3. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 「武器商人」を正当化はしないものの、必要悪だとして締めくくるラスト。自分の様な平和ボケしている人間には、もしかしたら世の中ってそういう風に出来てるんじゃないのか?なんて思ってしまったワケで。この映画の構成を、ユーリーが武器商人として成長し、活躍する=70%、賄賂も受け取らない法を遵守する正義の捜査官、バレンタイン=10%、夫の仕事に気付き、血で汚れた金では生活出来ないという妻=10%、自分が売る武器の犠牲になる人々を目の前にして、良心が許さなくなった弟=10%と見たんですが、そうしたら後者の30%は非常に少数派で、果たしてそういう状況に遭遇したら人はその行動を取るのか?と。とても映画的演出なんですが、反面、人としてぜひその行動を取って欲しい、という監督の観客(人間)に対する願いでもある様な気がしました。ユーリーを演じたニコラス・ケイジの、自分の子供にはたとえオモチャの銃であっても持たせたくない、妻の最初の絵を客を装い購入したりと、とても家族思いであり、している事が完全悪では無いと思わせる繊細で説得力のある演技で惑わされるワケなんですが、実際、武器を供給はするんですが、それが個人の手に渡り人に向けて撃つ。銃を手にした人間の意思であり、責任でもあるような気もします。大きな問題提起であると同時に、とても見応えのある映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-20 20:35:18) |