1. ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮
素顔はさわやかな北欧好男子のミケルセンが髪型とメイクで精いっぱいのブ男として登場。ミケルセンが演じる医師ストルーエンセは20年はかかるはずの人道主義諸制度(疫病を防ぐための上下水道の建設、裁判制度の確立、言論の自由、公務員による拷問の禁止等々)を二週間で構築しようとする間違いを冒したと評される人物で残されている肖像画で見る限り結構イケメンです。若くて宮廷になじめない王妃を手玉にとって自分のやりたいほうだいのことをやったような悪評も彼にはありますが、この作品の中では次期国王となる男子を生んだ後は国王に冷遇された王妃とデンマークの将来を語るうちに自然に愛情が芽生えたように描かれています。両方とも事実だったような気がします。現代では当然と受け止められている制度が確立されるまでにこのような人物のこのようなエピソードがあったということを教えてくれる秀逸な作品で全編の映像がとても美しかったです。 [映画館(字幕)] 9点(2013-04-04 07:23:57) |
2. ロビン・ウィリアムズのもしも私が大統領だったら・・・
《ネタバレ》 アメリカ市民権がある脚本家が脚本を書いたとは思えないお粗末なできの作品。点数のうちわけは民主主義に対する熱い想いを体現するロビン・ウィリアムズの芸に10点、脚本に0点で平均5点。ロビンが政治家として登場するコメディー・シーンと電子投票システム会社もと社員の女性の登場するサスペンス・シーンがちぐはぐで何を言いたいのかわからないです。地方分権のアメリカでは全米が同じ選挙システムを一斉に採用することはありえないし、メディアも新聞に関しては分権化されているので、各州の選挙予想に照らして、選挙が正当に行われたかどうか州ごとに検証が行われ、世論の大勢と異なる候補者が大統領に選ばれるはずがないことは誰でもしっています。2000年の大統領選挙の際、年寄りが多いフロリダ州が旧式の方法を採用して、得票カウントをめちゃくちゃにしてくれたせいでアメリカ史上二人目の有権者得票での完全敗北、初めての選挙人得票での???の大統領が登場し、同時多発テロを機会にまっしぐらにアフガンとイラクの戦争につき進んだことは記憶に新しいですが、この事実に遺憾を覚えるもうろく脚本家の駄作です。わたしだったらロビン・ウィリアムズ大統領が笑いとおちゃらけでイスラム圏の理解を得て本来は科学者にしか与えられないイグ・ノーベル平和賞を受賞、本物のノーベル賞がほしいと大統領が言い出して、「結果はともかく方法が・・・」としぶっていたスェーデンのアカデミーが検討を始める、みたいなストーリーにするんですけどね。 ロビン・ウィリアムズにノーベル賞受賞講演をやらせるんだったら世紀の爆笑ものになるようにして・・・脚本書くのはむすかしいだろうな。 [DVD(字幕)] 5点(2010-01-31 09:15:41) |
3. ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ
このサイトで酷評が多かったハムレットの現代版を十分に堪能して8点を奮発した私ですがあんまり楽しめなかった作品。多分、無料で一週間借りて「また明日でいいや・・・。今日は別にやることがある。」と5回もの細切れにして見たせいかもしれません。(つまらなかったからしかたがないでしょ。)正規版「ハムレット」をいろいろ見てきて卒業鑑賞のつもりで借りたDVDだったのですが、好みが分かれる作品ですね。もしかしたら、正規版「ハムレット」を見たことのない人のほうが楽しめるのかもしれません。巻頭のコイン投げから退屈退屈・・・。ローゼンクランツとギルデンスターンのどっちかが(私にとってはどっちでもいい)がガリレオの落下の実験や蒸気機関の実演をしてみせるのが少し面白かった程度かな・・・・。ハムレット役がアカデミー賞を受賞して一世を風靡したかのような貴公子ローレンス・オリビエの雰囲気を持ちながらメル・ギブソン版のような道化師的な演技をしたのも面白かったですが、作品全体に引き込まれはしませんでした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-13 14:19:32) |
