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1.  6才のボクが、大人になるまで。 《ネタバレ》 
この作品に対する高い評価は、意欲的な試みに対して向けられたものであるだろう。個人的な意見を言えば、母親の奔放さにより子供たちが振り回されるという要素が不快(しかもそのことが作品内で特に断罪されることもなく進んでいく)なので、そこでもう置いていかれていた。このような性質の作品、たとえば数年かけて続いた連続ドラマなどを考えてみても、キャラクターに対し愛情がもてるかどうかは重大な要素だ。見知らぬ家族の変化だの成長だのどうだっていいし、逆に言えば、好きな人間の日常は、終着点がなくてもずっと見ていたいと思うものだし。3時間足らずの尺を長いと感じるかまだまだ足りないと感じるか、人によってバラバラだろう。面白いと感じた人は続編も観たいかもしれない。私はもういいよという感じ。監督の娘さんの表情がよかったから、そこが見所だったかな。
[映画館(字幕)] 6点(2015-03-07 11:33:18)
2.  ロルナの祈り 《ネタバレ》 
ダルデンヌ兄弟の映画は何となく観るのだが、お恥ずかしい話、ストーリーやらキャラクターについては全体的にうろ覚えである。共通して社会のどちらかというと下層部に生きる人の話で、ネガティブな面が描かれているのだが、あまり押し付けがましさがなく淡々としているといった感じで、それぞれの作品の印象が似通っているからかもしれない。この作品についても、兄弟らしく、描かれる内容はダークながらも全体的に上品。インパクトといえば全て中盤のロルナの心境の変化に集約されるだろう。かなり疎ましく感じていた(と思われる)相手に対し、あそこでどうしてああなるのか、一瞬理解できなかったが、安っぽい表現をすれば好きと嫌いは紙一重、愛するのも憎むのもエネルギーがいることで、そのエネルギーのベクトルが変わるだけの話だと思えば、そういうものかなという気もする。ジャンルとしてはラブストーリーなんだろうが、だとすればひねくれているし、事実だけみると、かなりの悲恋話である。だがラストは絶望じゃなく、どちらかというと希望が見出せそうですらあるのは不思議だ。私はこういったところに兄弟の作り手としての温かみを感じる。とはいえやはり、私のなかでは他の作品同様、残念ながら埋没してしまいそうである。このでしゃばらない感じがむしろ、ダルデンヌ兄弟作品の味なのかもしれないが。
[DVD(字幕)] 7点(2010-03-18 01:21:33)
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