7.  LAMB/ラム 《ネタバレ》 
お話の中身・あらすじだけを見るならばとにかく極め付きにシンプル、かつ真相も(意外なマデに)即物的なモノではあるのですよね。だから、その意味ではある種「表」も「裏」も無い、とゆーかズバリ、何らか「教訓」とゆーのが汲み取れない類の御伽話・寓話、とでも言いましょーかね。個人的には確実にやや期待外れ、の範疇ではありましたですね…(とゆーかラストは結構唖然としてしまいましたですよ…)  しかし、あくまで雰囲気映画や、或いは映像表現とかいった「見てくれ」に該当する要素を純粋に楽しむべき映画だ、と捉えるならば、まずはアイスランド?の豊かな自然の情景自体は実に雄大かつ静寂に満ちていて(ある面で)この世のモノとも思われない様な・心洗われる様なごく素晴らしいモノだったのです。そして、その優れたロケーションを活かし切る様な映画全体のゆったり流れるテンポ・演技の間合いなんかも(個人的には)かなり心地好いモノでしたね。あと、肝心の「アダ」ちゃんの諸々の表現とかも(⇒たぶん特撮・特殊メイク的なモノとCGの両方を使ってると思うのですが)普通にクオリティは高かったと思いますよ。映画として「物理的な」側面は総じて好く出来ている作品だったかな、と。  ただ、だとしたらやはり「何故こんな感じで終わった…」とも再び思ってしまいますケドね。ノオミ・ラパスにアダの母親を殺させた時点で結末の「性質」は確定してしまったも同然なのですから(んで実際にもその「思てたとおり」になるワケで)ソコはソコに何らかヒトの存在の哀しさだとかを纏わせるダケでも(月並とは言え)全然好かったジャン…ともね(重ね重ね、雰囲気や映像のクオリティがごく高度な作品なのですから)。
[映画館(字幕)] 5点(2022-10-05 22:47:32)
8.  ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像 《ネタバレ》 
埋もれた名画を発掘する…という美術分野の側のお話の方は、単純にまずまず興味深いしややサスペンス風に適度に緊迫する感じもあるので率直に中々面白かったと思うのですね。しかし本作はもう一方の側面として、とある老画商の親と子・孫の人生に関わる人間ドラマの要素を孕んでいるのですが、ソッチの方が端的に薄っぺらいとゆーかかなり適当だな…と感じられました。テンポやバランスを重視してか全体の尺がごくコンパクトなコトもあり、人物描写やその背景(描かれない時間軸における事情やら諸々)とかが総じて少し描写不足なので何かどーにも表面的だとゆーか取って付けた感じがあるとゆーか。そもそも、名画とゆーて精々10万ユーロ程度(=我々庶民にとっては十分に大金だ、とは言え)の代物ですし、ソレはソレを得られた・得られなかったから人生の失敗と成功が引っ繰り返る…というモノではないとはやっぱり思うのですよね。そーいうお話の締めくくりにコレ見よがしに主人公を殺してしまって、で一切合財ヒト絡げにして「でもイイ話だったよね!」と言われても、私は正直「ナンだかなあ…」と思わずには居られなかったです。個人的には少なくとも、もうチョイとシンプルにホッコリホコホコと終わって呉れてれば…なんて思っちゃったすね。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-19 23:23:59)
9.  ライフ・アフター・ベス 《ネタバレ》 
正直言って、ナニがしたかったのか分からない、という類の作品かと。根本的には「死者が蘇る」お話で、最初はまだしも終盤はやっぱりバケモノと化してゆくので結局は殺すしかない話ですし、なので「蘇った死者」という意味ではゾンビに近いとも言えますケド本質的には一般的なゾンビとは異なる存在なのに、これも終盤は雑にゾンビ・アポカリプス風の話にしてしまってる(そしてソッチの話も随分とナアナアに終わらせてしまってる)コトを含めて、死者蘇生・ゾンビ・コメディをエラく雑にごた混ぜたケド、よく見るとそれぞれにアイデアは皆無…という感じですね。マジで、今どきよくこの脚本に予算が付いたモンだなと。  一つだけ(他より)好かった点を捻り出すなら、主演のオーブリー・プラザは演技的にも総じて熱演だったと思いますし、終盤のヴィジュアルには少しだけユニークで面白いモノもあったかと。これも率直にイマイチ(最初から)可愛くないことも含め、ある種ハマり役だったかも知れません。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-02-23 17:19:55)
