2. ラ・マンチャの男
P・オトゥールは舞台出身と聞いていますが、このミュージカル映画では体全体でドンキホーテを演じ、映画の枠を越えて見事に役そのものになりきっています。病床で今一度、騎士道精神をよみがえらせ勇気と誇りをもって立ち上がるドンキホーテ。堂々とした姿の後、マリオネットの糸が切れるように息絶えるシーンは以降の舞台役者たちにも影響を与えたのではないでしょうか。公開当時、高校生だった私はソフィア・ローレンの大ファンで実は彼女目当てで映画館に行ったことは否定できません(同様の方もいらっしゃいましたよね?)。粗末な服を着ているほど女性らしさが際だつ女優さんです。この映画も汚れ役で胸元が大きく開いたブラウスを着ていますが、いやらしさよりも母性的な女性らしさが漂い、まとわりつく男たちはみんな乳幼児のように甘えて見えます。アルドンサ役としてソフィアは舞台女優にひけをとらぬほど見事に歌い演じています。存在そのものにインパクトを感じます。P・オトゥール以上に、この作品以降のアルドンサを演じる女優さんへ影響を与えたと思います(松たか子しかり)。年齢を感じさせないソフィアのバイタリティと美しさ、愛らしさにプラス2点で計8点。 8点(2003-05-16 16:17:22)(良:1票) |