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1.  レスラー
老レスラー、ミッキー・ロークのよき相談相手として配置された、子持ちのストリッパーの存在が印象的でした。生活のため現役で体を張った仕事をしているが、限界を感じている点で二人は同じ。彼女には夫がおらず、ミッキー・ロークには妻子共に絶縁状態。肉体の限界からレスラー廃業を決意するものの寄る辺ない身を案じた彼女の手引きで、レスラー生活を優先するあまり犠牲にしてきた家族の温かみを再発見。この家族の温もりに自分を見出し廃業の決意を固めるストリッパーは『イヴの総て』のマーゴようであり、命と引き換えてでも、たとえリングネームであっても自分が必要とされている舞台で果てることを選んだ彼は、『サンセット大通り』のノーマのようでもありました。妻は老レスラーを指して「自業自得。こんな父親は絶対イヤ」と言っております。自業自得を引き受ける様を描いたのが本作のポイントなので別にそれでエエやんと思う反面、付き合わされた周囲の苦労、特に娘さんの辛苦が偲ばれます。
[DVD(字幕)] 7点(2011-08-19 23:42:58)
2.  レインマン 《ネタバレ》 
破産寸前の外車ディーラーを演じるトム・クルーズが、勘当状態にあった父の訃報をきっかけに施設で生活していた障害を持つ兄(ダスティン・ホフマン)の存在を初めて知り、ロサンゼルスまでの数日間の旅を追うロード・ムービーです。始めは意思疎通もままならなダスティン・ホフマンを邪険に扱っていたトム・クルーズが、兄と心を通わせてゆくきっかけが自分にとって益となる(お金をもたらす)から、というところに綺麗事ではないリアリティを感じます。
[DVD(字幕)] 5点(2010-12-22 21:41:27)
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