10.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
ふと、エドガー・ライトってホラーなんか撮ってたケ?と思ったのですが、そもそも『ショーン・オブ・ザ・デッド』か………いや、そーいうコトでもないよーな気もするのですケド……  ただ、本作は少なくとも最初の1時間はあまりホラーちゅう感じでもなくて、むしろお話もコンセプトも実に丹念に精密につくり込まれたもっと圧倒的に本格的な作品に見えてるのですね。もしソコに恐怖や憎悪といった醜悪なホラー的概念が既に存在してたとするならば、ソレとてソレは単なる「悪」とかでは全くなくて、スウィンギング・ロンドンという煌びやかな表の貌を備えての「裏側」だ、という意味でも軽く2倍はつくり込まれています(=フツーのホラーに比べたら)。まずはその美しき・善き側面のクオリティからして、オシャレにファンタジックだったり(部分的にはもうしっかり)ミュージカルだったり、率直に実に見事でした。今作、映像のクオリティは全編通しても頗る高かったと言って好いでしょう。  ところが本作、真ん中をチョイ過ぎた辺りからは一転してドエラくパワフルなホラー展開が際限無く加速し続けていく暴走特急と化してしまうのですね。この部分の力強さ・ハイスピードな展開も、確かにまず(コレは)ホラーとして一級品だと思いましたし、重ねて映像表現の出来も引き続き素晴らしかったと思います。しかし前半と後半は雰囲気がややアンマッチかな…とも感じたのですし、そして率直に後半はお話として(特に意外性を最重視したラスト付近の諸々は)ちょい雑すぎ or 完成度の面でやや口惜しい…という様にも感じました。何よりやはり結局こーいうオチ(=犯人があの人)なんだったらば、そもそものエロイーズとサンディの繋がり・シンクロとゆーのは一体ナンだったんやねんな…となっちゃいませんかコレ?意外(で驚愕)なオチではありましたが、でも根本的には実はこれオチてないんじゃ…?とか私なんかは思っちゃったりもするのですよね…  今作もまたエドガー・ライト宜しく、その部分は少し「軽い」、そしてこの彼一流のノリとゆーのは結論、私個人としては亦かなり「苦手」なヤツではあるのですよ(=エドガー・ライト自体がそもそもやっぱ苦手…という意味で)。ただ重ね重ね、本作の映像面のクオリティは総じて相当に秀逸な部類だったとは思ってますし、特に中盤のホラーシーンのスリリングさなんかはコレだけで1900円の元は取れた…と確実に感動してしまったという個人的事情もあって、評点としては僭越ながら一点加えさせて頂こうかと思います。良作でした。
[映画館(字幕)] 7点(2021-12-10 22:27:48)
11.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
クリスマスにピッタリのチョコレートの詰合せ、かの様な。総じてポップでオシャレで軽い口当たりながら味は様々で、それこそ甘いのもあればちょっとホロ苦いのもある。なので、苦手な人でも多分どっかしらには引っ掛かるだろうし、終盤は畳みかけるハッピーエンドの連続が中々にゴージャスでもあったりして。  でも、やっぱりチャンとした食事にするならも少しガッツリ食べられる一品料理の方が好いかも知れないし、とても気に入った味のがあったとしても一口分しか食べられないのは口惜しいと思うコトもあるだろう。要は「食べ」方、確かにそれこそクリスマス・イヴにデートムービーとして使うなら、これ以上の映画も中々見当たらない気もしますね。特に今作、やや大人向けの「インビな」スパイスの効いたヤツも多いですからね。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-10-25 22:21:14)(良:1票)
12.  ラ・ジュテ 《ネタバレ》 
