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コメント数 542
性別 男性

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1.  ロイ・ビーン 《ネタバレ》 
酷評するコメントが一つも見当たらない中で勇気をもって言わせて頂きますと、自分にとってはこの映画は典型的な駄作。 冒頭から熊のように肥えた体を見せられた時点で、「ウワッ!イヤな予感!」と思い、立て続けに銃の乱発シーンも見せられれば、「はいこの映画、終了~」となってしまうわけなのであります。 こんなしょーもない映画を最後まで見た自分を褒めてあげたいと思う中で、読み取ったストーリーはというと、元々あった町には無法者が住み着いていて、そこにロイ・ビーンがやって来る。銃をブッ放して一網打尽にしたところで何処からともなくアンソニー・パーキンスが登場し、死者を弔って早々と退散(「その後、自分は死んだ」というモノローグでしたが、どこから語ってんだ?)。 熊を連れた男が現れ、熊を引き取って共に暮らすという展開になりますが、簡単に人を殺してしまうこれまでの流れを踏むと、熊だって同様に映画の最後までは生き延びることはできないだろうという事は容易に想像がつくわけで、元々の飼い主よりは画面に映る時間は長かったもののやはり大した役割やメタファーも与えられることのないまま死亡(死んだ時の血糊のリアリティのなさは失笑モノ)。 更に話は進み、白髪の殺し屋もさんざん叫び狂った挙句背後から撃たれて瞬殺だし(ここは笑うところ)、この土地は自分のものだと主張する弁護士もロイ・ビーンに軽くあしらわれ、ストーリーにおいての存在意義は熊にすら及ばずこちらも即終了という有様。これだけの脇役が町に現れては消えてゆくという展開の上、終盤の銃乱射に続く大迫力(笑)の町の炎上シーンの後に映画は完結・・・ともなれば、タイトル通り主人公ロイ・ビーンの物語と言うよりも、むしろ舞台となったこの町の沿革物語としたほうが良いような気もしてきます。 最後の手紙の内容も、まぁ、何となくお涙頂戴っぽい感じでフィニッシュに漕ぎ着けてはいますが、それまでのハチャメチャ感との落差には唖然とするしかなく、感動とはまた違った涙が出てきそうになりました。(て言うか、あれだけの大炎上で何で六法も手紙もポスターも焼けずに残ってんだ?)
[映画館(字幕)] 4点(2014-02-12 00:25:00)
2.  ロシュフォールの恋人たち 《ネタバレ》 
同じショットの繰り返しがどうしてこんなにも気持ち良くさせてくれるのでしょうか。 まず初めにドヌーヴが、次にドルレアックが、そしてラストではダニエル・ダリューが子供を迎えに行くシーンでは、まったく同じ位置からのショットでストーリーが展開され、また、町の広場の真ん中の泉を手前にした俯瞰ショットもこれまた幾度となく現れます。その繰り返しのショットが呼び起こすのは、日常の幸福感だったりお祭りの高揚感といった喜びの感情ではないでしょうか。登場人物が皆、喜びを歌にのせて踊るという演出は言うまでもなく我々をハッピーな気持ちにさせますが、それにも増して、この“繰り返し”のショットが自分にとっては一番気持ちの良いシーンであると断言できます。 ストーリーが、これまた素晴らしい群像劇で、歌の中身においても自然な繋がりがあるところも凄くいいですし、歌を唄いながらのダンスのシーンも、あの横長のスコープサイズの画面を、脇役の人物やインテリアやエキストラなど、あらゆるものを画面上に配置して構図を作っている。つまり、これも「シェルブール~」同様、綿密に計算されたカメラワークであると推測できるのです。 そして、日曜日のお祭りで全員が揃っての大団円かと思いきや、ドヌーヴの乗ったトラックにペランが乗り込んでパリに向かうという、何とも粋なエンディング。映画は終わったのに、あの車の中でどんな会話が、どんな歌が繰り広げられるんだろう・・・と想像して、自然とニコニコ顔になってしまいます(^_^) 
[映画館(字幕)] 10点(2007-07-16 16:44:03)(良:1票)
3.  ロイドの要心無用 《ネタバレ》 
原題の「Safety Last」はいいタイトルですね。ナイスネーミング! さて、ギャグ一つ一つはそんなに面白くないのですが、ちゃんとストーリーが通ってるので良かったと思います。チャップリンやキートンのコメディ映画って、一つ一つのギャグの寄せ集めのような印象(先にギャグありき)なのに対し、ロイドはストーリーをまず組んで、その中にギャグを入れて面白く作っている(先にストーリーありき)、という印象を受けました(まだ1作しか観てないけど)。 他の方も言っておられますが、やはり一番の見どころはラストのビルを登るシーンでしょう。ひもが結ばれてなかったり、時計のバネが足に引っかかってたり、風車に頭をぶつけそうになったりと、結構馬鹿馬鹿しくて単純な緊迫感なんですが、かなり息を呑んでハラハラしながら観てました(^_^)  また序盤で、フィアンセを安心させようとして、色々と贈り物をする心遣い「プレゼントを贈ることで、こっちでうまくいっているという事を知らせなければいけないんだ」というセリフがちょっと格好良かったです。 私は映画館で鑑賞したのですが、字幕ナシ&斎藤裕子さんの活弁付きで観たので、鑑賞環境は[吹替]とさせていただきました。
[映画館(吹替)] 7点(2006-10-02 21:55:45)
4.  ローラ(1961) 《ネタバレ》 
