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1.  レ・ミゼラブル(2012) 《ネタバレ》 
上映時間中ずっと泣いていたため、タートルネックの首元がぐっしょり濡れました。  ワタシの「レ・ミゼラブル」の知識は、子どものころに読んだ「あゝ無情」のみ。何回も夢中で読んだ本でした。 幼いコゼット(6才と記憶)を抱え、ジャベールから逃げるジャン・バルジャンの描写が脳裏に焼き付いています。(映画では、この2人の因縁というかやり取りが、アッサリしていたように感じて、ちょっと残念。) イイモノであるはずの警察が、恐ろしいワルモノになる、国家権力に狙われる罪なき個人、という図が、子ども心に衝撃でした。 また、人間には「生きる」という事に形而上的な意味が必要である、とワタシに教えてくれたのもこの物語です。自分のため・享楽のためではなく、民衆や革命や正しき道を進むために生きる、という事。そういう生き方に憧れました。 もし「どの登場人物のように生きたいか」と問われたら、ワタシはアンジョルラスのように生きて、死にたいです。女ですが、別に愛に生きたくはないなぁ…なのでマリウスはヤだ。  しかし、ジャン・バルジャン役とジャベール役は、配役が逆だろ…と思ったのはワタシだけ?ラッセル・クロウの演技(歌含む)がいまいちダメ、と思ったのもワタシだけ?? なんか彼、役に入り込めてない感じがしましたよ。他の俳優・女優たちがよすぎたからそう思ったのかな。 ファンテーヌ役のアン・ハサウェイ、素晴らしかったですね。この時代に美しいということは、幸福になるか不幸になるかどちらかなのでしょう…哀しい。  映画館の大画面で観てよかった、と久々に思った映画。歌の力を感じ続けた2時間半でした。
[映画館(字幕)] 9点(2013-01-18 00:56:19)(良:1票)
2.  レディ・イン・ザ・ウォーター
激しく一般ウケしない作品。デートでこの映画を観に行って、消化不良な顔で映画館から出てくるカップルが目に浮かぶようです。 「で、結局なに?」「わかんないけど、あの女の子が鷲に乗って帰れたから、ハッピー・エンドなんじゃない?」「そっか~」 みたいな会話とか(笑)。  私自身は、この映画でシャマラン監督と相性がいいというか、彼の描く世界が好きなんだな~と実感しました。 現実世界に息苦しさを覚え、生き辛さを抱えた人間は、ファンタジーが好きだ。現実から遊離し過ぎた夢物語のファンタジーはなじめないが、寓話的要素を織り込んだファンタジーは、心に迫る。 この作品は、心に深い傷を負った人間を主役にすえ、ファンタジーを通して人とのつながりや生きる力を取り戻す「再生」が描かれている。 現実とファンタジー、サスペンスとユーモアのサジ加減が微妙(絶妙?)で、わかりやすい作品に慣れた観客は、「今の笑う?泣く?」と戸惑う所もあるだろう。そういったヌルい演出も含めて、この作品は、いい。  舞台がアパート内だけ(「サイン」もですね)にも関わらず、閉塞感や視野の狭さはなく、逆に狭い自室に籠って名作を執筆したドストエフスキーの精神の広がりと同じような、世界との豊かなつながりを感じます。そういう所も、監督の好きなところです。  興業的にどうだろうと、シャマラン監督にしか作れない作品である事は確か。一般受けはしないけど、一部に根強いファンがつくタイプの人だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-18 15:13:20)
3.  ●REC/レック(2007) 《ネタバレ》 
スペイン語って、すんごい巻き舌&長弁舌(センテンスが長い!)なんですね。 同じ内容の文章でも、日本語の方がずっと簡潔。 ナゼ?日本語は主語がなくても通じるから?でも、英語と比べても長いよね…。  本題に入りまして、 内容は、現代版ゾンビもので古いマンション(アパート?)が舞台。 このマンションが、小規模で狭い(部屋の中は広いようだが)。政府に隔離されて閉じ込められるという設定は珍しくないのですが、狭くて古くて縦に長いようなマンションの圧迫感が手伝って、全編通してずっと、密室モノのような緊迫感がありました。  ゾンビたちに追っかけられて、上へ上へと逃げていくしかなく、しかし逃げれば逃げるほど逃げ場がなくなり、追いつめられていく、という図。 「28日後…」でも同じようなシーンがありましたが、あっちは対ゾンビという覚悟があっての籠城、こっちは何が何だかわからないパニック状態での逃走。 当然、こっちの方が恐ろしさはハンパなかったです。  登場人物たちのキャラクター造詣も自然で、ごく普通にいそうな人ばかり。 女性リポーターというと好き・嫌いがハッキリ別れそうですが、ヒロインのアンヘラちゃんは可愛いけど可愛すぎず、庶民的で、ガッツとプロ根性があり、適度に女性らしくてヨカッタです。つーか、日本の女子アナとか女性リポーターの位置づけがかなり特殊なんでしょうねぇ(苦笑)。 消防士さんたちも、最後まで顔を見せないカメラマンさんも、みんな頑張り屋さんでした。合掌。  視点が手持ちカメラ(POV)という設定なので、途中で酔うかな~と思ったら、大丈夫でした。 やっぱりTV局のプロカメラマンが撮影、という設定だからでしょうか。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」では酔いまくりだったのですが、今回はそれはなく、「ヤバイ婆さんが襲いに来てるってば!撮ってないで早く逃げろ!」とジリジリしたくらいでした(笑)。 いやほんと、部屋に入った途端に、スリップ一枚の半裸の血まみれバーサンが絶叫しながら飛びかかってきた時は、怖くてこっちまで悲鳴を上げましたよ…。 さっきまで助けてくれた消防士さんがゾンビの形相になって階段を追いかけてくるのも怖かったですが、あのバーサンの恐ろしさにはかないません…。 77分間、たっぷり怖がらせてもらいました。スペイン・ホラー、いいですね。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 22:31:55)
4.  レッド・ドラゴン(2002)
見終わった直後の感想が「久々に美男・美女が一人も出てない映画を見たなぁ~」で、私も堕落したもんです(笑)。ほんとのとこE.ノートンてどーなんでしょう?カッコイイスか?彼。私は序盤のレクター逮捕云々のシーンで「あ~、この人(ノートン)がレクターさんに殺されて死んで、もっとカッコイイ人が主役で登場するんだな」と思ったくらい、ビジュアルに問題を感じました。ごめんよぅ、ノートン。演技はうまいんだが‥‥あの”なで肩”がイカン!ジャコメッティの針金彫刻じゃーないんだから!「モーリス」じゃないんだから!(怒) はぁはぁ。‥‥失礼しました。映画自体は普通に面白かったけど、「羊たちの~」のハラハラはないし「ハンニバル」のグログロもなく、前2作に比べるとインパクト弱し。レイフ・ファインズはよかったです。彼のほうがノートンよりステキと言ったら、友人に「あんたは筋肉好きだもんね」と問題発言されました。違います、役者の持つ雰囲気とイメージに対する好みなんです、と今ごろですが反論したい。
6点(2003-12-03 00:39:56)(笑:2票)
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