実質的な構成成分は、その8割がたがSF短編小説の朗読だ、と言って好い作品かと。その意味では、決してSFとしての出来自体がソコまで優れているワケでもない、とゆーのには若干の残念さも感じられるかと(ややありがちな話ですしね)。ただ、やはりより重要なのは「フォトロマン」と呼ばれる手法を採用した映像(紙芝居)の方でしょうね。動画じゃなくて写真の連続、とゆーのは、一見は安上がりでしかも「簡単」な手法にも思えるケドも、コレを成立させるとゆーのは相当に高度な技量が必要でしょうね(構図その他のセンスに関して全く誤魔化しが効きませんからね)。その部分のクオリティとゆーのは結論的には評価するに十分なモノではなかったか、と思います。特に中盤の画面の美しさと、それら映像+朗読その他の「音」が醸すやや幻想的な雰囲気とゆーのは、個人的にはかなり心地好かったです。ソコに比しては終盤がやや駆け足かつ即物的な様にも思いましたが、映像の美しさとゆーの自体はここでも保たれていたかと思います。かなり気に入りました(立て続けに2回観てしまいましたね)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-09-30 01:15:11)
13.  らくごえいが 《ネタバレ》 
『らくごえいが』というド直球なタイトルから、そしてオムニバスというお誂え向きな設えから、観客が(特に落語ファンが)想像するだろうモノとは些かかけ離れた内容だと言ってしまっても好いだろう。ラストに本物の落語家が「講評」を述べていくインタビューシーンが在るのだが、みな慎重に言葉を選びつつもハッキリ「落語ではない」と断じたうえで、一部は相当に微妙な表情を浮かべていたのも然もありなんとは思うのだ。ただ、やはり落語をお話としてそのまま(現代)映画の題材にするとゆーのはかなり難しいコトだとも率直に思うのだし、そもそも無理にそーしたトコロでどれだけの意味・価値があるのかという観点からも、本作の様に落語のある種の「エッセンス・コアとなる要素」あるいは「何らかの独特な設定」のみにせよソレを汲み取って活かすことをコンセプトに短編映画を撮るとゆーのは、実はそこまで悪いコトでもないかと個人的には思うのですよね。  ただ、そーは言いつつ問題は、このオムニバスが落語から取り入れているそれらの「要素」とゆーのが「コアな or 独特な」とゆーには少し的外れに思える、というコトなのですよ(だから尚更ピンと来ない…つーか)。もう一つは、やっぱ元が落語なら結局「笑い」になってない、てのは流石にダメじゃね?とゆーコトですね。この2つの観点からしても、前述のインタビューシーンで多くの落語家が明言しても居たよーに、含まれる3作品の出来は『猿後家』→『死神』→→→→→『ねずみ』の順だとゆーのは私も完全に同意見ですね。    1.ビフォーアフター(35分)※元ネタは『ねずみ』 正直、旅館の名前が「ねずみ屋」じゃなきゃ誰も落語由来だと思わんでしょーね(キャラで「左」て名前のヤツが居たりもすんだけど)。元ネタから取り入れた要素はそのまま「潰れかけの旅館が大逆転!」というお話の内容の部分、なのだケド、それこそそーいうコトじゃねーだろ!としか言い様がないのですね。どだいこのコンセプトで選んだ元ネタが「左甚五郎もの」とゆーのがもう致命的でしょ。そもそもが人情噺の系統で寄席じゃ確実に「トリ」ネタなのだし、コレをオムニバス3作品の頭に持ってくるとゆーの自体にかなり深刻なセンスの無さを感じますですよ。あまり言及すべきコトも無く、只つまんないボンクラすね(モチロン笑えもしねーし)。   2.ライフ・レート(31分)※元ネタは『死神』 「人為らざる者から異形の能力を授かる」てのがコンセプトで、コッチは見る人が見りゃあ言われなくとも『死神』が元ネタだとスグに分かるっしょ。ただ、落語の『死神』には更に元ネタがあって(アレって実はグリム童話なのですよね)、その意味ではこれもやっぱちょっとピント外れに思える、とは言いたいのです(『死神』じたい有名な噺ではありますが、落語としては相当に毛色の特殊なヤツだと思いますし)。