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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  ロレンツォのオイル/命の詩 《ネタバレ》 
こういう実話はレビューが難しいですね。もちろん役者陣は皆素晴らしい演技をみせてくれますし、観ていてつまらないとか退屈とは無縁の映画でもあります。でも「ドラマである映画としてより、ドキュメンタリーとして撮ったほうがよかったのでは」という意見にもうなずける部分もある。結局、映画化によりこの超人的な実話をドラマとして見せる必要があったのだろうか、という疑問が残ってしまうのです。 もちろんこの話をドラマすることによって得られるメリットっていうのは、両親の苦悩をより具体的に描けることということなのでしょう。が、それではこの医療の素人による新療法の開発という限りなく奇跡に近い偉業が、脚色という色付けによりウソ臭い代物となってしまう危険も伴う。もちろんこの映画は、そういう「苦悩のドラマ」とそれでも冷静さを失わなかったからこそ得られた「現実の成果」の二兎を追って、それなりの成功を収めた作品だとは思います。でも、その二兎はただ単に捕らえることができた二兎にしかすぎず、互いに相乗効果をあげるような関係にはいたっていないと思うのですよね。(そしてドラマ化という作業の使命はこの相乗効果を生み出すもの以外にはないはず・・・)だからこそこの実話を「苦悩のドラマ」部分を切り離した、徹底的に冷徹なる目を通してのドキュメンタリーとして見てみたかったという欲が湧いてくるのを押さえることができないでいる。そしてそんな観客は、決して私一人ではないと思うのですが・・・。 ごめんなさい。子供の難病における奇跡の物語なんてお涙頂戴で終わって当然のストーリーになっても不思議はないのに、思いがけず良質の映画だったためか、かえってハードルを高く上げてしまったゆえなのでしょう。ただの無いものねだりと言われても、言い返す言葉は確かにありませんね。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-24 17:27:59)
2.  ロバと王女 《ネタバレ》 
とても美しく夢のある映画ですが、あくまでこの映画のミソは、亡くなった奥さん以上に美しいからって実の娘を後添いにしたいなどと言い出すちょっと異常な父王様にあると思います (それに少しフラっとしちゃう王女様のいい加減さも笑えるけど)。だからお城を抜け出してからの「ロバの皮」になってからのストーリーは正直やや退屈でした。恋の相手の王子様もいまひとつインパクトないしね。そりゃきれいな昔話絵巻やシュールな演出(ヘリコプターでの登場など)がスクリーンに展開されていきますが、それだけだったら絵本で読んでおのおのが頭の中で想像する世界のほうが上なわけで、わざわざ映画として作り上げるならもう一味工夫が欲しいところ。もちろん1970年という公開年を考慮に入れるなら、このぐらいでも十分冒険はしているとは思うんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-10-15 17:17:50)
3.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
・・・ずっと思っていた。「この世で最も憎むべき人間とはこの映画の主人公のような武器商人たちである」と。戦争により、より大きな権力を得ようとする為政者たちでも、その為政者を倒すためなら手段を選ばないことで民衆を更なる悲劇に追い込む自称・解放者たちでもない。彼らに節操無く武器が売ることで利益を得、その富で贅沢な暮らしを楽しみ、自分自身は絶対に戦場には現れず命の危険にもさらされないような武器商人が、この世の悪の張本人なのだと、深く信じていた・・ ああ、でもこの主人公は鬼でも悪魔でもなく、「普通の男」であった。貧乏から抜け出して愛する女性を妻とするために、しゃかりきになって働く「普通の男」。極端にモラルに欠けた人間でもなく特に暴力を好む人間でもない愛すべき男・・・だが、それはただひとつの点(それは彼と世界にとって最も不幸なことなのだが)彼の才覚が「武器を売ること」にあったことを除いては、の話だ。 「金ならもう十分だろ」という弟に彼は言う、「金じゃない、才能だ」と。彼は「武器を売ることに」に自分のビジネスマンとしての才覚とその能力への誇りを感じていたのだろう。そんな誇りは決して許されるものではないと私もきっと彼自身も思っているのだろうけれど、そういう人間がいるのも事実なのかも、と思った。この映画は自分の「天職」が、「神に背く悪魔の技であった」という男の悲劇を描いたもの・・・観終わったあとそんなことを考えた。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-09 12:42:13)
4.  ローマ帝国の滅亡 《ネタバレ》 
下の方もおっしゃっている様に、「グラディエーター」と設定が似ています。んでもってグラディエーターの放映と時間を置かずにこちらも放映されたもんで、私も「どれどれ、んじゃ観て見ましょ」って鑑賞してみたわけなんですが、娯楽としては残念ながら「グラディエーター」の足元には及びませんでしたね。また「徐々に腐敗し衰退していくローマ帝国を描く」という硬派な視点での評価も、豪華出演陣の無意味なきらびやかさに負けてしまいイマイチの感じでした。いや悪くは無いとは思うのですよ。でも2つほど気になった点があってそれらが邪魔してのめり込めなかったかなぁという感じです。 まずはテンポの悪さ。長々と続く軍隊の行進とか皇帝の葬儀のシーンなど、早送りしてしまいたいシーンが多々あるんですよ。「こんなにスゴいセットを力いれて造ったのだしエキストラがいっぱい出ているのだし」とそれらを長々見せたい気持ちも分かります。またそれにより重厚な雰囲気を醸し出そうとしているのも分かるのですが、はっきり言って眠気を誘っているだけ。昔の作品だから時間のテンポがゆっくりなのかなぁなんても思ったけど、これより5年も前の「ベン・ハー」だってもっとテンポよく描けているわけですから・・・ それから2つ目は主役に魅力が感じられない点。主役のリヴィウス役のスティーブン・ボイド、なんで金髪なんかにしちゃったんでしょ。金髪が彼のいい意味のアクがすっかり抜いてしまっていて、結果どこにでもいるありきたりの2枚目崩れになってしまっている。主人公がこれじゃ感情移入はとてもできません。これじゃ悪役コンモドゥスのほうに肩入れしたくなっちゃうぐらい。またコンモドゥスやっているのがクリストファー・プラマーでしたしね。この作品の翌年には「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ大佐も演じる芸達者な彼が相手じゃ、食われちゃうもの無理ないかもしれないけど・・・ そんなわけで、よくある昔の映画、「グラディエーター」との比較をして見ればまあ面白いかも、って程度の映画でした。やっぱ名作として名が残るのとそうでないのとでは、歴然とした違いってものがあるのかのしれないですね。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-10-03 16:57:58)
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