1. ルーム
《ネタバレ》 ポスターから抱いていたイメージとは程遠い、はっきり言って陰惨な題材なのですが、子供の純粋無垢な視点や彼の冒険の物語にした発想、この見せ方のアイデアに唸らされました。現実的な話をさせてもらうと、日が当たらず、しかもこんなに狭くてきたない部屋に数年も幽閉されたら、子には何らかの発育障害がありそうですが、そこは目を瞑るべきか。手に汗握る脱出劇から一転、幸せをかみしめる時間も束の間、どこかよそよそしいわが家の"男"たち、そしてTV局のインタビューなどによって、次第に暗い過去が明かされていく。その展開に回想はなくてあくまで時系列で、そして極力状況で語っている点は好感が持てました。"脱出"は物語の分岐点。少年にとって本当の意味での"誕生"。それは文字通り夢と冒険の始まり。でも母親にとっては決して楽しいことばかりではなく、好奇の目に晒されたり、まだこれからも苦難は続いていくのである。まだいろいろ書きたいこともあるが、この映画だけは男の私がこれ以上何を書いても陳腐になりそうで。母親の愛と強さはやはり偉大でした、もうそれだけしか言えません。 [映画館(字幕)] 7点(2016-04-18 01:04:52)(良:1票) |