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プロフィール
コメント数 731
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自己紹介 奥さんと長男との3人家族。ただの映画好きオヤジです。

好きな映画はジョン・フォードのすべての映画です。

どうぞよろしくお願いします。


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人生いろいろ、映画もいろいろ。みんなちがって、みんないい。


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1.  ワンダーウーマン 1984 《ネタバレ》 
・・・前作のラストで、ワンダーウーマン=ダイアナはこう“独白[モノローグ]”する。「かつて私は世界を救おうとした。そしてどんな人間にも光と影が同居していると知った。人々の善と悪の戦いは続いている。でも愛があれば、その戦いに勝てる。だから私は戦い続ける」と。だが今回の彼女は、「善と悪」以上にいっそうフクザツで始末に悪い人間の「欲望」との戦いに直面する。だからこそその時代設定が「1984年」でなければならなかった。なぜなら、まさにあの時代こそ高度資本主義社会がピークを迎えようとするものだったからだ。  そして登場する、ふたりの「悪役[ヴィラン]」。だがこの映画は、そのどちらも「欲望」に負けた“犠牲者”として描きだす。ずっと負け犬の人生をおくり、ひとり息子だけが生きがいのマックス。そして“チーター”ことバーバラも、ホームレスの老人に親しく声をかける不器用だがやさしい人間だった。偽りの“力[パワー]”を得て自分を見失ったそんな彼らに、ふたたび「真実」へと目を向けさせること。だがその前にダイアナ自身が、最愛のスティーヴとふたたび出会えた幸福を“断念”することこそ「真実」だと受け入れなければならない。  その葛藤の果ての決断(……そして、それをダイアナに促したスティーブの“男気”!)をへて、彼女はついに真の「勇者[ヒーロー]」として走り出し、ついには“空を飛ぶ”のである。前作の戦場を疾走する場面に続いて、ここでもこのダイアナの「疾走」こそ本作のハイライトであり、最も感動的なシーンに違いない。いやぁ、泣いたな。ぼろ泣きです(笑)  感動的といえば、ダイアナとスティーヴがジェット戦闘機で空を飛ぶ場面。ふたりはマックスを追跡するために機を“拝借”したんだが、ちょうど独立記念日の花火があがるなかを飛ぶそのシーンは、本当に美しく、ロマンチックなのだった。まるで、リチャード・ドナー版の『スーパーマン』でスーパーマンとロイス・レインが夜空をデートする、あの最高にロマンチックなシーンのように。だからこそ本作のクライマックスで、アッと驚く「時間の逆行」ですべてメデタシメデタシという展開にも決して驚きはしないだろう。だって、それもまたドナー監督の『スーパーマン』でぼく(たち)は“経験済み”だからだ。  同じくリチャード・ドナーの『スーパーマン』こそを愛する者のひとりとして、パティ・ジェンキンス監督に今回も乾杯と両手いっぱいの花束を進呈しよう。
[映画館(字幕)] 10点(2021-05-18 14:44:08)(良:2票)
2.  ワンダーウーマン 《ネタバレ》 
・・・映画館でカンゲキ(観劇? 感激!)して、DVDでもすでに3回は見ています。いやもう、みなさんおっしゃるように主演のガル・ガドット様そのものが「ワンダー」すぎて、それだけでもう10点満点。じゅうぶんオトナとしての色香を放ちながら、どこまでも純粋無垢なキュートさをあわせ持ち、しかも一途な熱すぎるほどの正義感[ヒロイズム]に燃えている。まさに“ナイフのようにナイーヴ”な圧倒的魅力と存在感で、わがハートを貫いてくれましたとも(笑)  そして彼女が、はじめて人間世界で「ワンダーウーマン」として覚醒するあの戦場場面。塹壕をひとり飛び出して、はじめはゆっくりと、そして猛然と疾走する彼女の姿はまさに神々しいばかりの“崇高さ”で、映画館で思わずナミダしながらひれ伏したくなったもんでした。何よりこのワンダーウーマンは、ここ最近のバットマンやスーパーマンたちが「自分は何者か」という“自己との葛藤”で苦悩するのとはちがって、たとえ自らの理想主義が一度は打ち砕かれようとそれでも他者(=人間たち)への「愛」ゆえにふたたび立ち上がる。ウジウジと悩める男どもより、よっぽど「ヒーロー」として屹立し輝いているじゃないか。  もちろん、そんなガル・ガドット=ワンダーウーマンをあくまで「ダイアナ」というひとりの女性として愛しぬくクリス・パイン=スティーヴの“漢(おとこ)”っぷりも素晴らしい。そりゃあワンダーウーマンも惚れるよな。第1次世界大戦下のヨーロッパ戦線という時代色もドラマに風格をもたらしているし、「DCユニバース」とかいう一連のスーパーヒーロー物語世界[サーガ]にあっても突出して見事な、そして大好きな作品であります!
[DVD(字幕)] 10点(2021-05-18 14:03:47)
3.  若き日のリンカン