ラストに志らくが「落語とは人の業の肯定」だという師匠の言葉を引用しますが、それはその通りで、まずはあくまで「実在し得る」レベルの可笑しな・愚かな人間の有様をポジティブに捉えて「笑おう」とゆーのが落語の本質だとは私も感じているのです。  この短編そのものとしても、オチの部分が正直イマイチなのがちょっと痛いですかね(個人的には、実は第1話同様全くハマりませんでした)。しかし、死神という「独特な」キャラのユニークさ、という意味では、コレを演じるのが安田顕だとゆーのが効きまくっていてその面のクオリティは存外に高いとも言えるのですよ。その部分で、少なくとも第1話よりは明確に上回る、とは思いますですね。   3.猿後家はつらいよ(28分)※元ネタは『猿後家』 これもラストのインタビューで林家三平が「第3話なんて全く猿後家と違うハナシじゃん!」とか言ってましたが、個人的にはコレが一番「元ネタの落語のエッセンス」を汲み取った話だと思いますね。つまり「ココロにも無いコトをベラベラ喋りまくるコト」の滑稽さを描いたコメディだ、という意味でです。その観点では、元ネタでソレをやる人物とはかなり異なる属性のキャラながら、肝心のその部分を演じる加藤貴子の「ココロにも無い」虚ろな感じは結構上質だったと思います。全体的にコメディとしても単純にそこそこ好く出来ていてまあまあ笑えるので、出来は3作では少し抜けています。今作に免じて全体の評価も1点アップしておきます。  (余談)元ネタは上方→江戸に移入されたという(実は結構よくある類の)噺なのですが、個人的にはコレに関しては上方版の方が絶対に好い!と思います。上方版は奈良見物の件の「語り」が実に心地好いのですよね(まあ演者に依るトコですが)。滑稽話ながら笑いだけでない別の価値も備えた良質な落語かと(まあ映画には活かされてませんケド)。
[DVD(邦画)] 4点(2021-09-28 23:53:58)
14.  ライオン・キング(2019) 《ネタバレ》 
これも公開時はあまり興味無くスルーし、さほど評判も高くなくイマサラ観ましたが、想像より二回りは楽しめました。と言うか、超面白かったです。CGは超クオリティで、ライオンが実にカッコ好いコト!序盤にシンバとナラを助けに来たムファサのシーンなんかオジサン震えてしまいましたよ。内容はアニメ版より更にシンプルな感じにも思いますが、やはり実写的な動物のビジュアルではコミカル面やミュージカル要素の表現は中々難しいということかと思います。代わりに、シリアスなシーンや自然・生命の雄大さを表現するといった部分の良さというものが物語に取り込めていましたかね。動物のCGクオリティのみならず、そういった「大自然の偉大さ」を感じさせる部分のつくり込みも見事だったと思います。  いや~これは映画館で観るべき映画でしたね。。というかこれから、ディズニーは即・映画館行き、とする方が正しいのでしょうね。
[インターネット(吹替)] 8点(2020-12-31 20:03:34)(良:1票)
15.  ラスト5イヤーズ 《ネタバレ》 
コレ、情報を入れずに観たのですけど、男と女で時間の流れ方が違うのですね。女(の歌ってるシーンは)は終わりから始まりに、男は始まりから終わりに、という。率直に、言われねーと分かんねーよ!というか。アナケンの方は最初妙にネガティブだったのがどんどん暢気になっていく、その一方で男は段々ネガティブになっていくのだけど、普通にそーいうすれ違いのハナシかと思って観てました(アナちゃんがある種人格崩壊してってる、みたいな)。  歌は素晴らしかったですよ。ほぼ全編台詞の大半が歌という形式で、主演2人も単純に巧いし、楽曲もイケてるし。私なんかはこーいうのはただボンヤリ歌を聴いてるだけでもそこそこ満足できるのですけど、今作は流石に映画として観るとちょっとシンプルすぎる「愛が終わる」話でしかなくて、かつ前述の仕掛けを理解してなかったので終盤の違和感がハンパなくて白けちゃったのですよね。だから再見したら評価が変わる可能性は大アリだと言えますね(まあ、そのうち)。  一点だけ、今作のアナケンは何故髪を染めてるのでしょーか。ただでさえ見た目がバ…思慮深くは見えない系統のかたなのに、ブロンドにするとますます軽薄に見えるとゆーか。それでこのキャラはちょっと流石に…とも思いましたがね。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-03 22:15:08)