4. ロスト・イン・トランスレーション
アメリカ人の友人から聞いてはいたものの、実際に作品を見て「ウッソー!」と思ったのは日本語の台詞に英語の字幕がないこと。(ちなみに、本サイトの拙レビューと拙「あらすじ投稿」は、ほとんど日本語字幕なしの英語の作品か英語字幕付の中国語やスペイン語の作品のものです。残りは英語字幕付の日本語作品のものです。)日本語がわからない人はこれをどう取るのかな・・・なんて考えながら見ているうちに自分の頭がすっかり日本語モードに切り替わっているのに気付きました。つまり、英語の単語は理解できるのに「論理」が頭に入って来ないのです。もっとも英語でも日本語でも「論理」にはほど遠い内容を話しているので、当然と言えば当然なのですが・・・。S.コッポラさん・・・お父さんと同じで映画という媒体の映像と音響の効果を強調するあまりストーリー性をないがしろにするのを悪いとは言わないけれど、「コットン・クラブ」でお父さんがしたはずの雰囲気作りの努力を、日本での現地ロケと日本人俳優の起用と字幕なしの日本語でもってすっ飛ばしたのはチョンボじゃないのかな・・・?おかげで日本人にとっては全然面白くない映画になってしまったじゃないですか?罰としてイラクの誘拐・人質事件を脚色した「アラビアン・ナイトメア物語」を作ってください・・・。これではアラブ諸国での作品配給のギャラがあぶないって・・・そんなことないでしょ・・・。今まで喜劇役者だと思い込んでいたビル・マレーの風格とスカーレット・ジョハンソンの清純さは良かったです。でも「今度、一緒に見る機会があったら日本語の部分を通訳してあげるよ・・・。」とアメリカ人の友人に安請け合いしたことはお互いにとって時間の無駄なので反古にします。 5点(2004-04-21 09:13:53) |
5. ロミオとジュリエット(1968)
これはもう正統派、古典的作品そのものです。きらびやかな衣装や中世イタリアの都市と名門の家庭の室内の調度に至るまでに気配りがなされているようで、舞台を模倣しながら舞台にはできない映画の世界を築いています。レナード・ホワイティングとオリビア・ハッセーも若々しくて綺麗だしニーノ・ロータの音楽が吟遊詩人の弾き語りになったり葬式の時のコーラスになったり雰囲気を盛り上がるいわゆる普通のBGMとして使われていたりするのもいろんな音楽を混ぜて使うよりも効果的に感じました。 9点(2004-02-08 02:19:35) |
6. ロミオ&ジュリエット
ロミオとジュリエットが始めて出会ったあたりでよくよく耳をすましたら高校の英語の授業か英語部の劇で覚えたセリフが出てきて嬉しかったし違和感もありませんでした。でも最後に「刀よ、これがおまえの鞘です・・・。」と言ってジュリエットが心臓に短刀をつきさすシーンはやはりなかったですね・・・。それから、偉そうな警官がロミオに向かって「おまえは追放だ!(You are banished!)」なんて言うのも「えっ、おまわりさんっていつから裁判なして人を処分できるようになったの・・・?」なんて思ってしまう・・・私が脚本担当者だったらモンタギュー家が警察に賄賂を払い。ディカプリオが演じるロミオの指名手配写真がベタベタ貼られた中、パトカーのトランクに入ってロミオが逃亡することにするんですけれどね・・・。最後の最後、二人の悲劇を報じるテレビニュースが途切れるのも不自然。私だったらテレビを見ている人(さっきの偉そうな警官が職場で見ていることにします)がリモコンでばちっとテレビを消すことにします。13世紀か14世紀ころのイタリアを舞台にした物語を無理に現代にもってきたせいでストーリーが釈然としない箇所もありますが、堅いこと言わなければめくるめく映像と主演の二人の演技で結構楽しめます。 6点(2004-01-25 08:42:27) |