この映画の製作された1960年といえば、カラー映画が台頭してきている頃ですが、初恋というノスタルジックな題材を描いたこの映画には、むしろモノクロで撮ったのが正解でしょう。 この映画のモノクロ画面の面白いところは、屋外だろうが家の中だろうが、撮影のための照明を一切使わずに、全て自然光で撮っているということ。人物の表情が捉えにくいシーンもありますが、あたかも自分が実際にその場所にいて、その場で会話をしているかのような妙なリアリティーがあります。夜8時のシーンにもかかわらず、部屋の中に太陽の光が差し込んできたりしますが、そういうとこはまぁご愛敬ということで(笑)。 この映画を観たのは2回目なのですが、1回目に観たときと同様、冒頭のカフェに来たおばさんの息子ミシェルのくだりがどうも弱すぎるような気がします。そのおかげで、映画中盤でローラの初恋の相手がミシェルだと言われても、しばらくその繋がりに気づかなかったりします。 ところでこの映画、女目線で見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、自分は男なので、最後に一人トボトボと歩くローラン・カサールを見て、どうも不公平なエンディングのように思えてしまいます。ジャック・ドゥミがこんな映画を作るわけがない。こんな理不尽なエンディングがあってたまるかと思い、もしかしたらローラは本当は幸せを掴んだように見えて実はそうじゃないのかもとか、ローラン・カサールはどこかしらで幸せを掴んでるのかも、とかいろいろ考えてみましたが、この監督の後の映画でローラの行く末を語る場面があります。何もそんなにしなくても…というほどですが。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-07 22:47:54)
5.  ロバと王女
冒頭の、本の表紙をめくるところから始まる通り、まさに御伽噺。完全に絵本の中の世界です。何のひねりもないストレートな物語なので、煌びやかな映像と美しい歌声を堪能することに専念しましょう。 ドヌーヴの美しさは今まで観てきた映画でわかっていましたが、相も変わらず美しいドヌーヴの、あの長くて綺麗な髪の毛は恐らく彼女自身のものに違いない、と勝手に信じ込んでいます。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-18 17:30:28)
6.  ローマの休日
オードリー作品は「麗しのサブリナ」に続いて2作目なのですが、これもなかなかいいですね。 まず、ストーリーはこの時代に公開したら絶対ここまで人気が出なかっただろうなという、とんでもなくシンプルなもの。50年以上前に作られたからこそここまで人気があるんだろうな、と思います。 この映画はやっぱりモノクロで正解ですよ。中途半端な新しさがあったら絶対にこんなに人気出ないはず。不朽の名作と言われるまでの長い歳月がこの映画の面白さを外側から助長しているのではないでしょうか。この映画を見て感動した人にはもっと色々なモノクロ映画を見てほしいと思います。そして、自分だけの“不朽の名作”を見つけて下さい。必ず見つかります! 今は価値観が多様化してしまっている時代ですから、こんな万人受けするストレートなストーリーを作るのはこの時代じゃまず無理な話でしょう。この時代の作品だからこそできたこのストーリー。そして、この感動。 そう、この“普遍的な感動”こそがクラシック映画最大の魅力なのです!※
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-07 00:47:41)
7.  ロープ 《ネタバレ》 
「確かに面白いことは面白いけど、ナンバーワンに挙げられるかと言えば、答えはノーだ。」この映画を見た人のほとんどがこんな感じの意見だと思う。けど、自分にとっては間違いなくナンバーワンの映画だ。この映画全体に流れる微妙なコメディ感・独特の緊張感がたまらなく気に入ってしまったのだ。死体がある場所を先に知らせる意義についてだが、先に知らせることによってこそこの映画の面白さが成り立つのである。これは間違いなくそう断言できる。死体を先に見せ、その隠し場所を観客に見せることにより、あたかも我々があのパーティ会場の壁の隙間からこっそりと覗き見をしているかのような錯覚を持たされてしまうのである。さらに言えば、先に死体の置き場所を知らせることによって、その後の登場人物同士の会話の全てが意味のある会話になってくるのだ。 そのおかげでこの映画には中弛みのポイントが全く存在せず、終始一貫して緊張感を醸し出すことに成功している。この映画が素晴らしいのは極端な長回しによる緊張感溢れる撮影方法よりもワンシーンで全てストーリーが進んでいくシナリオよりも何よりも脚本が優れているからなのだ。つまり、この映画の面白さはパーティに招かれた人たちが犯人たちの愚業を如何に暴くかなどということではなく、パーティに招かれた人たちの決して故意的ではない(←ここがポイント)何気ない言葉によってフィリップが心理的に追い詰められて顔が青ざめていくところ、そして、ブラントンが幾多ものピンチを機転を利かせて巧妙に難逃れをするところにあるのだ。従って、この映画では登場人物の誰かに感情移入をしてしまうと全く面白みのない映画となってしまうので、登場人物たちと一定の距離をおいて客観的に見るべきである。また、可能な限りカット割を入れず(背中にカメラを近づけてカットするところはともかく、会話の間でカットを入れるところは凄くナチュラルでいい!)長回しで撮ることによって現場の緊張感を高め、さらに、背景を時間の進行とリンクさせているところも注目である。 「ハリーの災難」でもそうだが、人間の死というものをここまでコメディタッチに描くことのできるヒッチコックにはただただ舌を巻くばかりである。
10点(2004-06-03 18:59:34)(良:3票)
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