思うところあって、ある時から、いわゆる古典的な「名画」とよばれる作品にはなるべくレビューを書かないつもりでした。が、この映画に関しては、最近DVDではじめて見ることができ(売っていたのが某100円ショップで、値段は「315円」…。嬉しいというより、ちょっと悲しかった)、どうしても書いておきたいことがあったので、自戒を解く(?)次第です。  この映画は、題名の通り、後の「黒人奴隷解放の父」リンカーン大統領が、まだ若く、無名で、貧しい弁護士時代に、保安官助手殺しの被告となった兄弟の、弁護を務めることになったエピソードを描くものです。そしてもちろん、窮地におちいった兄弟とその一家を、リンカーンが裁判の場で見事に救うことでめでたしめでたし。ではあるのですが、見終わった時の余韻というか「感動」は、若きリンカーンの聡明さや善良さ、素朴な“田舎者”としての愛すべきヒーローぶりとは別のところにあるように思いました。  映画は、留置場や裁判中のシーンで、被告の兄弟にほとんど言葉をしゃべらせません。町民が私刑(リンチ)で彼らを木に吊そうとしたり、裁判で何を言われようと、とまどいと、少しの怯えを含んだまなざしで、じっと事の推移をうかがっている。そして兄弟の家族たちも、留置場を訪れて、一緒に歌うことしかできない・・・。  その時、彼らは白人たちであるものの、映画は明らかにこの兄弟や一家を「黒人」として描いている。リンカーンの時代から、この映画が制作された1939年当時ですら変わらず差別され迫害されてきた黒人たちの受難を、この映画はまちがいなくこの兄弟とその一家に託して語り、告発しているのだと、ぼくは思います。監督のジョン・フォードは、黒人がひとりも登場しないこのリンカーンの「伝記」映画にあって、ひそかに、しかしはっきりと、虐げられてきた「黒人たち」のための物語を語っているのです。  フォード監督は、晩年近くに、今度は本当に黒人を被告とした裁判劇『バッファロー大隊』を撮ります。あまり評価されない、しかしあの美しい映画が、実はこの『若き日のリンカン』とはるかに“共鳴”するものであったことを、ぼくは今、ある深い感慨とともに確信しています。
[DVD(字幕)] 10点(2006-05-26 12:50:07)(良:2票)
4.  わが谷は緑なりき
炭坑で働く屈強な兄貴たちが、ひ弱な末っ子にケンカの仕方を教えたり、何かとさりげなく気を配る。 ああ、これってジム・シェリダン監督が『マイ・レフトフット』で美しく“再現”していたなぁ…と、しみじみ思い出す。 その末っ子がある日病気で立てなくなり、神父の励ましにより、大きな樹の下でよろよろと立ち上がる。 …少なくともこの映画を見ている間は、これ以上崇高なシーンなど、これまでもこれからも絶対にあり得ないとかたく信じ込む。 そして、主人公一家の長女を演じるモーリン・オハラの、何という美しさ! 彼女こそ映画の中で描かれた最高の女性だと、これも見ている間じゅうぼくは狂おしく“恋”してしまう。  この世界が耐え難く醜く思えたり、自分を含めた人間が嫌いになった時、ぼくはいつもこの映画に「還る」。そうすると、ふたたび生きていけるような気がする。 そういう意味において、これはぼくにとっての「理想の映画」に他ならない。ジョン・フォードにとっても、この作品よりも完成度の高いものや優れたものはあるだろう。ぼくだって他に好きな作品、感服する作品はいっぱいある。けれど、間違いなく、この映画は「特別」な一本なのだ。単なる「映画」としてでなく、「人生」においての。  ところで、貴方にとって「映画」とは何なのでしょう?
10点(2004-06-21 21:57:38)(良:4票)
5.  ワールド・アパートメント・ホラー
壮大なSFものとは別の、初期の大友克弘が描いていた奇妙な味のファンタジーとして、これはこれで見事に大友ワールドですねえ。しかも、実写映画をかくも達者にこなして、自己のヴィジョンを実現した彼の才能とセンスに感心。アニメもいいけど、またぜひ劇映画にチャレンジしていただきたい…そう思わせる出来映えです。笑えて、ヘンテコで、オチまでしっかり!
7点(2003-09-16 16:53:22)
6.  ワンス・アンド・フォーエバー
ええっと、最低限の常識を保って「ベトナム戦争」を捉え直そうという誠実さは買うものの…戦闘シーンのイマドキな残虐クソリアリズムはともかく、全体的に古臭いアナクロ感が拭えないなあ。特に、この手の映画に必ず出てくる、絶対に何事にも動じない古参の軍曹(昔ならジョージ・ケネディあたりが得意としていたような)とか、メル・ギブソン扮する頼れる主人公像とか。んー、所詮はジョン・ウェインの『グリーン・ベレー』と何も変わらない、「アメリカ賛歌」じゃなく「軍人賛歌」映画だな。国家を批判することであの戦争そのものを肯定できるという単細胞ぶりが、ついていけませんでした。
4点(2003-06-19 12:50:47)
7.  私に近い6人の他人
今をときめくウィル・スミスが、あっと驚く演技派ぶりを見せてくれる、それだけでも一見の価値あり。しかも、シドニー・ポワチエの息子(!)と偽って上流社会の面々に取り入ろうとする心情が、日本の我々が見ても決して他人ごとじゃない”切実さ”を感じさせて、心にしみます。ほとんど話題にもならない舞台劇の映画化だけど、映像的にも工夫が凝らされて、忘れ難い佳作と言えるでしょう。
8点(2003-06-09 19:45:57)
8.  わが心のボルチモア
バリー・レビンソン監督の最高傑作と言ってよいかもしれない。自らの祖先のたどってきた道のりをモデルにした、半自伝的ストーリーだけど、決して甘いノスタルジアや感傷に陥らない批評性と、ドラマとしての構築力が、普遍的な感動を呼んでくれます。特に、ア-ノン=ミュラ-・スタ-ル演じる祖父の残酷な末路は、孫世代だったレビンソン自身の胸の痛みと痛恨の念がヒシヒシと伝わってきて、悲痛そのもの。確かに地味だし、スペクタクルな見せ場もない映画だけど、この”美しさ”だけはきっと誰の心にも忘れ難いインプレッションをあたえてくれるものだとぼくは信じています。
10点(2003-06-09 19:36:56)
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