21. 私がモテてどうすんだ
《ネタバレ》 太ってる→痩せてモテる→また太っちゃう→頑張ってまた痩せる→どーなっちゃうの?? 一番メインの筋書きはこんなよーな感じの青春ラブコメ(コメディ寄り)だが、見た目重視の恋愛の浅はかさを乗り越えて主人公の本質的な魅力に気づいてゆく、といった部分は青春恋愛ものとしては割と中身のある話だとも思うし、それ自体とても爽やかでもある。ただ、結局恋愛ものとしては(なんと)決着をつけないぜ!という結末も含めて、最後まで観るとやっぱしあんまり中身の無い(=あくまで原作の要素の一部だけを掬い取った)映画なのだと感じるし、そーなると今作の一番の見どころというものは結局、綺羅星の如く揃えたイケメン男子のめくるめくBL場面、ということなのかと思う。その意味では、私は恐らくこの映画の客ではなかったのであろう。 主演の女子は本業ダンサーなのですね。初っ端のダンスシーンのパフォーマンスがかなり高水準だったので、後半もミュージカル展開がバリバリ入ってくるかと期待したのですが、実際はそーいうワケでもありませんでした。というか、全体的に比較的リーズナブルな質感の映画で、演技・演出含めて総じてややB級寄り、といった感じかもしれません。特に、90分というそこそこコンパクトな映画なのに展開運び・各シーンの間合いが(急ごうともせずに)かなりゆったりで、むしろ少し間延びしているよーな気も…というのはあまり感心しません(主人公がそのオタク属性を炸裂させるハイテンションなシーンなんかが、全体のローテンションぶりと比べてちょっと浮いちゃってるよーな気がしちゃって、とでも言うか)。 [DVD(邦画)] 5点(2021-03-13 13:33:06) |
22. わたしを離さないで
《ネタバレ》 臓器を提供することだけが目的ならば、その体に魂は必要なのだろうか。ある種、人間としての存在意義を全て否定された彼らが、その命をどう生きたのか、というこの話を深く考察していくことは、個人的にはこれもある種、人間の存在意義のひとつの本質に迫ろうとする非常に意味の深い行為だ、とも思える。 そして本作は、SF的な状況設定を有する物語ではあるが、その方面の深掘りや整合性はさほど重視していない、という様にも見える。とするとやはり、前述の哲学的な面に意味を持った内容になっていることを期待してしまうのは、そこまで的外れなことでもないのではないか。だからとにかく残念なのは、率直に言ってこの映画では、そういった深く深く突き詰めた様な、と言える程の含蓄は殆ど感じられない、ということであるのだ。 原作を読んでいないのでアレなのだが、他のレビュアーの方の意見を拝見するに、原作も内容としては映画と大差無いが、原作者の優れた文学的表現の方に作品としての価値を見出せる、ということの様である。ナルホド、つまり文芸映画としては、非常に難しい方の道を選んでしまった作品、ということなのかも知れない。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-12 22:07:09) |
23. わさび(2016)
《ネタバレ》 芳根京子ちゃんが可愛いすね。可愛いだけでなく、年齢よりもしっかりして見えるとゆーか、要はこの娘、結構色々苦労を重ねて来たけどその都度健気に乗り越えてきたのよ、という根本部分の(省略された)キャラ設定は、狙い通りにスンナリ入って来る様にも思います。 ただ、結局コレって何を描きたかった話なんすかね?父子の絆?明日への前向きな一歩?(それは状況を俯瞰した時に「適切な」判断と言えるもの?)なんとゆーか、30分観てきてもそもそも何も積み上げた諸問題がクリアにはなっていない、という様に思えます。別に、空気感がメインディッシュです!みたいな短編も多いワケで、必ずしもお話がゴールに辿り着いてないことが許されない、というコトでもないとも思いますが、今作はソレにしちゃあゴチャゴチャとお話の構成要素を盛り沢山に詰め込んでいる、という様にも思いますし、個人的にはも少しポイントが分かり易いシンプルな短編の方が好みですね(監督に複雑な話をコンパクトに纏め上げる能力が有るとゆーなら別ですケド)。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-08-11 19:00:13) |
24. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
《ネタバレ》 12軒のパブをハシゴするという部分と、途中から展開されるSFスリラー的な話と、主な筋が2本あるのだが、正直どちらもややよく分からないオチを迎えるというか、ラストまで観ての達成感があまり無い。じゃあ途中笑いに笑えたかというと、これもそーでもない(個人的にこの監督とはあまりコメディセンスのフィーリングが合わないってのも大いにあるケド)。面白かったのは率直にブランクとの格闘シーン(喧嘩において「質量は正義」と言わんばかりにデブのアンディが無双してるサマはある意味爽快だった)。 私も酒飲みとしては、酒絡みの無茶を昔取った杵柄でもう一度、という部分には大いにノスタルジィを感じるので、その部分に何か痛快なラストが観れたらそれだけでも良かったのになあ、という思いが強い(SFとかどーでもいいから)。UKパイントは568mlなので、12杯で約7リットル、生中14杯分である。昔なら一晩くれれば余裕だが、今では絶対に無理だ。 [DVD(字幕)] 4点(2020-06-21 23:24:27) |
25. 私がクマにキレた理由
《ネタバレ》 この映画の主題はアメリカ上流階級の異様なライフスタイルをコキ下ろすコメディ部分にこそある。ただ、その一方で私が感じるのは、映画として本来メインにするべきヒューマンドラマ部分が非常に薄っぺらくなっており、話が正直言って全然面白くないということである。金持ちを嘲笑おうとするコメディ部分も現実離れ感が大きく(アメリカ人と我々では話の内容の受け止め方も違うし、彼らとはコメディセンスは更に異なるし)、これも腹を抱えて笑えるとまではいかないのが率直な感想で、全体的に色々とかなり物足りなく感じる。スカヨハは全盛期で、ダサい格好をしても隠し切れない色気が炸裂している(アホ旦那が手を出すのもまあ分かる)。 [インターネット(字幕)] 4点(2019-12-14 12:41:00) |