16.  ライムライト 《ネタバレ》 
この映画に描かれる「愛」は、男女のどちらの側からも、通常のそれよりも少しばかり崇高で純粋なものに、ただひたすらに美しいものの様に感じられる。残酷なのは、それほどに美しい二人の愛が、必ずしも互いを幸せにしていると言えない、ということか。否、幸せにしていると言えない様に「見える」ということか、とも思う。  二人は、限りなく幸福だった筈だ。互いに与え得る全ての献身を共有し分かち合うこと以上に、人が人を幸せに出来ることなどがあるだろうか。私が観た中で、最も美しく、最も幸福な映画だ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-06-30 00:53:55)(良:1票)
17.  ランボー/ラスト・ブラッド 《ネタバレ》 
ランボーとは、ただ「怒り」なのだ。怒り狂っていることのみがランボーがランボーである証しであり、その存在価値の全てである。戦いの果てに得た安らぎの場所、愛する家族すらも、彼の怒りに火を点ける為の供物でしかないし、ランボーがその長い人生をどう生きてきたのか(という、映画4本も撮ってつくり込んだハズの背景部分の設定)も、そしてスタローンが実際には何歳になっているのかすらも、そこに何らの関係も無い。ただ、ランボーは怒り続ける。そして、退かず、媚びず、省みない。実に潔い映画ではないか。  無論、何に対してでも怒ってさえ居ればよいのか、という「問題」は在るのかも知れないが、本作の論点はそこではない。単純にして明快な、見事なまでの「原点回帰」。『ロッキー・ザ・ファイナル』を彷彿とさせる、流石のスタローンだ。
[映画館(字幕)] 8点(2020-06-26 22:09:34)(良:1票)
18.  ラストレター(2020) 《ネタバレ》 
前半、過去と現在が一人二役で入り混じり、加えて手紙の遣り取りも錯綜する展開は、中々に複雑でそれが単純に面白い。このパートの主人公は松たか子で、(いい意味で)間が抜けたコミカルな様子が非常に微笑ましくて和む。後半は一転して福山雅治が主役で、やや暗い展開も交えつつ進むが、過去の回想と死んだ人の話が主体で肝心の福山雅治自体の話の方はあまり進展していかないようにも思う(ラストは少し前向きになって終わるとは言え)。  やや前後半で断絶が感じられるのと、それもあってか少し話が取り留めなくなっているようにも思われる。例えば、もう少し全体に渡って「未咲」の存在感を強く保ち、その人格・人生を生きている主演陣を使って描き出していくというような構成であれば、ラストの手紙の意味なんかもより明確になるようにも思うが、正直未咲がどういう人だったのかもイマイチ良く分からないのだよね。  とは言え、前述どおり展開運び自体はそこそこ面白く観れるし、全体の優しい郷愁に満ちた雰囲気もかなり心地良いのは間違い無い。その意味では、一人だけ唐突にドス黒いトヨエツは優れたスパイスになっていると言える。  あと一つ、ドローンてヤツは結構雑に使っても、画に広々とした爽快感が簡単に出せるもんだなと思った(爽やかな夏の雰囲気が強い本作では、特にそうなのかもしれない)。
[映画館(邦画)] 6点(2020-01-18 01:07:07)(良:1票)
19.  ラストサマー3 《ネタバレ》 
1作目の謎解き重視なスタイルでの続編と見せかけて、犯人は例の漁師のゾンビでしたあ、という、無責任極まりない支離滅裂な酷いシナリオ。これは酷い。
[DVD(字幕)] 2点(2020-01-16 23:39:09)
20.  らせん 《ネタバレ》 
全く怖くないホラーと3流のSFを足して2.5で割った、という感じ。別に演出や演技が殊更に悪いとは感じなかったが、内容的にはこの変な世界観しかないという中で、それだけでは流石に映画としては完全に物足りない2時間になってしまう。超の付く駄作。
[DVD(邦画)] 3点(2019-11-21 00:12:19)
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