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プロフィール
コメント数 67
性別 男性
自己紹介 琴線に触れる映画は人間としてのリアリティが描かれているかどうか。作品として大事なのは哀切さは容易に撮れるが、それが痛切であるかどうか。

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1.  リトル・チルドレン 《ネタバレ》 
登場人物の設定、話の展開などすべてがリアリティかつ緻密にできていて完璧。唯一の傷は最後ブラッドが駆け落ちの待ち合わせ場所に急ぐのにスケボーををやるくだりくらい。でも、本当あれなんで?現代人の闇、苦悩、葛藤、自己中で未成熟な幼児性など今のドラマではよく取り上げられるいわばありふれた素材だが2時間の映画作品でこれだけ群像劇的に描いて嘘臭くなく飽きさせずに描いたのはちょっとないんじゃないかな。監督が神の視点で一人一人を冷ややかに見る皮肉な感じも痺れて非常に好み。題名からも嫌味でリトル・チルドレンって言って集約させているくらいだし。設定のうまさは限りなく挙げられるけど、ラリーがロニーを攻撃するのも少年の誤射からPTSDで警察を退職せざるを得なくなり、仕事に誇りを持っていたゆえにその発露の場を求めてのこととか。そのロニーの母親がお前は人のことを言えるのかと逆にラリーに切り返すブーメランとか。ロニーのデート相手の女性の設定もいかにもそんな人じゃないと広告見て応募しないよなという感じだし。細かいところでいえば、ブラッドがサラの自分に対する恋慕に気づく瞬間やキャシーが二人の関係に気づく会話等々数を挙げればきりがないくらい実に芸が細かい。磨き上げれた碧玉のような作品だ。ケイト・ウィンスレットつながりでもないがレボリューショナリー・ロードも似たテイストだが、あちらの方がもっと生真面目で熱量があり、ある意味映画的でもあるが、こちらのほうは文学的でかつ話に広がりもあり、より完成度が高く感じられた(原作があった)。このサイトでは非常にunderestimateだけど。
[インターネット(字幕)] 9点(2021-08-10 23:57:28)
2.  リトル・オデッサ 《ネタバレ》 
オフビート感がなんか時代を感じさせます。ジャームッシュとかアキ・カウリスマキがはやってた頃の。個人的にはユダヤ人に興味があるので、ユダヤコミュニティの現実とかやっぱ教育に熱心なところとか、興味深く見れた。それでも学力がない子はギャングに走るのはアメリカの移民社会では万国共通なところとか、これもアメリカ映画で繰り返し描かれるモチーフです。一つのユダヤ人家庭の葛藤を描く至極まっとうな家族ドラマで脚本は良かったと思います。若干テンポがいまいちのような気もするがギリギリ独自のスタイルとして成立しているともいえるのでまぁ、それは良しとしましょう。それにしてもヴァネッサ・レッドグレイヴの演技が受賞するほどのモノとは特に思えないのだが。いや、別に悪くもないんだけど。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-02-27 21:48:30)
3.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 
ストーリ展開がスムーズで非常に見心地がよく、満足度が高い作品。主役の弁護士が魅力的に描けていて、物語前半で丁寧に拝金主義で下世話な姿を描きながら、中盤で悪役である依頼人が実は過去の依頼人を陥れ、自分もまんまと騙されて司法取引で無実だったその男に無理やり罪状を認めさせ服役させてしまったことに気づく。そして、そのことを悔いて、全力で悪役である依頼人を逆にお縄にしようと司法のテクニックを駆使して奮闘する。実は職業倫理に篤く正義感の強い熱い男だったことを描いていく。そのシフトチェンジも自然で演出も実に手堅い。見終わった後の感興も決して安っぽいウェルメイド・ハッピーエンド的なB級作品に堕さない品格があり、非常に質の高い娯楽作品だと思う。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-10 18:27:14)(良:2票)
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